激闘の末
「うぉ、あぶねっ!」
俺はバックステップで食虫モンスター「ペネット」からの消化液の吐き出し攻撃を避けるが他の「ペネット」や「レッドラァート」の連続攻撃が数回当たる。俺のHPはみるみる減っていき危険ゾーンの黄色まで一気になくなる。
「(残りの「ペネット」は5体、「レッドラァート」は2体に対して俺のポーションはあと1個。薬草も使い切ってしまったし、次の攻撃を喰らえば確実に死ぬ・・・武器の耐久度も危ない。どうする?)」
思考を張り巡らせながら、もう一度バックステップで距離をあけ、ステータスウインドウを素早く開き耐久度がほとんど消耗してしまった「スラッシュ・ナイフ」から「ビギナーナイフ」に武器を変える。
「スラッシュ・ナイフ」より頼りない背中にあるナイフを少し不安に感じながらも敵に向かって斬りかかる。そのままの勢いで体当たりしてきた「レッドラァート」に向かって相手の攻撃も利用しながらナイフを上から斬る。「レッドラァート」はガラスのように砕け散るが気にしないで次に襲いかかってきた「レッドラァート」に連続で縦切りからの切り上げ、斜め切り・突きで二体目も倒す。だが、「パァッ」という音に見上げると次々と「ペネット」の消化液が降りかかってきた。それを前に全力で走りかわし、2m先にいた「ペネット」の花の部分になっている根元を「剣技」、「スラッシュ」を発動して一撃で倒す。
「(残りは4体。HPは・・・黄色か、一旦引いてポーションで回復だな)」
そう決めて俺は「ペネット」達に背中を向けないように連続でバックステップをし、距離を10m以上空ける。これはさっきから使っている戦法だ。今までは「レッドラァート」がいて距離を詰められてゆっくりできなかったが、今は「ペネット」だけだ。しかも、「ペネット」は消化液での中距離攻撃はできるがあとはツルでの叩きつけが攻撃パターンだし、移動速度も遅い。ポーションの栓を指で弾き飲み干す。この黄色い液体はレモンスカッシュのような味だ。まあまあうまい。
HPが全快するのを横目で確認して、走り出す。「ペネット」らはそれに気づき消化液を吐き出してくるがサイドステップ・バックステップ・ジャンプの繰り返しで攻撃をかわし、すぐ近くにいる「ペネット」一体に狙いをさざめて「スラッシュ」を使いHPが尽きるのを確認してから、まとまっている3体に向かって走り出す。「ペネット」はそのツルで叩きつけを次々と繰り出してくるが俺はあえてかわさずに、それぞれ3体のツルを左手で掴み引っ張る。接触によりダメージが発生するが、これしか短時間で3体を片付けける手段はない。今日の数々の戦闘と森に入ってからの緊張感で集中力は切れかけている。だからこの作戦を実行する。
「はぁぁぁぁああああああ!!!!!!」
俺は気合をため渾身「スラッシュ」で斬る!「パァァァァッッッ~ン」と今日聴いた中で一番大きい爆発音が響きわり砕けちった。
「・・・・・・あ」
次々にウインドウが開いた。その合図で足から力が抜け、膝が折れる。その場に倒んでしまうとそのまま意識が遠のいていった。
「・・・うっ」
閉じたまぶたからうっすらと光がもれる。ゆっくりと目を開けていくと、そこは朝日に照らされた森の中であった。
「どこだ?」
昨日は確か・・・あっ!そうだ、大群の「ペネット」と「レッドラァート」に遭遇してやっとの思いで倒
したがそのまま気絶してしまったんだ。
「でも、なんでここに?」
少し疑問に思い、まず場所を特定させるためにステータスウインドウから地図を開く。
そんなに時間がかかることなく現在地を発見する。どうやらここは昨日歩いていた森の北西側のようだ。昨日、最後に戦ったところは森のちょうど中心部だったから移動していることになる。はて、なぜだ?ついでに地図を消してスキルを見てみると・・・
「「剣技」がLV9、「索敵」がLV7、「跳躍」がLV8!?マジか。しかも、俺自身もLV5に上がってるし」
急激なLVアップに驚いていると、
「あの~大丈夫?」
と、俺と同い年くらいの女の子の声が木の陰から聞こえてくる。その声の方向に顔を向けると、その子は木の陰から出てくる。そこには初期装備と白いマントをまとった。黒髪ロングで目がキりっとした。可愛いというより綺麗と言うのがふさわしい美少女が立っていた。
「あ、え~っと・・・まぁ、大丈夫です」
突然の事態におどけながらそう答えると、その女の子は笑顔になった。
「はぁ~良かった・・・道に倒れてたから結構心配したんだから」
「そ、それはすまなかった。あの~君が俺を助けてくれたのか?」
心配してくれたらしい美少女剣士様に謝り、気になっていたことを聞く。
「うん、そうだよ。でもなんであんなところで倒れてたのしかも、熟睡してたし」
可愛らしく小首をかしげてくる。
「いやぁ~あの道を歩いていたら運悪く湧出に遭遇しちゃってさ。なんとか全部倒したんだけど長い戦闘の所為で集中力と気力が切れちゃってさ・・・多分そのまま寝ちゃったんだ」
「それは大変だったね・・・でも生きてて良かったよ。ここで死んだら意味ないしね」
「ああ、でも君のおかげで助かったよ。ありがとう」
そう、言うと俺は立ち上がる。長くここにも入れないし早くこの森を抜けて次の村に行かなければならない。最後に再び「ありがとう」と言おうと思い口を開けるが彼女の声により妨げられた。
「ちょっと待って!あの、えっと~」
と少しうつむきながら声を出すと、顔を赤くしながら俺の方を見る。そして、
「私と一緒に冒険して!」と一言。
そしてこの美少女こそ俺の「Free adventure」初の仲間との出会いであった。
ステータス
キャラネーム 和也 金 2100G
LV5 HP1246/1246 MP0/0 攻撃力18 防御12
装備 「ビギナーナイフ」「ウリボーの毛皮服」「初心者綿ズボン」
POW2、DEF0、SPD2、VIT0、LUK0、TEC0
スキル
剣士9、索敵7、跳躍8 (空き7)
各話主人公、ヒロインのステータスは載せます。
ご観覧ありがとうございました!




