第四章 神々へ…… 第1話
バリウス達は遂に神に挑む。
どれ程の力なのか、予想が付かないまま不安を抱えていた一同だったが、それでも各々で出来る事で準備を始める。
カーン「はぁ……はぁ……」
(ネロは本当に凄い…改めて実感する)
ここはガーネスィストにあるカーン邸の地下室である。空間移動能力の開発に勤しんでいたカーンは満身創痍だった。
そもそもエレメンティストの錬金能力は元々ある物の形を変える能力で、そこにない物を生み出す事は出来ない。つまり、ない物を創り上げる事が出来たのはネロだけなのだ。
カーン「今日は…このくらい…じゃの……」
カーン邸の庭ではバリウスが剣を振っていた。庭園には剣を振る音が響き渡っている。
ヒュオン!……ヒュオン!……ヒュオン!
寒い地域に位置するガーネスィスト。カーン邸の庭園は言うまでもなく寒く、バリウスの身体からは湯気が出ていた。
そうしていると、リサがやって来た。
リサ「バリウス~!……すぅー!寒!」
バリウス「おはよう…リサ」
リサ「よくこんな寒い中でノースリーブ一枚で居
られるよね。私は無理~……」
バリウス「動くと温まるんだよ……ところで…」
リサ「うん……ユリウスがずっと部屋から出て来
なくて……大丈夫なの?」
バリウス「あぁ、大丈夫だろ………」
リサ「……?」
(ユリウス部屋)
ユリウスは精神統一をする為、立ったままで目を閉じていた……
しばらくして目を開け、ふと自身の剣を見つめる。歴戦の傷が無数にあり、刀身はくたびれた様に光沢が無かった。その刀身に一際大きな傷がある。新しい傷であった為、明らかにバリウスとの戦闘で傷が付いたのが分かった。
ユリウス「フッ……流石だな……」
少し笑みがこぼれてしまった。すると……
コンコン………「ちょっと良いか?」
ユリウスの部屋にドルテがやって来た。ドルテは少し緊張した面持ちでユリウスに話し掛ける。
ドルテ「よ……よぉ……」
ユリウス「どうした?……」
ドルテ「以前に会ってるが、バリウスの弟がどん
な奴なのか気になってよ……やっぱり
そっくりだな……」
ユリウス「一応双子だからな…そうなって当然
じゃないのか?似てない方が不自然だ
ろ……」
ドルテ「お、おう!……そうだよな……」
少しだけ無言になった二人だが……
ドルテ「まぁ、元気になって良かった」
そう言って部屋から出ようとした時、ユリウスはドルテに話しかける。
ユリウス「以前見た時………だが……
剣の筋は良かったが少し大振りだっ
た。コンパクトに剣を扱えば隙が少な
くて済む」
ドルテ「お、おう!サンキュー!」
ユリウス「偉そうにすまない……」
ドルテ「へへ!なんだ!アンタ良い奴じゃねぇ
か!……んじゃな!」
ユリウス「………」
(カーン部屋)
カーン(ふぅ……少々疲れたわい……)
カーンはかなり疲労していた。そういう姿をあまり見せない様にしていた為か、一人で休息を取っていた。しかしその時……
カーン「……!!」
庭の方から凄まじい程の気配を感じた。
カーン(まさか!これは!)
慌てて窓から庭を覗くと、なんとそれはバリウスだった。傍にはリサがいる。
カーン(どうなっとるんじゃ……これは……)
(カーン邸・庭)
バリウス「これが……今のところ限界だな……」
両手を胸元で合わせ、合掌する形で気合いを入れるバリウス。
リサ「少し抜き取るから……待ってて……」
リサも何やら両手をバリウスに向けて目を閉じていた。そして、バリウスから放たれているオーラを球体に変えた。
リサ「はぁ……はぁ……出来た!」
バリウス「やったな!リサ!ありがとう!」
この二人のやり取りを感じ取ったドルテとユリウスが庭に来た。
ユリウス「兄貴、何してるんだ?」
バリウス「オーラの3割を預かって貰ったんだ」
ドルテ「は?お前何やってんだよ!」
バリウス「鍛錬の一環だ。
以前、黒龍族の力を取り戻した時に感
じたんだが、力を少し抜き取った状態
で過ごしてから戻すと、能力が底上げ
される事に気付いたんだよ。
何回か繰り返せば、神にある程度対抗
出来るんじゃないかと……」
ユリウス(……天才か……)
すると急にドルテが叫んだ。
ドルテ「ユリウス!俺に剣を教えてくれ!」
ユリウス「…!!」
ユリウスはびっくりしてドルテを見たが、その後ユリウスは少し表情が緩んだ。
ユリウス(俺も負けてられんな……)
皆、神に挑む為の準備が着々と進んでいた。
ネロ「…………早く来い、バリウス………」
─────第2話に続く─────




