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神とは人が勝手に付けた名である  作者: やまのほとり
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8.我は神なり



三人で仲良く?休憩している頃

その者はやって来た


「ほほう!こんな所で油を売っているとは、神様とはそんなに暇なのか?」


小馬鹿にした物言いにワシは気にする…事は無いが、どうやら優也くんは気に障ったみたいじゃ

物凄く睨み、誰コイツ?って顔をしておる


「ワシかて休憩ぐらいするさね……優也くん、この者とは初めましてじゃの?」


「えぇ、まぁ…」


「俺が紹介するよ〜!この子は戸上とがみくんだよ〜!ちょ〜っと癖のある子だけど悪い子じゃないよ〜たぶん」


優也くん眉間に皺がいっぱいじゃな


「初めまして、優也です…」


「良いか小僧!本来ならこの私が神なのだが、仕方なく譲ってやってるのだ!言わばコイツは名ばかりの神なのだ!」


と言いワシに指を指しながら優也くんに説明をしている


「いや、何言ってんすか?」


どうやら優也くんは戸上くんの言ってる事を信じてない様子じゃな


「お前は騙されてるんだ!コイツに!」


いや、騙してないからの?


ギャーギャー喚き散らしてる戸上くんにジト目しながらスルーする優也くん

義政はケラケラ笑いながら傍観

するとそこへ新たな人物が


「大変!申し訳!ございません!」


「痛っ!!」


謝りながら走って来た人物は

そのままの勢いで戸上くんの頭を後ろから殴り、ワシに平謝りしてくる


「本当にすみませんすみませんすみませんすみませんすみません!」


「そんな謝らなくて良いから、落ち着きなされ」


涙目になってまぁ


「いえ!そんなわけにはいきません!またこの馬鹿が神様に迷惑をかけてしまったのはわかりきってますから!」


「じゃあ何故その馬鹿ではなく私を殴るんだ!!」


「お前がその馬鹿だよクソヤローが!」


おぉ、いつもながら凄いやり取りじゃな

これはこれで仲の良い事なんじゃろうな

………たぶん


「あはは、百合子ゆりこさんってば相変わらず戸上くんには当たり強いよね〜」


「あ、義政さん居たんですね」


「百合子さんってば冗談キツイよ〜!居たのわかってたでしょ〜?」


「此方の方は新人さんですか?」


「あれ?無視?最近無視される事多い気が…」


そうじゃな

無視されとる事多いな義政よ


「こちらは優也くんじゃ、義政の部下にあたる子じゃよ」


「初めまして!優也と申します!」


「初めまして、私はこの馬鹿の補佐というか管理を任されてる百合子よ…宜しくね優也くん」


「管理……ですか?」


確かに補佐というより管理という方が合ってるかもしれんが…


「えぇ、この馬鹿が暴走して迷惑かけないように止めるのが主に私の仕事なのよ」


「何言ってるんだよ百合子!百合子は私の補佐官さ!神であるこの私のな!」


「あんたが神様な訳ないでしょーが!」


いい加減にしなさい!

と百合子さんは戸上くんの頭をまた殴っている


「痛い!やめろよ百合子!私の頭が悪くなったらどーすんだ!」


「元から悪いんだから大丈夫よ」


「私は神だぞ?!悪いわけないだろ?!」


……また殴られそうじゃのう


「これこれ、百合子さんも戸上くんもその辺にしときなされ」


「しかし!」


百合子さんは納得しとらんのう

ん?戸上くんも不満そうじゃな


「お前に命令される覚えは無いぞ!」


落ち着いて戸上くん

百合子さんが物凄い顔で睨んでるから

あ、優也くんも怖い顔しとるのう


「命令じゃなくお願いじゃよ、戸上くん」


「お願いだと?」


「そうじゃよ、お願いじゃ」


「……ふん!お願いなら仕方ないな!聞いてやらん事もないぞ!私は神だからな!」


うむ、馬鹿で…あ、いや単純な子で良かったわい


「そうかそうか、さすが戸上くんじゃの!ではもう一つお願いがあるんじゃが…」


「なんだ言ってみろ!」


「このところ現世の文化に疎くてのう、じゃから今の世の事がわかる本などが欲しいんじゃが…」


「なんだそんな事も知らんのか!仕方ない!この私が本を持ってきてやろう!感謝するが良い!」


「そうか、いや〜助かるのう、何冊か用意してもらえるともっと嬉しいのう」


「ははは!この神である私に任せるが良い!」


「戸上くんは頼りになるのう、ありがとう」


ワシがお願いしたからか、または頼りにし御礼を言ったからか

戸上くんは上機嫌になりそのままどこかへ…おそらく目当ての本を探しに行きおった


「ちょっと何処行くのよ!勝手にもう!…神様、それに優也くん、迷惑かけてごめんなさい!それでは私も失礼します!」


待ちなさーい!という声とともに百合子さんも行ったようだ



















「…神様」


「なんじゃ?」


「結局さっきの人達は何だったんですか?」


「……まぁ反抗期の息子と母親みたいなもんかのう?」


「……そうですか」


どう説明すれば良いかわからず、例えて言えば納得してくれたのか

はたまたワシの気持ちを汲んでくれたのか

優也くんはそれ以上聞いては来なかった

















義政は少し落ち込んでいた様子じゃったが、三人で休憩を再開する頃にはいつも通りの義政に戻っておった



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