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神とは人が勝手に付けた名である  作者: やまのほとり
3/10

3.ワシの紹介・自身編



魂達に職務という役割を与えたおかげで

前世記憶持ちの生物が減っていった頃

実はワシは外見も喋り方も、今とは違っていたんじゃが

ある出来事があり現在に至るんじゃ


それはいつものように受付業務をしていた時じゃった











「次の者をここへ」


現れたのは少し年配の女性


「ん?ここは??」


「あなたは事故に巻き込まれ、還らぬ人となりました」


「変な光が喋ってる?!」


「変な光じゃないです」


「やだわぁ、変な夢でも見てるのかしら?」


「変な夢じゃないです」


全然こっち見てくれなくなった

と、とりあえず説明しなきゃ


「あのですね、ここは人が言うところの天国?みたいなものでして」


説明し始めてやっとこっち見てくれたけど

すっごい胡散臭そうに見てくる


「は?天国?あんた何言ってるの?」


「あ、いやだから「天国なら神様出しなさいよ!神様!」


よく耳にする神様ってのは

人が勝手に言ってるだけなのだが

まぁ変わらんか


「えっと、私がその神様のような者です」


「まぁ!嘘おっしゃい!さては私を騙す気ね!」


えぇ…


「いや、騙すって何?!」


「とぼけたって無駄よ!どうせスピーカーか何かを見えないように設置して変な光が喋ってるように見せてるんでしょ?!」


とぼけてない!

あと喋ってるのは私自身だから!

てか神様とかいうのだって人間が勝手に作ったんじゃん!

私を見て神様って言ってきたりする人が居たからそんなもんだよって言っただけじゃん!


「ちょっと落ち着いて下さい」


「何よ!」


「ではあなたの言う神様とは?」


「ふん!神様ってゆうのはね!人を救う素晴らしい方なのよ!その為に教祖様にお告げをして下さったり」


ちょっと待って

教祖様って何?!


「あ、えっと教祖様とは?あとお告げとは?」


「あんたそんな事も知らないで神様の名を騙ってたの?!信じられない!」


「あはは…」


何だろう

人の常識みたいなものがあるのだろうか


「教祖様ってゆうのはね、神様に近しい人の事なのよ!それはもう素晴らしい方なの!」


「は、はぁ」


落ち着け私

魂を扱う者として、ちゃんと人の言葉も聞いて理解しなければ


「お告げってゆうのは、教祖様が神様より予言などの言葉を託される事なのよ!」


えっと、つまり

教祖様という人物が居て、カミサマという者から言伝を頼まれている感じなのかな?


もしかしてカミサマという人物がいるのか?

では、私は勘違いをしていたのか?

なんと恥ずかしい


「そうなのですか、それでそのカミサマとはどこにいらっしゃるのですか?」


どんな人なのか見に行ってみよう


「何言ってるのよ!神様は天に居るに決まってるじゃない!」


ん?

どうゆう事?

天とは天国の事かな?

いや、また私の勘違いかもしれないし


「天とは?」


「何言ってるのよ!天ってのは天国、死んだ人が行くところよ!」


……

………ここじゃねーか!

いや、落ち着け

違うかもしれん、うん


「そ、そうですか…ちなみにここがその死んだ者の魂が来るところなのですが」


「はぁ?あんたまだ騙そうとする気?」


「いや、そんなつもりは」


「ふっ、私が死んだって言うの?」


すっごい鼻で笑ってきたけど事実だよ?!


「事故に巻き込まれた事は覚えてますか?」


「あぁあの爆発ね!覚えてるわよ!でも私は今ピンピンしてるじゃない!」


「今魂のみの状態でして、あなたの身体…肉体はもう無いのです」


「は?」


「ご家族により火葬もされております」


「嘘言ってんじゃないわよ!」


「嘘ではありません」


「もう、あんたじゃ話にならないわ!さっきも言ったけど、もし天国だって言うんなら神様出しなさいよ!神様!」


「あなたから聞いたカミサマという人物はここには居ませんが、死んだ者の転生先を導く者という事でしたら私になります」


まぁ他にもあるがこんな感じの説明でわかるでしょう


「それって神様がする事でしょ?!」


「…私は事実しか言っておりません」


「嘘ばっかり!神様を偽るならせめて見た目くらい似せなきゃ騙されないわよ!」


えぇ…神様の見た目って何?


「教祖様が言っていたわ!神様は人の姿をしていて気品のある方だと!」


えぇ


「それに昔は神様が地上に降りて来て、人々にありがたいお言葉を下さっていたのよ!」


おっと、その話はどこかで聞いた

あ、いや見たような


「神様の像だってあるんだから!」


ははは、もしかしてコレは


「その像はどこにありますか?」


「もちろん!教祖様のところよ!」


と言い、聞いてもいない教祖様の素晴らしさを熱弁されながらも

なんとか場所を聞き出すことに成功した


魂となった者の生前の行いなどは、少し調べれば色々とわかるのだが

生者の行いや、場所などは聞かないとわからないのが自身の不便さである


さて、その像とやらを見に行くか…

とその前にこの者を眠らせてからにしないと


「魂よ、少しばかり眠りなさい」


眠れ〜眠れ〜と

念じれば眠るんだけど

たまに眠るのを我慢する人が居て困った事があり、とりあえず声に出してやってみるか!

としてみたら何故か効き目抜群だったので

今は眠ってもらうときは先ほどの言葉を発するようにしている










像を見に行った結果

案の定と言うべきか何というか…

記憶持ちの勘違い生物さんの姿だった

私は神だ!世界を統べる神だ!世界を作った神だ!

と言ってた人の姿だった


いやぁ怖いね!

あの時の彼が像にまでなってるとは!

しかも彼を神だと信じている人が居るとは…


とりあえず戻るか…












あぁ、起こさないとダメなんだよね

はぁ




「起きなさい」


「……ん〜何よ人が気持ちよく寝てるのに」


「気持ちよく眠れたようで良かったです、実はあなたが寝ていた間に神様の像を拝見してきまして」


「あら!そうなの?ならこれでわかったでしょ?神様がどんな方なのか!」


「はい、あなたの言う神様という方がどのような者なのかはわかりました」


本当ややこしい事してくれる神様ですよ!


「そう!わかったのなら良いのよ!これからは自分が神様だなんて嘘付いてはダメよ?!」


うん、なんかもう良いや

とりあえず進めよう


「はい、では転生先のお話を「まだそんな事言ってるの?!それは神様がする事だって言ってるでしょ?!」


それに私は死んでなんかないんだから!

もう帰るわ!


と言いどこかへ行ってしまった


あぁー…もう良いや

ほっとくと消滅しちゃうけど

仕方ないか









次の者を呼んだ時

まさかの同じ様な者がやって来て

見た目が違う!

喋り方が違う!

とクレームの嵐


似たようなクレームが時々あり、私の話を聞かず勝手に行動する者が増えたため

神様とはどういう風な見た目で

どんな喋り方なのかを聞き

人間達の理想に合う見た目、喋り方に変えていった


見た目は男性の老人

喋り方は自身の事をワシと言い

〜じゃ、という物言いをするという意見が多かった


そんな事があり、今のワシが出来上がったんじゃ




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