呪いの指輪
弄ばれるように次々と繰り出される攻撃の乱舞に俺はとても少ないとは言えないダメージを食らってしまう。
「自動回復」により回復はされていくが回復量よりも被ダメの量の方が少量とは言え勝っていた。その為、時間が経つにつれて集中力、HPともに磨り減ってきた。
「ひっひっひぃ~。手も足も出ないいか・・・はっ、はっ、はっ」
攻撃の間、絶え間なく馬鹿にする声が耳に届き、不快感が徐々に蓄積されていく・・・だが、キレてはいけない。怒りに負かしてしまえばこの命懸けの戦いは絶対に負けてしまう。
3方向からくる刃を最低限の動き、そして被ダメが多い攻撃を見極めそれをできる限り躱す。
「隆!テメェ~なんでこんなことすんだよ!?」
右手の「ロングソード」で攻撃を弾き返し、大きく距離を取ると俺は目の前にいる隆に向かってそう聞いた。なんでこんなことしたのかと・・・
「なんで?そんなの決まってるじゃねえか・・・この世界のすべてがゲームだから。フィクションだからだよ!」
「もう、このゲームはフィクションでもなんでもないだろ?あの日、この世界が始まった日にそれを知ってみんな絶望した。これのどこがゲームなんて言えるんだ?」
「はっ!?ゲームはゲームだろ?何本気になってんだよ・・・どうせ、死ねば終わるんだ。現実に戻れんだろ?俺はその手伝いをしてやってるだけじゃねえか」
「手伝い?笑わせんな・・・この状況がそんな簡単なことで終わるなら、とっくに現実世界の誰かが俺たちを開放している。それがいつになっても起きない・・・死んだらお仕舞いなんだよっ!」
歯を食いしばり、目の前の3人に向かって「ワインド」で攻撃する。一番左の鎌を武器にしていた男は簡単に吹き飛ばされるが真ん中にいた。大剣を持った隆が俺に剣技を受け止める。
ーーギィ~ンーーと金属音が響く。手は強烈な一撃を受け止められたせいで若干しびれ出す。俺は顔を歪ますが大剣を得物にしている隆は「にやっ」と笑う。その瞬間にハンマーを持った大男がその武器で殴りつけてくる。
それをに気づき、サイドステップでギリギリ躱すが、今まで受け止められていた隆の大剣の重い斬撃が俺のを右の肩口を通過する。
「アァァアアァァァアア!!!」
「グシャ~」大量の血の代わりに赤い光が切れた断面から溢れ出す。途端に俺の頭の中には激痛の二文字が思い浮かんだ。
いくら痛感が弱いといっても、肩が切れるほどの攻撃だ。その痛みは計り知れなかった。しかも、その痛み方が実にいやらしかった。
切れた瞬間だけが痛いのであれば、まだ楽々動けたのだがズキズキと断続的に痛みが伴いHPも勝手に減っていく・・・HPバーの隣には部位破損状態が映し出され、それが赤く点滅する。
それに追い討ちを書けるように大剣をブンブン振り回してくる隆を左手に持つ剣で受け流し、何とか凌ぐが防いでいる間にも貫通ダメージのせいでどんどんHPが減っていく。現在のHPは半分以下・・・絶望的だった。
「(くっ・・・まだ回復できないのか!?)このっ!」
瞬時に「ディップス」を繰り出し、大剣を叩く!すぐさま大きすぎる反動によって体が吹き飛ばされるが空中で回転し、着地する。その瞬間に後ろにいるはずの優たちを見て絶句した。
優たちは隆のパーティーの魔法使いの魔法による魔法の雨を食らっていたのである・・・
魔法は優の防御魔法で無効化しているがその顔に苦痛の色が浮かぶ・・・きっとMPが切れてきているのだろう。MPポーションはボス戦の際にほとんど使い切ってしまっている。これはかなりやばい。
「チッ!ほかのプレイヤーは来ないのか?」
この絶望的状態に小声で弱いなことを漏らしてしまう。それを聞いて隆は大笑いしだした。
「ほ、ほかのプレイヤー!?死んだよ。つ~か、殺してやったよ俺たちの手でな!」
「は!?何言ってるんだよ、お前?」
「とうとう、耳がおかしくなってきたか?だ、か~ら、殺してやったの全員。この攻略に参加したやつ。お前たちもすぐあの世行きだから、まぁ気にすんなや!!」
隆は悪い笑を浮かべで襲いかかってくるなんとか受け止めるが一撃が重すぎる。そして、こっちは左手一本だ。徐々に押されていく。さらに、またハンマーヤローが右から湧き出てきて殴りつけてくる。
