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Free adventure  作者: yuuyas
第一の大陸 ~初ボス編~
42/55

終結

 遅れて申し訳ありあせん!

「・・・・・・」

「このっ!何なんだ!?死ねやオラァア!」

 (たかし)は両手で持っている大剣を力いっぱい振り下ろす。その目標対象はこの「ボスの塔」のボスモンスターである「ぺネラント」のドロップーー「呪いの指輪」を右手の中指に装備したまさに、呪われた状態の俺だった。


 その俺はバッドステータスの「呪い4」、「狂気3」にかかってしまっており、無表情で隆の重い攻撃を弾き返している。


 弾き返しては右手に持つ剣「ロングソード」で文字通り目にも止まらない速さで剣を振る。隆はそれを体を「く」の字でなんとか躱すが、さらなる俺の追撃を避けることができず肩口をえぐられる。






「チッ・・・こうなったら」

 大剣を担ぐように持って「スラッシュ」の構えを取る。その予想通り、すぐさま「スラッシュ」が発動される。大剣から放たれる超重量級攻撃は「/」を描き俺の体を駆け抜けようとする。


「・・・・・・ふっ」

 野生化された俺の動体視力・勘の反応は迅速だった。


ーーガギィ~ンーー「ディップス」を使い、隆の「スラッシュ」を受け止める。だが、今までと違って吹き飛ばされない。「ディップス」から発せられる強い反動を地面に向ける・・・その瞬間に俺の足からは「ミッシ」っと危険な音が鳴り、体中が悲鳴を上げる。


 しかし、「狂気」になっている俺には痛みは感じない。どれだけ体がちぎれても、押しつぶされても、串刺しになろうとも・・・目の前の敵を潰さない限りは攻撃は止むことがない。


 地面はあまりの重量と反動に接している足元から蜘蛛の巣のようにひび割れていく・・・ーー「ズカッ」ーー足が地面にのめり込む。相変わらず足の関節は「ミシミシ」なり、震えだす。パワーを貯めるようにスクワットの状態になっていた体制から「跳躍」スキルのありえない脚力で押し出す!






 隆の大剣は逆方向からの力に弾き飛ばされ、奴の体も吹っ飛んでいく・・・その隙だらけの状態を呪われた俺は逃すことなどなくーー「ワインド」が発動され、空中の体を斬る。


 胴体は腕や足などの特定の部位とは違い切り落とされることはない。その代わりに傷口には赤いエフェクトが輝く・・・輝きの大きさによりどれだけ深く攻撃が通ったかが判断でき、だいたいなら被ダメの量も予想することができる。


「ガッハ」

 俺の剣技はあっさりと隆の胴装備である「鉄の鎧」を悠々と切断して刃は腹を深々く通り抜ける。隆はさらに飛ばされ、未だ空中に体を投げ出している。


「・・・・・・はっ」

 無表情で駆け始め、隆の前へ素早く移動してジャンプする。隆よりも高い場所に飛び上がり、上段構えをして「ギアス」を発動される。そのまま重力に従い俺の体は降下していきーー






「アアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 剣はまたもやいとも簡単に「鉄の鎧」を切断し強力な斬撃は、直に隆の体を襲うーー「タタン」隆が倒れているすぐ横に着地して、視界だけを横に横たわるプレイヤー・・・隆へと向ける。


 視界には端に自分のHPバー・・・プレイヤーの頭上にはそのプレイヤーのHPバーが表示されている。隆のHPバーは4分の1ほど残っていたが、それも徐々に減っていっている。


 俺はそれを夢のような感覚で見ていた。目の前で一人のプレイヤーが死に絶えそうなことをーー自ら殺した人の命を・・・


「(それじゃ、いけない・・・しっかりと現実を受け止めなければ)」

 残っている意識で震えながらも左手を「呪いの指輪」の装備された右手の中指に手をかける。体はそれを拒むように抗い、ありへない力で押さえ込もうとしてくる。だが、それじゃあダメだ・・・


 力を振り絞り、指輪を一気に抜くーー直ぐに不快感は消え去り、意識がまるで夢のような感覚から現実のものに戻る。代わりに力が途端に抜けてしまう。


「・・・・・・なぁ?」

「・・・なんだよ、人殺しが・・・」

 視線を虚空に向け、死にそうな隆に向かって語りかける。HPはもう2割をきっていた後、数十秒もすればモンスターが力尽きて散っていくようにこのゲームから消えていくだろう。それでも、少しでもなにを思っているのかを問いたかった・・・


