片足の人形
「死にたい」そう思ったことはありませんか?
死にたくなったとき、あなたはどうやって立ち上がりますか?
この少女は立ち上がれるのでしょうか、、、
「カチカチカチカチ…」
部屋中に音が響き渡る。
私は手首のドクドクしてる所にカッターナイフの刃を向けた。
心臓が動く。まるで地球のように、意味もなく動き続けてる。もう残された未来はない。だけど出来ない。怖い。現実と比べられるほどに。
「カランッ」
カッターナイフが足元に落ちた。
その音に気づいた母親が階段から降りてくる。
私はただ、足元にある『自殺道具』を見続けた。
死にたい理由なんて無い。ずっと自分に言い聞かせていた。だけど理由が無かったんじゃない。理由を作りたくなかったんだ。
「死にたい」
そう思う度に自分が惨めになる。そしてその惨めさが嫌で、また死にたいと思う。そしてまた惨めに感じる。ずっとその繰り返しだ。
ある人に聞かれた。
「キミは何故死にたいのかな?」
そんな事に答えられるはずもない。
私はただ、ずっと下を見ていた。
言葉は便利だ。人を楽しませることも、喜ばせることも出来る。だだ、1歩使い方を間違えると人を傷つける。まるで私のように、言葉ごときに傷つけられる。
私の家の近くには大きな総合病院がある。その病院は屋上への出入りが自由だった。
意味の無いカウンセリングを受けた後、私はその屋上に来ていた。やりたい事は分かっていた。だけど、心臓は理解していない。ずっとバクバク鳴らしている。
下のコンクリートが見える。これから自由になれる。
私は片足の人形。必要のない飾り物。
私は片方の足を、ずっと下にある地面に向けて振り下ろした。
「バンッ!」
大きな音がした。
外がやけに騒がしい。
何事かと思い外に出てみた。
そこにあったのは、赤く塗装されたコンクリートと倒れ込む少女だった。母親らしき人物が腰を抜かして座り込んでいる。医師が急いで駆けつける。どうやらギリギリ生きてるようだ。
「死のうとしてたなら死なせればいいじゃん」
そんな声が耳に入った。
野次馬達は、一心不乱にスマホを少女に向けている。何をしているのかは考えなくともすぐに分かった。
重いまぶたを上げる。
そこに写るのは知らない天井と、泣いた母の顔。
私は天国を期待した。だけど期待は裏切られた。
身体中が痛む。その瞬間に、今までとは違う、別の恐怖心が私を襲った。
初めはそれが何なのかは分からなかった。だけど唐突に理解した。私は死ぬのが怖いんだ。これは「死」に対する恐怖なんだ。
死にたいと思ってる人は沢山いる。その人達全員を止めるのは無理だ。ましてや、1人の自殺を止めることも困難なこともある。しかし、これだけは言える。
死にたい人は、1度「死」を身近に感じないと死への恐怖心は伝わんないと。
その日から私の人生に選択肢が生まれた。これまでは1つだったのが2つに増えた。そして私は、増えた選択肢を選ぶことにした。私の視界が、あらゆる色に染められていくことを感じた。
初投稿です!最後まで読んでくれて有難うございます!(読んでる人いないかもだけど…)
誤字脱字あるかもですが、そこら辺は想像して読んでくださいませm(_ _)m
さて、作品についてですが、この少女は一応いじめにあっていている設定です。途中の言葉がどーたらの所で察した方もいるのではないでしょうか。
ちなみに僕はまだ13年しか生きてないので死にたいと思ったことはありませんが皆さんはどうですか?ちゃんと視界は染められてますか?(どういう質問だよ!)死への恐怖は計り知れませんね。
後書きまで読んでくれてありがどうございました〜