4.ワシの説明・転生編
人間に生まれ、死を迎えた時
また人間に生まれ変われると、思っている者も多いじゃろう
実はそれは違ってのう
生前の行いの善し悪しにより、転生先の生物が決まるのじゃ
では善い行いとは
悪い行いとは?
それを判断するのはワシなのじゃが
面接した時にたまに変更する時もある
やはり直接話してみんとわからん事もあるからのう
善い行いをすれば人間に転生出来ると思っておる者も居るが
それは違う
少しでも悪い行いをしたら人間への転生を選ぶ事が出来るんじゃ
というのも
人間は生物上での支配者、もしくは1番上の存在だと勘違いし
生態系を崩したり、あらゆる者の命を奪ったりする者が居るであろう?
また人同士にもかかわらず、見下したりし愚かな行動を起こす事もある
まぁ人間とは欲深い生き物じゃからのう
悪い行いをする者
つまり欲深い生き物を
人間以外へ転生する事自体が危ういのじゃ
それこそ生態系が、現在よりも更に乱れてしまう可能性があるからのう
昔はその辺が曖昧で、どんな人間でもランダムに他の生物に転生させてたんじゃが
新たな生物を生み出してしまい、大変じゃったんじゃ
本当に…
まぁその話はまた今度にでもしようかの
だが人が人間ばかりに転生していたら、バランスが取れなくなる
そこであまり支障をきたさない昆虫への転生も選べるようにしたんじゃが
これが不評でのう
何が嫌なのかワシにはさっぱりわからんが
選ぶ者がかなり少なくてのう
おかげで昆虫達の寿命が昔より短くなってしまったんじゃ
これにはワシもどうする事も出来ん
昆虫を選んでくれても
なかなか虫としての働きをせんかったりするしのう
見た事無いか?
働きアリの中に居るサボるアリや
働き蜂の中に居るサボる蜂
あやつらのほとんどが、人間から昆虫へと転生した者なのじゃ
もうちょっと頑張ってほしいもんじゃが…
何とも出来ん
そして悪い行いを一切せず
良い行いをしていた者は
植物へと転生する事が出来るんじゃ
ん?何故植物なのかじゃと?
そうじゃなぁ
生態系の中でもし優劣を付けるならば
植物は1番上だからじゃ
そりゃあ植物の中には生態系を壊してしまうような、強い者も居るが
植物達は他の生物達の手助けになるような、働きをする者が多い
よって寿命も長く
何事も無ければ平和に過ごせる唯一の存在なんじゃ
なので善い行いをしていた者は植物へと転生出来るんじゃが…
たまに嫌がる者が居てのう
仕方ないのでその者の希望する生物へと、生まれ変われるようにしたりもする
悪い行いばかりしていた者は
転生する事すら出来ん
人の言うところの地獄への道だけじゃ
と言っても阿鼻叫喚な場所へ行く
とかそういうものではなく
消滅するのを待つだけなのじゃ
ただ消滅する時は凄く苦しいらしくてのう
その様を見た記憶保持者が、地獄だとかいう名を付けたのじゃろう
今は面接場の後ろの扉を潜れば、他の者には見えないように消滅する仕組みにしておる
ちなみに人間以外の生物は
ほとんどの者が生前と同じ生物に生まれ変わるんじゃ
ちゃんとその生物としての役割を果たす者が大半じゃからのう
生前の記憶を持っていても
変わらずその生物として全うしてくれるから
凄く助かるわい
なのでワシが面接をし
転生先を決めるのは人間だけなんじゃ