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05 少女と作られた日常

 夕食はオリビアがワゴンに乗せて、部屋まで運んで来た。

 煮込まれた野菜や甘い肉の香りが、部屋いっぱいに漂って、無意識にハルのお腹が、気の抜けた音を立て、少しだけ恥ずかしい。

「本日の夕食はセモール鶏のコンフィとムン芋のポタージュです。」

「うわ美味しそう!しかもセモール鶏だ!」

 オリビアは慣れた手つきで机にテーブルクロスを広げると、料理やカトラリーを並べて行く。

「オリビアさんは食べないんですか?」

「私は後ほどいただきますので、お構いなく。」

 せっかくなら、一緒に食べたらいいのに。

 引かれた椅子に腰掛けると、ハルのグラスに、薄いピンク色の液体が注がれる。

「これは?」

「シトラ草を浸して作った、痛みを和らげる薬水です。セシリア様から、残さず飲ませる様にとご用命いただいております。」

 ハルはコップを持つと、そっと鼻に寄せてみる。瑞々しくって、ほんのり酸味のある香りがする。嫌な匂いでは無かった。

「果実みたいな香り。」

「お砂糖で少し味をつけているので、ほんのり甘くて飲みやすいですよ。」

「んっ……美味しい!」

 今まで飲んだ、どんな飲み物とも違う不思議な味。目を輝かせるハルに、オリビアが少しだけ表情を和らげる。

 これからオリビアとは、きっと長い付き合いになる。だとしたら、早く仲良くなれたらいいのだけれど。

 そう思ったものの、オリビアが表情を和らげたのはほんの一瞬で。またワゴンを下げたり、食後の紅茶の用意をしたり。忙しなく動き回りはじめた。

「もし他にセシリア様から言われている事があれば、遠慮なく言って下さいね。」

「それは助かります。早速ですが、そちらの夕食は全て残さず食べて下さい。ハル様に体力をつけさせる様にと、命を受けておりますから。」

「はーい……えっ、これ全部!?」

 どう見ても、机の上に並べられた料理は、1.5人分はありそうだ。リアなら平気で平らげられる量だが、元々食の細いハルにとっては、半分でも限界なほど。

「ちなみに、もし残したら……?」

 ハルが恐る恐る伺うと、オリビアはまた、目尻を微かに柔らげた。

「最初から完食できるなんて、セシリア様も思っていませんよ。少しずつ食べれる量を増やして、力をつけていきましょう。」

 オリビアさんは見た目は少し怖いけれど、実は優しい人なのかもしれない。

 鶏肉を頬張りながら、そんなことを考える。

 煮込まれた肉は、舌に触れるだけでホロホロと崩れ、塩気は薄いのに、ほんのり効いた香辛料が一層の食欲をそそる。

「おいしい〜!」

「よく噛んでくださいね。」

 それは、先程のセシリアの言葉が嘘のように、平和な時間であった。



* * *

 


