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5月2日書籍版発売!!元・魔王軍の竜騎士が経営する猟兵団。(最後の竜騎士の英雄譚~パンジャール猟兵団戦記~)  作者: よしふみ
『迷宮都市オルテガと罪科の獣ギルガレア』

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第四話    『迷宮都市オルテガと罪科の獣ギルガレア』    その二百


「『女性に年齢を聞くのは、失礼なことですよ』」


「ルクちゃんみたいだね。ああ、ルクちゃんっていうのは、私のお友達の錬金術師。この大陸でいちばんの錬金術師さん」


「『最高の錬金術師、ね。それはどこにいるのかしら?』」


「近くじゃないよ。あなたにとっては、良かったね。すぐ近くにいたら、ビビに寄生したあなたと交渉なんてしなくてすんだよ」




「『それほどの信頼感を、持っているのですか』」


「当然。だって、『星の魔女アルテマ』の『分身』みたいなヒトだからね」


「『…………『星の魔女アルテマ』。その名を、聞くことになるとは』


「知っているの?アルテマは、大昔の、錬金術師さんらしいけど」




「『イース教には、因縁のある相手なのですよ。『中海』沿岸地域で生まれた、千年前の大錬金術師……』」


「詳しいんだね。もしかして、それを調べるために『プレイレス』に来ていたの?」


「『私は多忙なのです。一つや二つの任務で動いているわけではありません』」


「そっか。でも、その一つには入るかもしれないんだね」




「『駆け引き上手ですね。賢い13才だわ』」


「リュドミナの半分も生きていないのに、生意気?」


「『そうですね。ずいぶんと年下のくせに。心を探ろうとする』」


「素直になるのが、嫌いなヒトなんだね」




「『まるで、友達に話しかけるみたいに。私は、貴方にとって大きな敵であるつもりですが?』」


「そうだね。それは認める。でも、あなたは今、ビビの体に宿っているもん」


「『油断は、しないように。若い尼僧たちと同じ過ちを、貴方もしている。私が……いつも助けてくれるとは限らないのに』」


「リュドミナは、いい子ではあるんだろうね」




「『……ええ。とても、『いい子』ですよ』」


「私もね、とっても『いい子』なんだ。だから、戦いが起きちゃう。正義と正義って、仲が悪いからだよ」


「『何か言いたいことでも、あるんですか?皮肉や、比喩や隠喩で……』」


「そういうムズカシイの、私には分からないよ」




「『……ときどき、年相応になる。掴みがたい年齢ではあるのかもしれないわね』」


「レナスは、何才だったの?それは別に話してくれて良さそう」


「『……レナスは、21才です。もうすぐ、22才になるはずでした』」


「ちゃんと、覚えているんだね。大切だったんだ」




「『大切ですよ。『カール・メアー』の同胞も、女神イースの信徒も』」


「そういうのが、あなたの正義なんだ」


「『ええ。相容れないでしょうけれど。私も、あなた方の正義に敬意を表しましょう』」


「全力で、ぶつかろうね」




「『調子が狂いますね。敵なのに、このなれなれしさは』」


「戦いは、思い切りぶつかるのが正しいよ」


「『……負けることを、考えていないの?舐められたものですね』」


「リュドミナは、負けることも心配しちゃうタイプなんだ」




「『普通は、そうではないでしょうか?戦いは、恐ろしいものです。勝利が確約されているとは限らないものです』」


「戦士には、二ついる。慎重で『攻撃』的なヒトと、感情的で『守備』的なヒトが。リュドミナは、『攻撃』的で、慎重で、計画的な戦士なんだね」


「『また、分析されたということですか……やるじゃないですか、ミアさん』」


「つまり。リュドミナは連携を重視するタイプ。あなたには、まだ仲間がいる」




「『……『カール・メアー』は、私の仲間ですよ。全員が』」


「ううん。違うよね。だって、『カール・メアー』は、あなたやレナスに同調できていないと思うから。少なくとも、すごく熱心な『カール・メアー』だったはずの、フリジアにだって受け入れられていないもの」


「『……私たちが、邪道だとも?』」


「自分たちの選んだ道なら、邪道じゃないよね。あなたたちにとっての正義なんだから。堂々としていればいいよ。でも、あなたたちは『カール・メアー』の全員と、協力はできないんだ」




「『ときには試練が伴うものですよ。私たちは……』」


「『蟲』で、つながっているヒトだけが、あなたの仲間なの?」


「『……答える必要は、ありませんよね』」


「答えられないのなら、私は確信しておくよ。『蟲』さえ、無力化すれば、私たちは勝てる。あなたは『ギルガレア』のおっちゃんの力を頼っているんだ」




「『そうね。異教の力を使っているわ。それが、必要だったから。どんなに、穢れたとしても、矛盾しているように見えたとしても……これこそが』……コイツらの、狙い」


「……ビビ、の声?」


「『……気のせいですよ。私は、ちゃんと彼女を掌握している。少し、ノドの調子が狂ってしまっただけです』」


「そうかな。ビビはね、アタマがいいんだよ」




「『知っていますよ。油断ならない相手だということは』」


「ビビってね、すごく心が強いんだよね」


「『それも、知っているわ』」


「いつまでも、あなたが一方的に支配できる相手だとは、思えないの」




「『……何を、期待しているんでしょうか』」


「あなたが恐れている通りのコトだと思うよ。私はね、ビビから情報を聞き出したい。ビビは、あなたの心を読めるかもしれないから。賢いし……今は、あなたに寄生されているから、つながっていると思うの」


「『支配しているのは、私です』」」


「ビビ、がんばってね。私に情報を、教えて欲しいの」




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