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第二の人生は異世界にて  作者: りょーが
第1章 一応生き返ったけど正直生きた心地がしない
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第11話 魔法も奇跡も、あるんだよ!だが死亡フラグは消えない。

浩人とフィアの二人は街へ向かっていた。その道中は整備され、大きな道になっていた。その道を両端から挟み込むようにして木が生えている。村長から聞いた話だと、このまま道なりに進むと街につくらしい。


「この一本道でどうしてフィアは迷うのか…さっぱりわからん」


「なにかいったー?」


「なんでもない」


少しフィアが不機嫌そうな顔をする。


今日は霧が出ていなかった。この辺りは基本的に霧が出ることがなく、昨日の霧はここ何年も見たことがないと村長が言っていた。


昨日はフィアと二人で村に帰ると、待ってましたと言わんばかりに村人たちに手を引かれ宴会場へと連れていかれた。


その後は飲んだ食ったのドンチャン騒ぎ。そのあと眠気が限界を向かえぶっ倒れ、今に至る。


「昨日は騒いだな…しかし眠気はないから相当眠れたんだろうな…安心して眠れるってすごく幸せなことだな。睡眠の質が断然違う」


「そういうものなの?私はそーゆーこと考えたことない…」


「考えなくても大丈夫じゃないかな?むしろ考えたら逆に知恵熱で眠れなくなりそう」


「そんなにバカじゃないよ!もーっ!」


浩人のいじりにぷんすか音が出てるんじゃないのかと思うくらい頬を膨らましている。


「そんなひどいことをいう人だと思ってなかった!」


「わるいわるい…ん?あれはなんだ?」


「話をそらさないで!浩人くん!ちゃんと私の目を見てはなし…ん?なんだろ」


目の前に人がいた。しかし普通の人ではない。


少し離れた1本の木。割と大きめなその木の陰に左右に分かれて隠れている人が2人。男女それぞれ一人ずつのようだ。


隠れてるつもりなのだろうが、片方は腕と剣が、片方は足が完全に見えている。


「もしかして…俺たち狙われてる?あの二人あほっぽいけど」


俗にいう、盗賊というものなのか。例え世界が違っても他人の物を狙う人がいることは十分あり得る。人間とはなんて愚かなんだ。


「あーもしかして。最近うわさになってる2人組かなぁ?あほっぽいし」


「噂?噂になるくらい有名なのか?あのあほっぽい二人が?」


「顔とかはちゃんと知らないけけど、もしかしたらその人たちかもしれない…みんな話してたよ。でも気にすることないんじゃないかな?みんなもあほっぽい二人って言ってた」


「でもあいつら剣持ってるぞ?少なくとも丸腰じゃないみたいだし」


おそらくあの剣は諸刃の大剣だ。きちんと鍛えていない人が使ったら逆に振り回されるかも、と思わせる程度の。


「私はどうにでもなるけど…浩人を守れるかって言ったら正直あやしいかも」


「いつまでも守られるってのも男としてどうかと思うよな…よし、ここは頭を使おう」


「頭?突撃するの?」


「ヘッドバンキングスマッシャー!!って叫んで突っ込んでも、俺の頭は剣には勝てない」


改造手術された頭ならわかるけども。


「フィアはここに隠れてくれ」


浩人が左にある木を指さす。


「かくれといて、浩人がやられるさまを見守って「浩人!私のことをかばって…よくも浩人を!」って言いながらあの二人をぎったんぎったんにする作戦だね?」


「おいちょっと待て、今無駄な犠牲が生まれたぞ」


おそらくフィアのなかではそれがデフォらしい。


「俺が今からあの二人にはったりをしかける。そのあと俺逃げるから、追っかけてきた二人がフィアの近くを通ったらなんとかして倒してくれ。なるべく生かしてな」


