10層
「ここと、ここと・・・そこと」
「索敵」スキルの「発見」を使用して目の前の階段にある罠を次々と発見していく。階段は今までで最長となる100段。その罠の数はかなり多かった・・・
大体、5段の間に一つのペースで発見されていく罠を恨めしく見つめ、発見しては進みそして見つけは止まる。それの繰り返しであった・・・
「それにしても長いわね・・・」
「まぁ、最後の階段ですもの長くてもしょうがないですわ」
「お前等、労いの言葉の一つもないのか・・・?」
あまりにも緊張感の欠片もない二人の会話に後ろを振り返りジト目で見る。こちとら針穴に糸を通すような集中力で罠外しにあたっているのに他人事のような会話はないだろう・・・
「ガヴッ!」
「おお、ポチは俺を褒めてくれるのか?」
「ガウガウ!!」
「お前らポチを見ろ!こんなにもポチが褒めているのにお前らときたら」
褒めてくれてそうなポチの吠えに少し感動しつつ、頭を撫でながら言い放つ!
「だってさ、こっちはかなり暇なんだよ?階段をひたすら登るだけ・・・さすがに飽きてきちゃった♥」
「♥じゃね~よっ!」
「まぁまぁ、落ち着いてください」
「ガ~ウッ」
「わかったよ・・・」
マリアとポチがあせあせと仲裁に入りなんとか収まるが・・・
だが、また数分後に同じことが起きるのだった。
「あと一段だ!」
「やっとここまで来たね・・・でも、流石にここまでする必要ないよね」
「同感ですわ・・・」
「全くだ」
この99段目にくるまで見つけた罠の総数は58個。この数はいくらなんでも多すぎる。本当にこのゲームの制作者たちは悪趣味だ。
そんなことを考えながらラストである100段目の階段を「発見」が発動中の目で見つめる。お、あったあった。階段全体が罠のスイッチになっていた。これは避けて上の広場になっているところを行かなければならない。
「この段に罠があるぞ。飛ばして広場に登るぞ」
「あいさ~」
「わかりました」
俺の指示に従い、10段目の階段を跨ぎ広場に到着する。そこは10mほどある正方形の空間になっていて奥には「閉ざされた沼地」あったボス部屋の大扉に酷似していた。とうとう、ボス部屋の前にやってきたのだ。
「ふ~、やっと着いたな・・・」
「いや~長かったよ・・・まさか、本当に1週間もかかっちゃうなんてさ」
「そうですわよ・・・これが終わったらふわふわのベットで寝たいですわ」
「どれも、この攻略が無事に終わったらだ。まず、ぶっ倒すぞ!」
「「OK」ですわ!」
「ガ~!!」
まだ、罠が仕掛けている可能性があるのでゆっくりと一歩ずつ進んでいくが、その足取りはさっきまでの階段のものとは変わっていた。それほどにこの塔で過ごした日々が過酷だったのだ。早く倒して出たかった。
そして、その時が来た!
「開けるぞ!」
腕に力を込め、思いっきり大扉を押す。押された扉は「ギィ~」っとゆったりと不気味な音を立てながら開いていく。その扉の隙間から真っ暗な空間が目に入ってくる。
俺の心臓は今にも張り裂けそうなほどに「ドクドク」と脈打ち、どれほど自分が緊張しているのかを味あわせてくる。いや、緊張だけではないのだ。
「恐怖」の一言が頭をよぎる・・・目を閉じ、心を落ち着かせ、目を開ける!
真っ暗な部屋は入口の方から左右の壁にある松明に火が灯り、次第に明るくなる。
「厄介な相手そうだな・・・情報と違うぞ!?」
そこには食虫モンスターである「ペネット」を巨大化させたようなモンスターだったが2本だったツルが目の前のモンスターには10本以上ものツルがあった。
そして、ボスの情報とは違っていた。どうやら、ガセ情報のようだ・・・これじゃ、弱点もわからないか・・・でも、ここで戻るわけには行かない!
「勝負だ!」
こうして俺たちの「初ボス攻略」が始まったのだ。
10月初投稿です。10月からは前話のあとがきでも書いた通り、2日に1回のペースでの更新となりますのでよろしくお願いします!
12年10月8日 ボスの情報が誤っていたことに気づく。訂正前はそこが書かれていませんでした。すいません。訂正しました。