 やはり、ここでの暮らしは何不自由ない。

 美味しい夕食を食べて、何事もなく一日が終わる。心のどこかで、そう信じ切っていた。

 だが、嫌な予感というものは、当たるもので。現実はそう甘くは無い。


 夕食を済ませると、ハルは椅子に腰掛け、出席していなかった三日分の講義の穴を埋めるべく、教材を読んでいた。すると、部屋の扉が静かにノックされる。

「オリビアです。ハル様、入浴の準備ができましたのでお迎えに上がりました。」

「ありがとうございます。」

 入浴の準備なんて、シャワーがあれば十分なのに。

 そう思うハルであったが、そもそもどこの浴場を使えばいいのかも分からない。

 そのため、大人しくオリビアが呼びに来るのを待っていたのである。

「服とタオルだけ持っていけば大丈夫ですか?」

「全てこちらで用意しておりますので、ハル様はその身お一つで十分でごさいます。」

「もしかして、下着も……?」

「はい。僭越ながら、ハル様の下着と洋服は、全てこちで回収させていただきました。今後ハル様には、私が用意した衣服のみ着用いただきます。」

 いつの間に。全く気が付かなかった。だから私の食事中、オリビアさんはあんなに忙しなく動き回っていたのか。

 オリビアの用意周到さに驚くハルであったが、郷に入れば郷に従えという事か。そう前向きに捉え、オリビアに言われるがまま、何も持たずに部屋を出た。

 ハルが利用する浴場は、セシリアの執務室とハルの部屋がある建物の一階。廊下の最も奥にあった。さしずめ、セシリア専用の浴室という事である。

 そりゃそうか。寮生が使う風呂にセシリアが入って来たら、文字通りみんな凍り付くよね。

 浴室は、一人用にしてはあまりにも広すぎるという点を除けば、一般的な風呂とさして変わらない。

「?ハル様、お召し物をお脱ぎ下さい。」

 てっきり、浴室の前まで案内をすれば立ち去ると思っていたオリビアは、どうやら浴室の中までも付いて来るつもりらしい。当然のように、ハルの後に続いて入ってきた。

 薄々そんな予感はしていたけど、いざ目の前にすると恥ずかしい。

 もちろん、何度かリアや寮の同級生と一緒にお風呂に入る機会はあったけど、その際はノリというか、なんというか。そういう自然さがあった。

 しかし、今目の前にいるオリビアは、メイド服をかっちりと着こなしたまま。ただ直立不動で、ハルが服を脱ぐのをじっと見ている。

「ええと、オリビアさんは入らないんですか?」

「私は講師用の寮に住んでおりますので。そちらで入浴します。」

「じゃあ外で待っていていただくというのは……」

「部屋の外では、ハル様からは一秒も目を逸さぬよう、セシリア様より申しつかっておりますので、致しかねます。」

「ですよね…………」

 浴室で見るものなんて、何もないでしょ。そう言いたくなる。セシリアによる、一種の嫌がらせなのだろうか。

 とにかく。一日も早くオリビアの信頼を獲得して、せめてお風呂だけは、一人で入らせて貰おう。ハルは決心すると、ブラウスのボタンに指をかけた。



* * *



「なんか……疲れた…………。」

 羞恥の入浴を終え、ベッドの上でぐったりと寝転がる。セシリアが用意したという服は、質の良さそうな生地で出来た、膝上丈の無地のワンピースシャツ。

 大人が三人は寝られそうなベッドは、華奢なハルが寝転がる事によって、更に広く感じられた。

「今日も色んな事があったな…………。」

 呟いて、目を瞑る。

 リアはちゃんと眠れているだろうか。

 思い出すのは、寮の廊下で洋服がぐしょぐしょになるまで抱き合って泣いていた、親友の顔。

「リアとは普通に話せるんだから、明日話そう。」

 自分ももう寝よう。明日から、必死に授業について行かなければならないのだから。

 ハルは、電気を消すために部屋の隅へと向かう。

 セシリアからは、色々と条件を言われた気がした。だが実際は、豪華な部屋に美味しい食事と優しい使用人。親友とは毎日会えるし、意外と、やってけそうな気がする。ただ一つ。ご主人様が、傍若無人な氷の悪魔である事を除けば。

 でも。

 と、違和感を感じる。

 投獄の方がマシだったと、思える程の地獄。

 ハルの中では、セシリアの言葉が今だに気にかかっていた。脅しだろう。間に受けたらだめだ。そう言い聞かせるが、やはり引っかかる。

 1日1回以上、セシリアへ魔力を渡す。

 これは一体、いつからなのだろうか。本来であれば、私は今日から投獄されるはずだった。そう考えると、今日からだと考えるのが自然だろう。だが、それらしい事は行われていない。

 セシリアは、夕食と入浴を済ませたら、寝ていいと言っていたはず。

 本当に、そう言っていただろうか。確か、セシリアは。

 ――夕食を済ませ、入浴し、布団に入る様に。

 ハルの中に、クロエの声が蘇った。

 ――同衾って言うのはね、つまり性行為って事だよ。

 まさか、そんな事あるはずがない。だけど、今この部屋から逃げないと、何か取り返しのつかない事になる様な。そんな、物凄く悪い予感がする。

 想起した点と点。それを結ぶ線に、信じられない気持ちと、何とかして逃げ出したい思いが交錯し、部屋のドアノブを捻る。扉は、外側から鍵がかけられている様でビクともしなかった。

 窓から逃げる?でも、窓には魔法の格子がかけられている。どうにかして外せないか。

 窓の外にかけられた格子に近付く。淡い光を放つそれは、どれも均等の太さで少しも揺らぎがなく、とても人が通れる様な間隔ではない。しかし、隅の方にはわずかな隙間があり、そこからであば、ぎりぎり出られるかもしれない。

 ハルは窓枠に立つと、上部の僅かな出っ張りを掴み、バランスを取る。窓から外に出られたとして、ここは二階だ。着地に失敗すれば、怪我を負うことになるかもしれない。それに逃げるって、どこへ。

 考えちゃダメだ。今すべき事は、とにかくこの部屋から逃げ出して、少しでも遠くへ行く事。でないと、セシリアに捕まってしまう。今までも、何とかなって来たんだ。これからだって。

 格子の隙間から身体を通そうとした、その時だった。

 ハルのすぐ側から、声がした。

「こんばんは。こんな時間に、どこへ行くのかしら。」

 それは今、ハルが最も聞きたくなかった声で。

 ハルの心臓が飛び跳ねる。ブリキ人形の様に、ギギギ…と、ゆっくりと後ろを振り返ると、ハルの目の前には、星の光に淡く照らされた、怖い程の美貌で微笑む青い悪魔が立っていた。

