歯と歯のあいだ
「なんだ?」
下の真ん中の歯と、その右隣の歯との間に何かある。舌で確認すると、確かに何かある。でも、舌でいくらとろうとしても、とれそうにない。しょうがないので歯と歯の間に爪をいれ、それをかき出した。
出てきたのは長さ5ミリくらいの細長い木。なぜこんなものがあるのだろうか。
舌で確かめてみると、まだ何かはさまっている。かきだしてみると、今度は銀色の細長い金属がでてきた。
舌で確かめてみると、まだ何かはさまっている。かきだしてみると、今度は金色の細長い金属がでてきた。
舌で確かめてみると、まだ何かはさまっている。かきだしてみると、今度は細長い女神がでてきた。
あなたにはさまっていたのは木、銀、金のどれでしょう。
よだれでべとべとにな女神に言われても、なんにも嬉しくないし、そもそも歯には、はさまってもいない。そしてお前は女神でなく、悪魔だ。
そう伝えると、女神は「正解」と言って悪魔の姿に変わった。めんどうだったので、親指で弾いて、それっきり。




