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ショートな作品を噛みしめよう  作者: ミックスボックスガム
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こいのぼり

僕の家にはこいのぼりがある。

僕が生まれた時におじいちゃんが僕のために買ってくれたらしい。

4月になると青く広い空高くにおよぎだす。

黒い大きなこいがおとうさん、赤い大きなこいがおかあさん、小さい青いこいが僕なんだって。

小さい頃はあのひらひら泳ぐコイが居なくなってしまうのが悲しかった。

しかし、僕が5さいになった時から僕の家ではこいのぼりをかざらなくなった……

おとうさんがいなくなってしまったから……


こいのぼりなんて無くてもさびしくない。

そう思ってた8さいのある日僕の家の空にあのこいのぼりがひらひらしていた。

なんで?そう思いながら僕は家に急いで帰った。


「おかあさん、こいのぼりがあるよ!?なんで?」


「おかえりなさい、けんくん帰ったらまずただいまでしょ?」


「ただいま、それでなんでこいのぼりがあるの?」


「おとうさんが帰ってきたのよ」


「おとうさんが!!」


僕はおとうさんの部屋へ駆け上がる


「おとうさん!」


「おお!けんくん!いいこにしてたかい?」


「うん!ぼくいいこにしてたよ」


僕のおとうさんは外国に単身赴任していた、けどやっと帰ってきたんだ。


「さみしい思いをさせて悪かったな」


「ううん、大丈夫、僕強いもん!」


そういってお父さんに胸を張ったよ。本当はとってもさみしかったけどね。


それが僕が子供の頃のこいのぼりの思い出。

今や僕は大人になって息子がいる。だから毎年あのこいのぼりを飾ってあげる。

あの頃は広い空を泳いでいたこいたちも今やビルの中にいる。

でも、僕はあの頃の思い出とともに自由に泳ぐこいのぼりを眺めるのがすきだ。

ちなみにこの話にもう一つ続きがある。今年僕にはもう一人子供である娘ができた。だからその子のためにもう一匹こいを買ってあげた。小さなこいよりさらに小さい赤いこいを……


そうして今空には6匹のこいが空を泳いでいる


大きな黒いこいはお父さん、大きな赤いこいはお母さん。

小さな青いこいは僕、小さな赤いこいは妻。

さらに一回り小さな青いこいは息子、それと同じサイズの赤いこいは娘。


今やこいは大家族だ。


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