「お前はどう思う・・・この状況を」

「俺がテメェに殺されたことか?それなら、気分は最悪さ・・・こんなことを考えながら、あいつらは死んでいったってな・・・どうだ?満足したか?」

「・・・そうだな。まぁ、少なからず満足したよ。でもな、俺のモヤモヤは取れりゃしねえよ」

「そりゃそうだ・・・人殺しだからな。俺たちと一緒さ・・・」

 吐きつけるように浴びせられる「人殺し」の言葉に段々と心が痛めつけられる。だが、この痛みはこの胸に刻みつけなければならない。


「おい?人殺しよ・・・」

「なんだよ?まだ、俺を殺ろうとしてるのか?」

「はっ、まさか・・・ただ、最後はお前の剣を刺して殺してくれや」

 今までの隆とは違い、投げ出すような言い方に驚くが口調から真剣に言っているのがわかった・・・


「なんでまた?」

「俺はこれでも現実世界では真面目に大学行って、勉強やってたのさ・・・」

「・・・・・・」

「だがな、あまりにも毎日が同じことの繰り返し・・・俺は人生そのものに飽き飽きしてた。そんな時この最悪なゲームに出会った。でも、この世界はすべてが合法だ・・・現実に縛られ続けていた俺は簡単に頭がおかしくなったよ。初日にひたすらLVあげて、その次の日からはプレイヤーキル(PK)だ。今まで法も犯したこともなかった俺には何故か、喜びを覚えた・・・その後、ドップリ浸かりこんでしまったよ」

 語られる隆の想いに目を閉じて黙って聞く・・・それが、俺にとっても隆にとっても最善だから・・・


「今まで、何人も殺した。ざっと、900ぐらいか?まぁ、そんなもん・・・だ。やっと正常に戻ったよ。これで今までのことが精算できるとは思っちゃいねえが頼めるか?」

「・・・ああ、俺もお前を殺したことに背は向けられない」

 そう言うと静かに立ち上がると左手に持つ剣をかかげーー「「パパッ~ン」」!!


「・・・・・・」

 振り下ろされた剣は隆のHPを全て消し去った・・・振り下ろされた細身の剣は最後の一撃を加えた瞬間に隆とともに砕け散った。その、役目を終えたように・・・








 あの後のことは、あまり覚えていない・・・でも、優とマリアさんが無事だったことは明細に覚えている。なんとか、駆けつけたポチのお陰で形成が逆転され二人は大丈夫であった。敵の魔法使いの二人は無力化され拘束されており、その場に転がっていた。優たちはどうやら一部始終を見ていたようだ。


 だが、俺を非難することもなく黙って受け入れてくれた・・・しばらく静寂が続き、誰とでもなく「帰ろうか」と一言。小さくうなづき、帰るために歩き出す。


 




 このことを一生背負うという覚悟を胸に秘めながら・・・








 「|Free adventureフリーアドベンチャー」それがこのゲームの名前だ。サービス開始日にデ

スゲームとなった。1ヶ月も経たないうちにプレイヤーは次々と倒れ、死んでいった・・・






 現在のログイン 98543人 ログアウト(死者) 1457人


 攻略範囲 第一の大陸。1のボス・・・「ぺネラント」 残り 62体








                                            1章完

 最後まで読んでくださってありがとうございます。予定では16時に投稿のはずでしたが間に合いませんでした。すいません。やっぱりストックがないと時間通りの投稿は難しい・・・言い訳です。はい。


 とまあ、こんな感じではありましたが無事に1章を終えることができました。最後は和也(呪われた?)VS隆でした。結果的には和也の圧勝でしたが・・・今回は戦闘よりも気持ちの面で書きたかったのですが・・・わかりづらくてすいません。やっぱり難しいですね(苦笑)


 和也くんにはこの後、ずっと殺してしまったことを背負いながら戦っていきます。これはかなり悩みましたが、もともと和也は自分を守るためにLV上げをひたすらやっていたわけですし、こうなるのが必然的かな~っと・・・


 まぁ、こうなってしまいましたがとにかく1章は完結しました。感想としては「長い」の一言に尽きます。42話・・・本当に長い。結局、「ボスの塔攻略」で「閉ざされた沼地編」を超えるものになってしまい、こんなところまで・・・


 次回は登場人物をまとめた設定を投稿したいと思います。休載中に・・・その設定が終われば2章に突入します!休載については1週間から2週間を考えています。その間、2章のストックを貯めまくります(笑)


 長くなりましたが、ありがとうございました!今後(2章以降)もよろしくお願いいたします!!

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