「生かして…ところで浩人くん。一つ確認してもいいかな」


「いいぞ。なんだ?」


「木の陰で待ってるのはいいんだけど…別にあれを倒してしまっても構わんのだろう?」


「今生かして、って言ったよな?」


どこかで聞いたことあるセリフだが、きっと気のせいだろう。


きちんと釘を刺したところで、浩人はフィアから離れ、盗賊へと近づく。


なにやらこちらを見ながらこそこそ話をしているようだ。


「足と剣隠せないくらいポンコツだと思ったから簡単な作戦にしたんだけどな…さすがに甘すぎたか。2人が1人になったらさすがに怪しむよな」


浩人が歩く足を止めた。別の作戦を練るためだ。


「もう少し捻ったのを考えよう。ここで時間を食いつぶすほど余裕もないし」


ひとりごとをぶつぶつ言いながら、次の作戦を考える。


すると、盗賊の二人が相談を終え、木陰から出てきた。


「おい!そこのお前!旅人だろ?荷物を着ている物をすべて置いていけ!」


男が剣を構える。


「逃げれるなと思うなよ!私たちはこのあたりでは名の通った凄腕の盗賊だ!覚悟しろ!」


女が懐の短刀と構える。


「とりあえず結果オーライかな…よし」


浩人は盗賊二人が戦闘態勢になったのを確認し、言葉を投げる。


「やばい!盗賊だ!しかもあの有名な!に…逃げろー!」


そう言い、フィアのもとへと走る。


このまま走り続け、フィアが料理して終了の算段だ。


「あっ!待て!逃げるな卑怯者!」


男が焦って浩人を追いかけ始める。


「待って!私を置いていかないで!」


それにつられて女も走り出す。


「発案した俺ですら引くぐらいうまくいったなぁ!おい!」


ちなみに余談だが、浩人は中学時代演劇部だった。特に英雄ものが好きで、迫真の演技はこの前まで高校卒業を控えていた今でも健在である。


たまに後ろを確認しながら走る。フィアのところまでもうすぐだ。


「あの木だな…よし!これで…」


バッ、と木の後ろに回り込む!しかし!


「いない!」


フィアの姿が消えていた!


「どこ行ったんだよちくしょう!」


予定がすべて狂ってしまった。


「よーしそこで待ってろよ!今身ぐるみ全部ひっぺがしてやるからな!」


「きゃーへんたい!」


「うるせぇ!盗賊なんだからいい加減慣れろ!」


二人でケンカしながら浩人に近づく。


「あわわわ…どうしよ…フィア!助けてくれ!!」


どうしようもなくなり、浩人が叫ぶ。近くにいることを信じて。


「助けなんてだれもこねーよ!諦めな!」


男が浩人へ追いついた。


「はぁっ…はぁっ…あんた早すぎ…私がついていけないじゃない!」


「うるせぇ!そんなのに構ってたらこいつが逃げちまうだろうが!」


相変わらず喧嘩する二人。


「フィアーーーー!!!」


「だからよんでも誰もこねぇって…「はーーい!」



男盗賊の声を遮るかのようにフィアの返事が聞こえた。


「誰だ!どこにいやがる!」


突然の声に動揺する二人。


「あいつどこで返事して…ん?あれは…」


結論から言うと、フィアは三人が視認できる場所にいた。もっと言うと、空にいた。


「飛んで…る?」


浩人が口をあんぐり開けて空を見る。盗賊の二人も同じ顔をしていた。


フィアのまわりには不思議な文字がたくさん浮かび、それを囲むようにして円が形成されている。いわゆる、


「魔法…陣」


一般的にそう呼ばれる代物。


「いっくよー!」


フィアがそういうと、さっきまでフィアを囲んでいた青色の魔法陣が赤色に変わり、


「えーい!」


それがものすごい勢いの炎をとなり、三人に降り注ぐ!


三人に。


「あ、終わった」


今世何度目か覚えていない死亡フラグ。


そこで浩人の意識は途絶えた。

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