ーーヤバイ!?当たるーーそう、頭によぎったが何故かその攻撃は通らなかった。
「GAOOOOOOOOOOGAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!」
ポチが渾身の力でハンマーヤローに向かってタックルをかましたのだ。さすがの大男でもポチーーケルベロスのタックルをまともに喰らえば耐える事はできない。大男はハンマーをすっぽかしたまま壁へとぶつかり、その反動で気絶する。
「チッ。使えないいやつだ・・・」
ポチの殴りに反応して、隆は後ろへ下がって回避する。そして吹っ飛んだ大男、ポチに倒されのびている棍棒を持った中くらいの男、さっき俺の「ワインド」を受けてどこかへ飛んでいった鎌男の方向を見ると軽蔑したような、まるでゴミでも見るかのような視線を送っていた
俺の方は速攻でステータスを開き、部位復元のボタンをタップする。その瞬間に腕は今まで切れていたのが嘘のように元通りになり、感覚も戻っていた。それに加え、ポーションを実体化させて飲み干す。体力は満タンに近づき、「自動回復」のお陰で数秒後にはHPは全開した。
隆を睨みつけ、切りかかろうとすると、
「キャア!!」
優の悲鳴が聞こえてくる。魔法の防御が切れ少なからず被弾したんだ!このままじゃ・・・
「ポチ!優たちのところに行け!!俺の方はなんとかする」
「GAAAAAAOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!」
すぐにポチは優たちめがけて走っていった・・・
「いいのかい?犬こっろをそっちに行かせて?君が危ないんじゃないのか?」
「ああ、全くだ・・・本当に危険だよ。こんなの」
「何言ってるんだ?お前・・・?」
「こんなの使いたくなかったって言いたかったんだよ。でも、こんなこと言ってる場合じゃない・・・この状況を打破するためなら、悪魔にだって身を任せるさ」
小さく微笑み、手のひらに一つの指輪を実体化させる・・・
その指輪は、全く金属光沢がしていなく真っ黒な墨にでも付けたかのような黒さだ。宝石のたぐいは全くなく、ただリングだったがそこから発せられるオーラは禍々しかった・・・
「なんだそれは?・・・はっ!まさか、この「ボスの塔」のボスドロップ!?」
「ご名答!お前の言うとおり、ボスドロップの品だ。倒した瞬間に気を失ってたから、さっきまで気づかなかったけど・・・まぁ、これでどうなるかは分かんないけど・・・きっと倒せる。そんな気がするから気は乗らないが使わしてもらう」
剣を持つ、左手で指輪をつかみ右手の中指に嵌める。途端に黒いオーラが発生して俺の体を包み込む・・・
段々と思考が遠のいていき、まるで他人の頭でも覗いているような感覚に陥った。うっすら残る意思でHPバーのとなりを見ると「呪い4」、「狂気3」の状態異常に掛かっていた。
「呪い」はHPが数秒おきに段々減っていく、「狂気」は思考力が低下するが攻撃、攻撃力が大幅に上がり痛みがわからなくなる状態異常。
この指輪はまさに・・・
「呪いの指輪かよ・・・はっ、おもしれ~ぶっ潰してやる」
隆は俺の顔よりも狂気に溺れた顔でグシャりと笑い、走りかかってくる。俺も負けじと笑い返し、対抗するかのように駆け出す!
ここからが本当の勝負だ!
読んでくださってありがとうございます!本当に昨日は申し訳ありませんでした!7時に投稿ができなかった・・・くそっ!
とまあ、急いで40話を仕上げ、続けてこの41話を考えたため私の精神ライフは0です。(笑)今回はプレイヤーVSプレイヤーの戦闘描写でした・・・感想といえばとにかく難しい・・・表情の表現とか、戦闘中の会話などなど。とにかく難しかったです。
感想、ダメ出しがあればどんどん送ってください。出来るだけ優しい表現で(お願いします)
出来ればこの3連休で1章を終わらせてしまいたいので今日はもう一回投稿するかもしれません。なんかとてつもなく長くなりそう・・・今の考えでは後、2~3話かな~っと思っています。よろしくお願いします!!
12年10月7日 釜ではなく鎌でしたすいません。訂正しました。
12年10月8日 「狂気」の説明について・・・防御⇒攻撃力です。訂正しました。




