閉ざされた沼地~遺跡~
現時刻・・・PM5:30
今、俺たちはフィールドダンジョン「閉ざされた沼地」に突如現れた「遺跡」の中へと足を運んでいた。「遺跡」は石で出来ていて城のようにも見える。実際に中は中世の城内を思わせるような作りで、一見お化け屋敷にも見えるくらいの古さと薄暗さだった。そんな中を俺たちは今、進んでいる。
「暗いな・・・「暗視」」
外が暗くなりさらには城には照明がないため一層暗く感じる。
この中ははっきり言って未知の場所。いつ何時、何が起こりうるか定かではない。仮にも戦闘になったときは満足に戦うことすらできない。だから、俺は索敵スキルの「暗視」を発動させる。が・・・
「ずるいわ!なんで和也だけ!!」
優はいきなり切れ始め、理不尽にも俺のことをずるいと言いやがる。
「お前は魔法があるんだらかそれを使え・・・つ~か最初っからそっち使ったほうがいい気がするんだが?」
「あ、その手があったか。光よ「ライト」」
呪文を唱えると周囲が光に包まれ、周りの風景も見えてくる。古い絵や、骨董品が色々と置いてあった。
「これで少しはマシになったな。行こうぜ」
「うん」
再び歩き出し、しばらく経つと上階に続く階段が表れた。
2回へ行くと今までとは違いモンスターが湧出するようになった。「スケートン」や「バッドデッド」。新たに甲冑を纏い槍を持った透けている騎士「ゴーストナイト」が出現した。でも、「ゴーストナイト」は以上に強く1体でも倒すのが精一杯なのだ。たぶん、3~4体現れれば死亡確定だ。
そんな中でも俺たちはなんとか奥へ進むことができた。だが、意外にも経験値が多く入り、LVは2も上がった。かなり美味しい場所だった。そして現在俺たちは2回の最深部の大部屋。黒ずんだ扉の前に着ていた。
「嫌な予感しかしないんだが・・・」
「同感だけど・・・」
見ただけでボス部屋のようなところに来ているのだ。そう思うのも不思議ではない。危険な匂いしかしない・・・はっきり言ってしまえばもう帰りたい。
「なぁ、帰らない?」
「・・・こ、ここまで来たし、行けるとこまでいっちゃお~~~」
声が思いっきり震えて、覇気もなくなっていた・・・さて、どうしたものか。ここがボス部屋だとしたら今は行くべきではない。ポーションも心許無く、何よりも情報がない・・・ゲームなら一回行ってみるのもいいかもしれないが・・・デスゲームになった今、そうするべきではない。
「一時撤退を提案する」
「で、でも・・・ほら、ボス部屋じゃない可能性もあるじゃない?」
「なにかあってからじゃ遅いだろ・・・な?」
どうしても戻りたい俺は意地でも帰るのを提案する。しかし・・・「ポッ~ン」と湧出音が一気に響きだした。扉の方を向いていた俺たちは首だけをまるで機械のように回す。
絶句した。なんとそこには10体もの「ゴーストナイト」の群れが湧いていた。
「・・・マジか。この展開2度目なんだが」
「う、ヤバイよ・・・」
半泣きになっている。お前のせいだろ!!と俺は心の中で絶叫しつつ、思考を張り巡らせる。しょうがない。気づいた時には優の手首を掴み、大部屋の扉を開けていた。
そのまま走り、部屋の中心へ行く。走っている途中で扉が閉まるのを目の端で捉えた。
「鬼と出るか蛇と出るか・・・」
顔を上げると3mほどある「ゴーストナイト」が出てきた。やっぱりここはボス部屋であった。どっちにしても死のリスクはあるんだ。なら、少しでも攻略に貢献しようじゃないか。
「行くぞ!!優!!!」
初のボス戦が始まった!!
今回はステータス無しです。次回に載せます。読んでくださってありがとうございました。