危機
遅れてすいません。詳しい謝罪は後書きで・・・
「・・・う、ん?・・・」
「か、和也!?」
耳に届く、透き通るようなアルト声に重い目蓋をゆっくりと開ける。
「・・・おはよ・・・」
「おはようじゃないわよ!なんで無理して突撃したのよ!?」
「いけると思ったんだよ・・・「剣士」から「片手剣」にスキル派生したしな」
うつ伏せの状態から起き上がり、その場に腰を下ろした。一気に疲労感が体中を駆け巡り、立つことができなかった。まだ、ぼ~っとしている目の端でHPバーを見ると体力は半分をきっていた。
それを見てすぐに回復ポーションを実体化させ飲み干す。
「それに、マリアさんの方も限界そうだったからな・・・もう一発、優が魔法を放つまでとても持たない。だろ?マリアさん?」
優の後ろに立っているマリアさんに声をかけると、何も言わずにただうなづくだけだった。きっと、あの時にはもう、回復ポーションはなくなっていたのだろう。
それにHPの残量も4分の1ぐらいだった。いくら、スキル「底力」で全ステータスを底上げしている状態といっても、1擊貰えばすぐにHPは底をついただろう。
「その時は一回、退却しなさいよ!もしものことがあったらどうするのよ!?」
「・・・分かったよ。次からそうする」
これ以上言い合っても俺の立場がだんだん悪くなっていくと思い、直ちに謝罪する。そうするとまだ、腑に落ちない顔をしている。
「次は、もっと周りを頼りなさいよ・・・」
横を向きながら頬を軽く膨らませながら「ムス~」っとしているのがなんだか面白くて、微笑してしまった。
「なによ?」
怪訝そうに俺を睨む・・・さっきより目力が恐ろしい。
「ごめんって、拗ねてるのが・・・いや、なんでもない」
「言いなさいよ!す、拗ねてるのがなんなの!?」
「いや、あの~・・・それは・・・さ」
ーー拗ねているのがーーの先がなんだか、言いづらくなり言葉が詰まってしまう。さらにそのことに対して優が強く聞いてくるから激しく動揺してしまった。
お互いに顔をほのかに赤くして、優は目を合わせようとはせず。俺は頭を掻いて、誤魔化そうとする。
「そんなことしてませんで、一旦戻りましょう?」
突然、高い凛としたソプラノ声が響いてきた。その音源は今まで空気のように黙っていたマリアさんであった。顔はうつむき気味だったがひどく睨まれていることが隙間から見えた・・・これは従わないと大変なことになりそうだ。
「そ、そうだな。でも、どうやって戻るんだよ?転移石も使えないし・・・」
「確かにね。う~ん・・・なんか仕掛けがありそうなのよね。この部屋」
「仕掛けですか?」
マリアさんに一括?され、普段通り3人で思考を働かせる・・・なんかないかな~?
「っ!?出てこい!!」
「ど、どうしたのよ!?」
「索敵」に引っかかった者に向けて、殺気混じりでその方向へ言い放つ。明らかに様子がおかしかった・・・
数秒、無音のやり取りが続くがやがてーー
「ハハハ。よくお気づきで・・・」
「・・・隆!?なんでここにいるんだ!」
扉の左右から続々と人が5人出てくる・・・そしてその中心に、この「ボスの塔」攻略のリーダー、隆が重そうな鉄の鎧一式の装備で堂々と立っていた。
「なぜ?出てこない?お前はボス戦の最中にもう、ボス部屋に来ていただろう?」
「なぜだろうね・・・まぁ、考えてみなよーーどんなゲームでもおこぼれを狙うのが安全でそして効率がいいって事さ!」
目を見開き、顔を歪めている。まるで、今までみんなに向けていた顔が演技だったかのように・・・
「なのに!君が!「剣士」のスキルから「片手剣」へ派生してしまったせいで僕の計画が丸つぶれじゃないか!?ふざけんじゃね!!」
「そんなの知るか!俺はお前らの計画なんか知ったこっちゃない」
「っ!?・・・いいさ!どうせ君たちは死ぬんだから!!」
そう言うと、扉の方から赤と青の二発もの魔法が襲いかかってきた!!
突然の奇襲だったため回避おろか、防御すらできない状態だった・・・しかも、俺たちはボス戦でHPはもとより、なによりも判断能力・精神力がほとんどなくなっていた!
「頭を伏せろ!」
「「キャ!?」」
「跳躍」スキルの恩えでなんとか足が動いてくれた。そのまま近くで動けないでいる優、マリアさん向かって二人を抱えるようにギリギリで地面に倒す。
次の瞬間には今まで俺たちがいた場所を通り抜け、さっきまでボスと戦っていた戦場の地面にぶち当たる。魔法が二発というのもあり、それはとても強力で高威力のものだった。
さらに、爆風による反動で二人の上になっていた俺にダメージが発生した。HPを見ると被ダメの量は微々たるものだったが、魔法着弾点はかなり離れていた・・・これを見ると直撃のダメージ量が恐ろしくなる。
「どういうことだ!?」
「ふふ、知らないのかい?これはプレイヤーキルって言うんだよ・・・つまり、君たちを僕らが殺るってことさ!」
そう言うと、隆は鉄の鎧を装備しているとはとても思えない速さで突撃してくる。それに続き、スキル「魔法使い」をもっている2人を残して、3人出てくる。
「チッ!優、マリアと下がれ!ポチ!行くぞ!!」
「GAOOOOOOOOOOOOOOOOOO」
「分かったわ!」
俺の声に反応して優とマリアさんは退き。俺とポチは二人だけ前線になった。さらにポチに目を向け、アイコンタクトで「あまり前に出るなと」強く視線を向けると、「コクリ」とうなづいた。
「これでオシマイだよ!みんな殺れ!!」
「ふざけんなよ!?一発ぶん殴ってやる!」
背中の「ロングソード」に手をかけ、抜刀する。襲いかかってくる敵を睨みつけ、強く柄を握る・・・
そして、誓う。絶対に守りきると!!
読んでくださってありがとうございます。まず、遅れてすいませんでした。昨日、PCがインターネットと接続できず、本文を制作できず遅くなってしまいました。本当にすいません・・・
そして、毎度ながら急展開ですいません!あ、ヤバイ!時間が!?ということなので色々と中途半端なのですがこの辺で・・・
次回!いよいよ、プレイヤー同士の戦闘です。