「あのっ、違うんです!月が綺麗だなってっ」

「今日は新月よ。」

 ハルの苦渋の言い訳を、セシリアは呆れた様に一刀両断する。そして、瞬きする間もなく、ハルの腕をベッドに縫いつけた。

「ま、まって、これには深い理由が……!」

 逆転の道筋が全く見えない。だが、ここで負けたら自分の人生が終わる気がする。ハルは必死にセシリアの拘束から抜け出そうともがくが、身体強化の魔法を使っているのか、セシリアの身体はビクともしなかった。

 ハルの脚の間に、セシリアの膝が割り込む。片手で余裕いっぱいにハルの顎を掴むと、獲物を得た狼の様に、口角を上げた。

「ようやく自分の役割に気づいたんだ。」

「役割なんて、知らないっ!」

 セシリアは確かに微笑んでいるのに、ハルの背中を冷たいものが駆け上がる。

「これから行うのは、あなたの想像している通りの事。私はとても強いから、好きなだけ抵抗していいわ。」

「お気遣いなくっ……!」

 セシリアの顔が、ゆっくりと近付く。

 近い、近い、近い!

 顔を背けようとしても、セシリアに顎を掴まれているせいで、叶わない。

「んっ」

 セシリアの唇が触れる。全身に緊張が走って、体が強張った。触れたのはほんの一瞬のはずなのに、長い時間のように感じて。やっと離れたかと、息を吸い込もうとした瞬間に、より深く口付けられる。

 まるで、食事をされているような時間だった。

「ふ、待っ……んうっ……!」

 セシリアの舌が、息継ぎのタイミングを狙うように、口内に侵入する。歯列をなぞり、逃げ惑うハルの舌を弄び、追いかけ、絡め取った。

「ふっ、はぅ……んん」

 たっぷり時間をかけてハルの口内を蹂躙したセシリアが、満足そうに唇を離す。ハルは頬を紅色させ、耳まで真っ赤になっていた。

「やっぱり、思った通りね。」

 体制はそのまま、セシリアがゆっくりと顔を離す。

「前回よりも、流れてくる魔力量が少ない。触れる時間との依存関係、なんて安易なものでは無いみたいね。」

「満足しましたか……。」

 条件は、一日一回の魔力譲渡だったはず。

 ハルは息を整えながら、セシリアを上目遣いに見る。だがセシリアは少しも表情を変えず、ハルの顎を掴んでいた手を、太ももに這わせた。

「満足?残念だけど、これは貴方が思っているようなものじゃない。あなたは私の道具で、その使い道を探しているだけ。次は――そうね。譲渡される魔力量があなたの感じる身体的興奮に比例すると仮定して、あなたが意識を失うまで、愛撫させて貰うわ。」

 太ももを撫でていたセシリアの手の平が、脚の付け根を伝って、ハルの誰にも触られた事の無い所へと伸ばされる。

「や、やだっ!はなしてっ……!」

 ハルは必死にセシリアの手から逃れようと身を捩るが、当然セシリアが逃してくれる筈もなかった。

「ひっ!?そこはだめっ……ん、う!?」

 全身に走る、感じたことのない刺激。心臓がばくばくと鳴り、背中が飛び跳ねた。

 身を悶えさせながらも、ハルは目の前の青い悪魔を睨みつける。

「やだ、いやっ……!」

「安心しなさい。痛みはないわ。薬水を飲んだでしょう。」

 薬水。夕食の時の――。

 オリビアに渡された桃色の液体。あれは、この為のもの。逃げ道なんて、最初から用意されていなかったんだ。

 絶望と、不安。だが幸か不幸か、ハルの思考はセシリアの暴力的なまでの一方的な蹂躙によって、すぐに絶たれたのだった。



* * *



「………………う、ぅ……痛っ……」

 微睡みの中。寝返りを打とうとして走る激痛に、うめき声をあげる。

 足や腰、背中を襲う、筋肉痛のような疼痛。ガラガラと枯れた喉。そして、下腹部の違和感。ハルはぐったりと横になったまま、昨夜の情事を思い出していた。

 私、気を失ってたんだ。

 昨晩のセシリアは文字通り、道具を扱うかの様にハルを徹底的に甚振った。

 泣きじゃくり、もう無理だと縋るハルにも、一切の容赦をすることもなく。途中で気を失ったハルは、その情事がいつまで続いたのかも分からなかった。

 横になったまま、自分の衣服に手を伸ばす。何も無かったようにワンピースを着せられ、下着も清潔なものに変えられているようだった。どうやら、最低限のマナーはセシリアにもあるらしい。

