第三章 古代剣士 第13話
激しくぶつかり合うバリウスとユリウス。
誰も止める事など出来ない戦いの結末は……
シリウスの力を吸収したユリウス……
本来の力を取り戻したバリウス……
本当であれば戦うべきではない二人が対峙する。言い伝えにある『忌むべき双子』……
ユリウス「ようやくこの時が来たな…兄貴」
バリウス「出来ればお前に、剣を向けたくない」
ユリウス「まだそんな事言ってんのか!もう後戻
りは出来ない上に、産まれた時からの
俺達の運命なんだよ!受け入れろ!」
バリウス「なぜ血の繋がった者同士で争わなけれ
ばならない……オレは親父も殺すつ
もりはなかった!そしてお前もだ」
ユリウス「平行線だな…俺達は……」
ユリウスは覚悟を決めた様に目を閉じる。そして少し間を置いてバリウスに斬りかかった。
ユリウス「はぁぁ!」
カシャン!……
バリウス「くっ!」
ユリウス「戦え!じゃないと死ぬぞ!」
バリウスは一瞬、リサとの約束を思い出していた。
リサ『生きて!……』
バリウスは決意した様に目を見開き、ユリウスの剣を弾き返した。
バリウス(リサ、約束通り生きて帰る!)
バリウスの紅くなった瞳が更に光を増して、力強い眼光でユリウスを睨む。
バリウス「ユリウス!……覚悟は出来てるか!」
ユリウス「望むところだ!兄貴!」
バリウス&ユリウス「はぁぁぁぁ!」
───ガーネフィスト・カーン邸────
カーン(いよいよ始まったか………)
カーンは自身の部屋の窓からクリスタリカの方向を向いて遠い空を見上げた。
カーン(もう誰もこの決闘を止める事など出来ん
……全ては運命のままじゃ)
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血塗られた兄弟の宿命。産まれた時からこの二人は共に暮らしてこれなかった。
バリウスの母であるバリエラが殺された後、シリウスがユリウスを連れ去り、バリウスはシヴァに引き取られた。両者は全く違った環境で育ち、そしてお互いに育ての親から互いの事を聞かされていた。
再会を果たせたのがクリスタリカ王女暗殺事件のあの時だった。
激しい戦闘。お互いを削り合い、両者は消耗していた。
ユリウス「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
バリウス「はぁ…はぁ……
ユリウス、一つ聞く。何故そこまで自
分で神に挑もうとする?……」
ユリウス「……欲しいんだよ……」
バリウス「……?」
ユリウス「俺は知ってる。兄貴、アンタは母さん
の力を強く受け継いでる。でも俺はあ
のクソ親父の力を強く受け継いでてそ
れ意外何も無い。」
バリウス「………」
ユリウス「アンタのその手に持つのも母親の剣だ
ろ!…俺が手に入れたかった剣だ!」
バリウス「……!」
バリウスはこの時気付いた。ユリウスは『愛情』が欲しかったのだと。父親からは愛情を受けて育てられてなかったのだ。いずれシリウスの力の糧となる様に育てられていたユリウスにとって、母の愛情に飢えていたのだろう。
バリウス「…母さんからの伝言だ………
『お前を救って欲しい』と……」
ユリウス「………!!」
バリウス「お前を止めるのがオレの役目だ!」
ユリウス「俺はエリザ王女を殺したんだぞ?…
兄貴……俺を殺したいくらい恨んでる
んじゃないのか?」
バリウス「さっきまではな………
でも今なら母さんが言ってた事が分か
る。ユリウス、もう止めろ!」
ユリウス「………はぁぁ!」
再びユリウスはバリウスに襲いかかる。また激しい撃ち合いになる。
カシャカシャカシャカシャカシャ………
カシャン!………
二人は距離を取り、そしてユリウスはオーラを収束させる。
ユリウス「はぁぁぁぁ……………」
バリウスもこれに合わせてオーラを収束させる。両者共に強烈なオーラだ。
距離が相当離れているはずのリサにも、そしてガーネフィストにいるカーンにも分かるくらいの強烈なオーラだ。
リサ(バリウス…………)
カーン(これで決するな…………)
空気、大地が震える。
ユリウス「これで終わらせてやる!」
バリウス「これで止める!」
ユリウス『黒龍剣奥義!牙王神竜刃!』
バリウス『剣王奥義!神剣乱舞龍刃!』
お互いに巨大なオーラの刃がぶつかり合う。
ドドォォォォォ!!!!…………
巨大なオーラのぶつかり合いに大爆発する程の衝撃が起こった。周囲は一面砂煙が覆う。
二人は…………
────第14話に続く────




