閉ざされた沼地~中間~
朝、起きた俺は昨日外した武器防具を装備し直し外へ出る。このゲーム、おかしな事に食事はあるのに排泄は必要ない。さらに、汗は書くのにお風呂必要ない。というかまず風呂が存在しない。日本人として入浴できないのは少し抵抗がある・・・
まぁ、これを言ってもしょうがないが。現在は朝の7時半である。優とは8時にこの宿の前で待ち合わせをしている。そこから村にある飲食店で朝食を取って、フィールドダンジョン「閉ざされた沼地」の中間部に入って、狩りをする予定だ。
「よしっ!行くか」
ドアを開けて木で出来た床を踏みしめ、宿から出て行った。
「おりゃ!」
体当たりをしてくる茶色い物体「マッドスライム」にむかって「スラッシュ」を叩き込む。
一撃で「マッドスライム」は砕け散り、体の前には勝利を知らせる経験値ドロップウインドウが浮かび上がってくる。
「こっちは片付いたぞ」
「ロングソード」を背中の鞘に差し込み、向こう側で「バッドデッド」と戦っている優を見る。
「よっと。危な!ちょっ、今話しかけないで!燃えよ!「ファイヤー」!!」
「イエッサー」
「バッドデッド」の攻撃を危なっかしくかわして、モンスターの隙を見て魔法を使っている優に苦笑いしながらその場で見ている。
彼女の戦い方は実に危なっかしいが一回もモンスターからの攻撃をくらってはいない、俺は「マッドデッド」と戦う時はヤツの速さについていけず2回ほどダメージを受ける。その点優はすべての攻撃をかわしていた。本当にすごい・・・
「お~、終わったか」
「ふぅ~早いな。まったく」
頬ふくらませながら言う優に全部かわしたお前が何言ってるんだと思いながらジト目で見る。
「な、なによ?」
「いやぁ~お前速いって言っときながら全部かわしてんじゃねか?だから、イラっときてさ」
「・・・なんでそこでイラっとするのか解らないんだけど。かわしていられるのは「見切り」のスキルがあるからだし。あ、そこから湧出したよ」
後ろで腕をくみ、話を逸らすように口笛を吹き出し見つけたモンスター向かって走り出していった。
時は進み現在午後4時。そろそろ、日も暮れだし薄暗くなってきた時であった。
「ふぅ~・・・もう暗いし戻ろうか」
今、戦っていた「スケートン」4体を片付けたあとに優雅そう呟いた。
「そうだな。もういい時間だし帰るか」
俺たちは街へ向かって歩きだした。今日は昨日と違い中間部での狩りだったが俺たちのLVがこのフィールドダンジョンの適正LVを超えているからなのか楽に終えることが出来た。そう、この時までは・・・
「ん?何かある」
急に優が足を止めた。
「なんだ?どうした?」
「いやぁ~、さっきはなかったのに何か建物が・・・」
本当に何かが建っていた。古い構造物のような、遺跡のような建物が・・・
「ねぇ~、ちょっと行ってみない?楽しそう」
「おいおい。楽しそう以外に危なそうな雰囲気がプンプンじゃねえか?普通のRPGだったら行くけどこんな罠臭いのこのゲームじゃ自殺行為じゃねえか」
「う~、でも言ってみたい・・・これが冒険心なのね」
なぜか目が輝いていた。いや、ダメだろ・・・
「危なかったら和也の転移石で飛べばいいよ。よし行こう」
「お、おい」
俺の言葉を待たずにどんどん遺跡に侵入していく・・・
現時刻・・・PM5:00
ステータス
キャラネーム 和也 金 8734G
LV10 HP1323/1846 MP0/0 攻撃力135 防御105
装備 「ロングソード」「革の服」「革の手袋」、「革のマント」
「革のズボン」、「革の靴」
POW21(1)、DEF0、SPD9(30)、VIT0、LUK2(4)、TEC2(2)
スキル
剣士14、索敵11、跳躍11、自動回復9、武器破壊4、体術5 (空き4)
キャラネーム 優 金 10932G
LV9 HP1256/1663 MP1014/1544 攻撃力71 防御力105
装備 「シミター」「革の服」「革の手袋」、「革のマント」「革のズボン」
「革の靴」
POW5(5)、DEF0、SPD20(32)、VIT0、LUK6(5)、TEC10(2)
スキル
剣士9、魔法使い11、見切り8、武器防御6 (空き6)