変化
2週間ぶりです。テストが終わったので頑張って2日に1回のペースを戻せるよう頑張ります!!
あの後、結局マリアに振り回されることになってしまった。隣の村などにも連れて行かれたわけで……俺は緩みきった輪ゴムのようになっている。ちなみにマリアは俺の背中で熟睡中である。
こうして、俺達二人が宿に戻ったのは8時過ぎの事だ。ここまで、マリアを背負いながらの長い道のり……途中、モンスターが湧き出し囲まれたときは死ぬかと思った。
まぁ、うまく切り抜けて無事に帰れた訳だけど……そこらへんのモンスターよりもずっと恐ろしい優様が宿の入り口で腕組・仁王立ちで待ち伏せているではないか。
お、重い……。空気が重すぎる。何だよこの重圧は……
「で?こんな遅くまで、なぁ~にやってたのかな?」
「え~っとですね。まぁ、こちらにも事情と言うものがあったといいますか……」
「ほほぉ~。事情ね。どんな?」
体をなめるように風が吹き、俺は背骨にまるで鉄の棒でも入ったかのように真っ直ぐになる。これが、優の鋭い目線からから発せられる殺気のようなものなのかは分からないが気持ちの悪い感覚に襲われる。
「ま、まず中に入ろ……入れさせてはもらえませんか?」
「背中のマリアが風ひいちゃいけないもんね。わかったわ」
「背中」と言う単語を明らかに強調している。なんだ?俺が背負っているのを起こってるのか?
そんなことを考えつつ、優が避けてくれた宿の入り口を無事に通り抜る。外とは違う温かさを感じ、今日の疲れがどっと襲ってくる。だが、本当の戦いはこれからだ。優にあの事を話さなければならないのだから。
食事兼報告をするために優に部屋へ入る。近くにあるベットへマリアを横にさせ、俺は目の前の椅子へ座る。直ぐに夕食を運んできてテーブルの上に置いていく。
「……?優。お前食べて無かったのか?」
「そうよ。あんた達を待ってたの……いつまで待たせるつもりよ」
「……ごめんな。もっと速く帰ってくるんだったよ」
「気にして無いわ……それよりも報告をお願い」
手を合わせ小さく「いただきます」と呟くと首を傾げて訊いてくる。
「う、……暴れんなよ?」
「何?そんなにいい報告でもあるの?」
「うん。まぁな……この近くの湖知ってるか?近くでもないけど……「嘆きの泉」ってフィールドダンジョン」
「「嘆きの泉」……?知らないわよ。で?そのダンジョンがどうしたの?」
特に興味もないような顔をしてパンをかじる。い、言うぞ!!
「かずやさ~ん。まって~えへへへ……」
ずっこけたくなる様な見事なタイミングで発せられた寝言。実にナイスタイミング。いや、良くねぇよ。「今から凄いの言いますよ」って雰囲気ぶち壊してくれたな!てか、どんな夢見てんだよ!!
「マリアの頭の中の和也は一体、何やってるんでしょうね?」
「そ、それは俺の意思じゃない!よって、俺は何も悪くない!」
「でも、そう言う事しないと夢の中で出てこないでしょ?」
目を細め、いやらしい物でも見るような視線を送ってくる。ヤ、ヤメテ!!そんな目で見ないで!!
「おっと、話がそれたぜ……それでだな~」
「くそ、逃げたわね……で?さっきから焦らしてるけど結局の所は何なの?」
「別に焦らしてる訳じゃないんだが……それでだな。さっき言った「嘆きの泉」に湧くんだよ。ボスモンスター「水龍」が……」
さぁ~どうだ!きっと今までどおり、テンションが行き成り跳ね上がって俺を一気に窮地に陥れる。優の特殊能力!!
「そう。でも、行かないわよ。時間も無いし……」
「そうそう。行かないよな。いや~また俺危険な目に……って、えっ!?な、何があった優!ね、熱でもあるのか!?」
あまりにも淡々と言われてしまった。もしかして、頭打ったんじゃ!
「なんで、本当に心配してるのよ!?もう、この場所には用が無いから次の街へ行こうって、提案しただけでしょ!」
俺の驚きようにきれる優。おっとと、怒らせちゃいけない。
「まぁ、落ち着けって。いや、だってさ~あんなに宝箱やボス部屋を貪欲に貪ってたのに今回行かないって……な、なんか悩みでもあんのか!?」
「だから、なんで和也はそこまで驚くの!?いいじゃない。彼方に危険が少なくなるんだから。」
「あれ?俺が危険な目にいっつも遭ってるって事、知ってたんだ」
「さすがに気づいてるわよっ!(こっちは和也が心配になったから自重してんのよ)」
顔を赤く染め、怒鳴ると急に声が小さくなってぶつぶつ唱えている。恐っ!