 何とか、痛む全身に力を入れて起き上がろうとするも、腕に力が入らず、諦めた。

 こんな生活が、毎日続くのだろうか。

 だらりと、ベッドの上に四肢を投げ出す。部屋の窓から外を見ると、木々の合間に朝日が指し、大空を二羽の鳥が自由を謳歌する様に飛んでいる。

 苦しいなぁ。

 昨夜散々泣かされたためか、涙は出なかった。その分、胸に刺すような痛みが走る。

 思い出すのは、声を枯らして乱れるハルをじっと見つめる、透明な瞳。星の薄明かりに照らされた、青藍色の髪。

 ――綺麗。

 何度も高みに連れて行かれ、許容量をとっくに越えた快楽に流されるまま。セシリアの細い肩にしがみついたハルは、意識を失う直前に、そんな事を思った気がした。

 二度寝することもできず、起き上がることもできなかった。ベッドに沈みながら、全身を貫く痛みに耐える。

 今、何時なのだろうか。じっと瞼を閉じていると、部屋の扉がノックされた。

「オリビアです。ハル様、ご朝食をお持ちしました。」

 現れたオリビアは、今日もまた、フルーツやパンなどの豪華な朝食を乗せたワゴンを引いている。

 そして窓側に置かれたテーブルで食事の準備をすると、未だベッドの上から動けずにいるハルを、横目で見た。その真面目そうな表情は、昨日と何も変わらない。セシリアと同じように、無表情に近いもの。

「ハル様。お加減はいかがですか?」

「…………オリビアは知っていたの?」

「……はい。」

 オリビアの眉が、申し訳なさそうに僅かに下がった。

「ですが、昨日の薬水も、ハル様の体に負担がかからない様にする為かと思います。恐らくセシリア様も……」

「大丈夫です。わかってますから。」

 セシリアを擁護するオビリア。このまま聞いていたら「それならどうして、あんなに泣き叫んでも止めてくれなかったのか」と、叫んでしまいそうだった。

 きっとそれは、オリビアに言っても仕方がない事なのだろう。

 ハルはグッと堪えると、弱々しく微笑んだ。そしてオリビアの手を借りて、テーブルに付いた。

 朝食は、殆ど喉を通らなかった。

 オリビアに制服を着せられながら、ハルは鏡に映った自分の姿を見る。少しばかり、痩せただろうか。

「もっと食事を摂っていただかないと、ワンサイズ小さいものを仕立てないとですね。」

「すみません……。」

 そろそろ部屋を出なくてはならない時間だ。

 日中は、他の学生と同様に過ごしても問題ない。そういう取り決めだった。但し、会話が許されるのはリアだけ。

「……よしっ」

 久しぶりの登校を前に、鏡の前で、もう一度自分の姿を確認する。今朝も飲んだ薬水によって、全身の痛みは引いたものの、気怠さは消えていない。

 それを払う様に、制服のスカートを軽く叩く。

「それじゃあ、行ってきます。」

 鞄を持ち、部屋のドアノブを捻った。昨晩と違って、ドアノブはあっさりと回った。

 どうやら、オリビアが室内にいるタイミングでは、鍵は開いているらしい。つまり、鍵を閉めていたのは、オリビアだったのだ。

 オリビアは、本当は優しい人なのだと、思っていた。いずれ、仲良くなれそうだと。そう思っていたのに。それなのに。

 思わず、ネガティブな方に考えてしまいそうになる。

 切り替えないと。考えてもどうしようもない事は考えない。

 それが、ハルの強さでもあった。

 暗い気持ちを払拭する様に、ハルは部屋の扉を開いた。



* * *



 三日ぶりの教室だった。

 騒がしかった教室は、ハルが一歩踏み入れると、不自然なほど静まり返る。そして、盗み見るように、何人かの生徒たちがハルの方を振り向いた。

 当然、それは英雄の帰還の様に、ハルを歓迎するような視線ではない。現に、ヒソヒソと小声で囁き合う声が聞こえた。

 ――あれ、ハル=リースリングじゃない?

 ――確か禁忌を犯して処刑されたって噂の?

 ――オーネット様に殺されるの、私見たわ!

 ――じゃああれは亡霊!?

 やっぱり。と、ハルは肩を落とす。

 すごく良くない方向で噂をされている。だけど、生きてここに立っていられているというだけで、この数日間のことを思うと、奇跡のようなもの。亡霊っていうのも、当たっているのかも。

 無駄だと思いつつも、なるべく目立たないように、教室の隅の空いている座席に座る。

 すると隣に、当たり前の様にリアが駆け寄って来た。

 その表情は昨日廊下で会った時とは別人のように、懐かしい、天真爛漫な笑顔で。

「おかえり、ハル!」

「……ただいま。」

 こうして、波乱の幕開けとなったハル=リースリングの学園生活は、ようやく今、本当の始まりを迎えたのだった。

第1章完結です!応援ありがとうございます!

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