閉ざされた沼地~優の好奇心~
「ファ~・・・寝み~今日休みにしようぜ」
「ファ~・・・そうしよ・・・ダメよ!」
大きなあくびをしながらノソノソと歩き軽く漫才的なことをやっている優と俺。街にはNPCしかいないのにそれなりの賑わいがある。ここにはまだ俺たち以外のプレイヤーは居ないはずだ。それもそのはずここに到着したのは三日前。
他のプレイヤーは始まりの街付近でだらだらとLV上げをしているだろう・・・いや、そう願いたい。はっきり言って今日はもう動きたくないのだ。昨日というか今日の朝方なのだがこちとら死線をくぐり抜けたのだ。LV的にも残りアイテム的にも絶望的だった状態でずっと前線にいや俺の精神負担は計り知れない・・・まぁ、とにかく後、5日は来て欲しくない。
しっかり睡眠をとり現在は夕方の4時半くらい。ここに着く前に各自道具屋、武器屋によっているため今日の冒険の準備は万端だった。が・・・
「行きたくない・・・」
俺は駄々をこねているのであった・・・
「何言っているのなんとしてもここに人が集まる前にもっとLV上げないと・・・次の街行けないわよ」
「いや~言ってることはわかるんだ・・・でも、次の村はどのくらい上げればいいの?いい加減疲れたし・・・」
「そうね。今、和也は15で私が13LV。20は行きたいわね・・・頑張りなさい!」
「に、20!?あ、頭が痛い・・・」
クラっときた・・・当たり前のことだがLVが上がるにつれてそれに比例して上がりにくくなる。9~15で昨日の死ぬ思いだ・・・さらに5上げろと、泣けてくるわ・・・
「四の五の言わないで行くわよ!!」
「あ~あ~。ゆ~う~か~い~さ~れ~る~」
首根っこを引っ張られ嫌な思いでしかないフィールドダンジョン「閉ざされた沼地」へ引っ張られていく。
「誰かぁぁぁあああ~~~~~~~助けてくれ~~~~~~」
俺のSOSは夕空へと消えるのだった。
あの地獄のようなボス戦闘のせいで「閉ざされた沼地」のモンスターはかなり可愛い物だと思えてきた。はっきり言ってノーダメージで今まで狩りをしていた中間部までは生ぬるいものだった。そんなわけで奥部へやってきたのだが・・・
「う~・・・キモい」
泣きながら四方八方に魔法をぶっぱなす優を見て俺は苦笑いしながら優の近くによって集ってくるゾンビ「ヒューマンゾンビ」を斬り伏せていく。
名前の通り、人のゾンビ・・・なかなかグロく、なぜか皮膚が所々溶けている。いや、腐敗していると言ったほうがいいのか。さらには変な匂いまでしてくる。吐き気がする。周りは木はもうほとんどなく、ほとんどが沼地・・・もう腰まで使っている。本当に嫌な場所だ。
腰まで使っていることもあり腕だけの力で攻撃するためどうしても俺の攻撃は軽いものになってしまう。でも、6擊喰らわせれば倒れるので問題ないが・・・そうこうしているうちに優は周りの「ヒューマンゾンビ」を全滅させていた。目は涙で潤み、鋭く辺りを睨みつけていたが・・・
「優。大丈夫か?」
「あんた。この状態で私が大丈夫だと思う?」
「すいません」
あまりの威圧に思わず誤ってしまった・・・恐ろしい女だ。
「何考えてた?ぶっ殺すわよ!!」
「ご、ごめんなさい・・・つか漢字!!それ違うって!!!」
こんな感じで俺たちはさらに奥へ足を運んでいく・・・さっきから優からの殺気が半端ない。帰りたい、いや帰らしてくださいお願いします!!
それから優の殺気に当てられ数十分・・・胃が痛いです。
「優。いい加減俺に当たるな」
理不尽に当てられ続ける殺気から解放されるべく思い切って、さらに勇気を持って言ってみる。
「和也が悪いのよ。こんな場所に行こうっていうから」
「いや、言ってねえよ!!」
「ふっ、嘘よ。ごめん。ちょっとイライラしてたから・・・」
かすかに微笑みさらに奥へ入っていく・・・いい加減帰りたいです!!
「お~い。どこまで行くんだ?俺はもうヘトヘトだ」
「それは同感だけど。このまま少し進めば面白いことがありそう」
ほんのり笑を浮かべながら本当に楽しそうに言い出した。フラグ建築お疲れ様です!!
「お前。昨日みたいな自体が起こるんじゃないのか?あれはいい加減やめてほしい。次こそ死ぬ自信がある」
「あれは不慮の事故だって。何回もあんなこと起きたら感動ものだわ」
「・・・じゃあ帰ろうぜ?」
「もう少し進んだらね!」
「はぁ~」
何回目だろう俺の声が空へと消えていくのは・・・
「ハァアアアア!!!」
何回目かもわからない戦闘に半ば飽きつつだが、集中力だけは切らさずに連撃をゾンビ達へ浴びさせていく。沼の高さは段々低くなっていて今は膝丈だ。
腰まで泥でべっとりだがな・・・膝まで低くなってくれたため動きやすくなり今はもう存分に動き回れているが疲労が半端ない。優のほうもだいぶ疲れている様子で今はもう適当に全体魔法を使って敵を蹴散らしていく。
あいつがもうちょっとなんて発言してから30分未だ優は面白そうなことを待ち望んでいるせいで俺たちに退却という言葉はなくなってしまった。恐ろしい好奇心・・・
「ねぇ?」
「なんだ?」
短く返しながら優の魔法で照らされた道なき道を進んでいる。俺の方はずっと「索敵」スキルを使い強襲を警戒しているため少しイラついた声で答えた。
「戻らない?」
「今頃かよ!!!!!!!!!!!!!」
盛大に俺のツッコミが闇夜に響き渡るのだった。
昨日に引き続き投稿です。今、落ちている時期にストックを増やしたいです。ステータスはまだ載せません。一回一回載せるのも結構大変で・・・そういう事なのでちょうどいいところで載せたいと思います。すいません。読んでくださってありがとうございます!!