「まぁ、そう言う事なら良かったよ。じゃあ、もう行くのか次へ」
「そ、そうね。明日、明後日でも出発しましょうか……そう言えばここのフィールドダンジョンって全部行ったの?」
「う~ん。踏破率は……6割ってとこかな。俺とマリアだけだったし、このくらい行けば十分だろ。まだ、中腹ぐらいまでしかマーキングもしてないけど」
自分の前にマップを表示してそれを見る。この「サクト村」のフィールドダンジョン「恐怖の岩場」。この村に着いたとき俺とマリアが賭けをした所だ。
そのマップには、ほとんどの地形データーがのっているがまだ白……マーキングしていない場所は結構残っている。普通のパーティー(5~6人)で一日攻略をしても精々マップの踏破率は8割弱。二人しかいなかったのに6割はかなりの功績である。
俺はそのマップデーターを全プレイヤーに散布するとお茶を意と口飲む。このマップデーターの散布、別にやらなくてもいいのだがこれをやっておけば少しでも次、この場所に来たプレイヤーが安全に攻略出来るようにやっている訳だ。結構やってる奴もいて俺の知っている奴はほとんどしている。
「6割ね~。ま、大丈夫か……じゃあ、明日出発でもいいかしら?」
「俺は別に構わないぞ。マリアは知らんが」
ベットでグッスリ眠っている金髪美少女を指差し、首を傾げる。
「マリアには私が言っておくわ。和也はもう寝たら?疲れたんでしょ?今日」
「疲れてないと言ったら嘘になるな……装備の点検もしなくちゃいけないし、マリアの事任せたわ。俺も眠いし……」
食べ終えた食器を重ねて「ご馳走様でした」と一言。
「今日も美味しかったよ」
「お粗末さまでした」
「じゃ、後任せたな。おやすみ」
「おやすみ~」
大きな欠伸をして優の部屋から退出する。もうすでに体は筋肉痛だ。ちょっと前までなら「ゲームなのに筋肉痛とかありえねぇ~」と、あるプレイヤーを馬鹿にしていたのだが……。つ~か、ゲームなのに筋肉痛の要素なんか必要ねえだろ。
「はぁ~」
深いため息。なんか今日の疲れの一部が吐き出されたような感覚である。古臭いドアノブを回し、そのまま押す。幽霊屋敷にいかにもありそうな危ない音がする。始め入室した時はマジでびびったわ。
その室内の中は特に何も無い。ベットと小さなテーブル。そして、椅子の数脚である。特にする事も無くベットに仰向けで倒れる。
頭の中をよぎったのはあの「水龍」の攻撃である。水弾……もとい、水ブレス。剣で斬って全ダメージを防ぎきれるとは到底思っていなかったがあのダメージは痛い。
もともと、俺の装備は剣道着みたいなものだ。特殊な素材だから、その辺の鉄装備よりは硬いがあのブレスを喰らえば多大なダメージを受けるだろう。まぁ、もともと俺は回避優先だから、かわせばいいのだがあのスピードと精密なブレスを一体かわせるのか不安になってくる……。
「こんな事考えても仕方が無いか……明日は次の場所へ行くんだし、装備の点検して寝るか」
「よし、これでよしっと」
目の前にはたった今、研磨の終わった愛刀「ドラゴンライズ」その美しい刀身からは狂気にも似た怪しげな雰囲気をかもしだしている。ゲームと言えどそれはまさに剣は生きているとでも言いたくなるようなものであった。その剣を握って感触を確かめると鞘に戻す。
「ふぅ~、寝るか……」
疲れ切った体は直ぐに眠りへと誘われていくのであった。
読んで下さってありがとうございます。今回は優の変わり具合を着目してみていただければいいな~と思っています。さらに、書き方も少し変えて見ました。台詞と台詞の間などを改行しないでやって見ました。私はこっちの方が書きやすくていいのですが(笑)見ずらければ報告お願いいたします。
次回はとうとう、50話です。いや~ここまで話数が進むとは……しかし、まだ第一の大陸もクリアしていないと言う(苦笑)ここら辺からペースアップをしていきたいですよ~
12年11月18日 おっと、話すがそれたぜ⇒おっと、話がそれたぜ に訂正しました。




