第二章 覚醒 第17話 最終話
サラはハウザーの攻撃により無惨に殺されてしまう。そこに駆け付けたバリウス。
サラを殺され、ドルテを倒されたバリウスはついに…………
ハウザーはサラから斧を抜き、サラの血を振り払った。その場でサラは倒れた。
その光景を見てバリウスは即座にサラの所へ向かう。
バリウス「サラ!!……ぐっ……」
傷を見て誰もが疑わなかった。助からないと…
ドルテ「あぁ!……サ…ラぁ!」
ドルテは必死に履い、サラの元に向かう。
ハウザーはニヤリとしながらバリウス達を眺めて言葉を発した。
ハウザー「おやおや無茶するねぇ
女の力で俺が止められるとでも思った
のか?」
バリウス「お前は少し黙れ!」
バリウスはハウザーを睨みつけた瞬間、ハウザーは弾き飛んだ。
ハウザー「おうっ!……」 ズドーン!!
ドルテ(今のはなんだ!……何が起こった?!)
バリウスはゆっくりサラを抱き起こした。
サラ「ぐふ……あ…あ……」
傷は肺にまで達していたのか、もはや吐血は止まらない。
バリウス「もう、喋らなくて良い……」
バリウスはサラに囁いたが、サラは最後の力を振り絞る様にバリウスに語る。
サラ「剣……王……あ……愛…して…まし…」
バリウス「………!!」
サラはバリウスの手を弱々しく握り、涙を浮かべながら最後に少し微笑んで……そのまま息を引き取った………。
ハウザーが立ち上がりバリウス達に叫ぶ。
ハウザー「あ~はっはっはっはっはっ!
雑魚が何人死のうが痛くねぇんだよ!
この世は強ぇ奴だけが生き残って、
弱ぇ奴は死ぬんだよ!
昔からそうだろ?はっはっはっ!! 」
バリウスはサラをゆっくり寝かせて顔の血を拭い、優しくサラの目を閉じた。バリウスはハウザーを見ずに返す。
バリウス「何がおかしい……」
ハウザー「あ?」
バリウス「何がおかしいと言ってる!」
バリウスがハウザーを睨みつけた瞬間、凄まじいオーラがバリウスから放たれた。
ハウザー「ほぉ?お前、まさかバリウスか?」
バリウス「だとしたらどうした……」
ハウザー「ジェネシスから聞いていた……
お前はヤバいとなぁ……」
バリウス「一つ質問する。王家の遺産は何処だ」
バリウスは立ち上がり、ハウザーと向かい合う。
ハウザー「そういえばジェネシスから何か貰った
なぁ。それをバリウスという男に渡す
なと……
あれがなんだ?」
バリウス「どこにある…」
ハウザー「俺に勝てたら教えてやるよ」
バリウス「そうか……」
その言葉を言った瞬間、バリウスは瞬間移動したかの様な速さでハウザーの懐に入り、強烈な蹴りの一撃をみぞおちに放つ。
ハウザー「うごぉ!……がっ……ぐっ……」
ハウザーはたまらずお腹を抱えて後退りする。
ドルテ(なんだ!今のは…ただの蹴りだぞ!)
ハウザー「て、てめぇ……」
今、バリウスからは殺気で満ち溢れていた。
バリウス「お前、楽に死ねると思うなよ…」
バリウスは理性を失っている様だ。少し回復したのかハウザーは斧を持ち、バリウスに大きな声で叫んだ。
ハウザー「俺をそう簡単に殺せると思うなぁ!!」
────ガーネフィスト・カーン邸内────
シヴァ「ドルテ達は大丈夫でしょうか……」
カーン「ハウザーという男は危険じゃ。
黒龍族の中でも危険過ぎる余り監禁され
ていたくらいじゃからのぉ」
シヴァ「そんなに!」
デイジー「でもぉ、バリウスが行けば余裕で
しょ?」
カーン「まぁ、そうだと思うんじゃがな……」
サッド「剣王、あれは…あの気配は剣王じゃない
みたいだった……」
デイジー「え?どういう事?」
─────エメルダリア軍事施設内─────
バリウスはゆっくりとハウザーに歩み寄る。まるで別人の様な目付きだ。
ハウザー「お前、いったい何者だ」
バリウス「あ?寝ぼけてるのか?……お前は」
ハウザー「ここに来た時の雰囲気と別人だ!」
ハウザーはバリウスから発せられる殺気とオーラに恐怖をおぼえている様だ。バリウスからはいつもの感じ取れないくらいの殺意がひしひしと滲み出ている。
ドルテ(バリウス………なのか?)
ジリジリと歩み寄るバリウスに、ハウザーは斧を振りかざして襲いかかる。バリウスは冷静に見つめて剣を一振りした。まるで素振りの様に……
シュン……… スパッ!
その瞬間、ハウザーは自身の右腕が無くなった事に気付いた。
ハウザー「ぐわぁ!」
バリウスは無表情でハウザーの左腕も斬り落とした。
ハウザー「うわぁぁぁ!」
バリウスは剣をハウザーに向けてまた質問する。
バリウス「もう一度聞く。王家の遺産は何処だ」
ハウザー「ゆ、許してくれぇ!」
ハウザーは逃げようとバリウスに背を向けた。
だが逃げられる訳もなくバリウスに両足を斬り落とされた。
ハウザー「うぐぁぁぁぁ!!」
バリウス「さっきも言ったが、楽に死ねると思う
なよハウザー。王家の遺産は何処だ」
ハウザー「ち、地下だ!地下にある!」
バリウスは何かを探知する様に周囲を見回した。そして倒れているハウザーを冷たく見下ろして言った。
バリウス「ふっ……分かった。
お前、この期に及んでまだデタラメな
事を言ってたみたいだな………」
ハウザー「わ、分かってるなら何故聞いた!」
バリウス「四肢を無くした状態のお前を試したま
でだ。お前は救いようが無い。」
サラを殺し、ドルテを重症まで追い詰めた実力を持っていたハウザー。しかし、本当の力に覚醒したバリウスの前に為す術もない状態だった。
ハウザー「何故……一思いに殺さんのだ!」
バリウス「お前にサラとドルテの痛みを教えてや
ろうと思ってな……」
バリウスはハウザーを見下ろし、剣をハウザーの腹に突き立てた。内臓を掻き回す様に剣を動かすバリウスは無表情だった。その場はハウザーの悲鳴だけが響き渡る。
ハウザー「ぐぁぁぁ!……ぎゃぁぁぁ!…」
どれ程の時間が経過しただろうか。バリウス達の元にシヴァがやって来た。
ハウザーは虫の息でもう声をあげる事すら出来ないくらいまで弱っていたが、バリウスはハウザーの腹を掻き回していた。それをシヴァが止めに入る。
シヴァ「バリウス!もういい!」
バリウス「はっ!……」
理性を失っていたバリウスは我に返った。
バリウス「シヴァさん……サラが……」
シヴァ「ああ……何も言うな……」
王家の遺産は、ホールの傍にある倉庫から発見された。後にカーンとサッドも駆けつけ、それぞれ重症のドルテとサラの遺体を抱えてガーネフィストのカーン邸に帰還する。
ハウザーはその後間もなく死亡した。こうして、バリウスの冷酷なまでの力によってこのエメルダリアの戦闘に終止符が打たれた………
────数分後────
ユリウス「お前、大した事ねぇな……ハウザー」
ハウザーの遺体を見下ろしてユリウスは呟く。
ユリウス「兄貴、アンタと殺り合うのが楽しみだ
ぜ。俺と同じ力が戻ったんだ……」
ユリウスはエメルダリアの軍事施設の外に出て空を見上げた。そしてニヤリとしながら……
ユリウス「ゆっくり迫って来たな…審判の時が」
────第三章に続く────




