閉ざされた沼地~ボス戦2~
二つの刃が打ち合い、その周りには火の粉が表れる。1秒に数回のペースでお互いを切り刻もうと攻撃し合う。両者の攻撃はどちらとも有効打とはならない。
だが、時が経つほどに俺の剣はだんだんと押されはじめる。無理もない戦っているのは人ではない、モンスターなのだから。力の度合いが明らかに違う。
後、1分もすれば奴の攻撃は俺の体に届くだろう・・・そうなってしまえば終りだ。俺の防御力、体力は圧倒的に低い。代わりに攻撃力、素早さを上げているが、相手の攻撃力・防御力が高ければなんの意味もない。
得策なのは逃げることだ・・・死んでしまうことが確定しているのにそれでも戦い続けるのはあまり賢いことではない。しかし、この絶望的局面を打ち崩せる可能性があるならそれに賭ける。だから、俺は戦い続ける・・・
もう、何分経っただろうか?研ぎ澄まされた感覚では10分以上もこうし合っているかのように思えてくる。お互いの攻撃は互の剣に阻まれ届かない。力量は同じくらい・・・あとは精神力の問題だ。でも相手はゲームのボス・・・つまり、精神なんて関係ない。プログラムされたように戦う。そんな相手だ。はて、耐え続けられるか?
「くぅ・・・ちっ、おりゃァァァああああ!!!!!」
気合を入れ「ゴースブラックナイト」の重い一撃を跳ね返す。攻撃を受けただけでもダメージが発生し、背筋からは冷や汗がだらだらと流れていく。
力を足にいれ一歩前へ踏み出す。その勢いで俺も縦切りをお見舞いする。だが、「ゴースブラックナイト」の鎧にそれを阻まれる。俺の攻撃はクリーンヒットしても相手のHPを数ミリしか削ることができない。それほど防御力が高いのだ。
だが、「ゴースブラックナイト」の攻撃は一撃で俺のHPを半分まで減らす。理不尽といっても過言ではないほどの圧倒的な差・・・いい加減きつくなってくる。鎧にあたり少し硬直している俺に好機を逃すまいと大剣が頭の上から落ちてくる。
「跳躍」のスキルで無理やり回避し、体勢を立て直す。だが、それに追い討ちをかけるかのように横から水平切りが迫ってくるそれを剣で上へ受け流す。それでも「ゴースブラックナイト」の攻撃の嵐は止まず容赦なく迫ってくる。上から、斜め下から、横から、斜め上から、下からと流れるように。そして、その重い斬撃で徐々に追い詰められていく・・・
「クッソ!フゥっ」
間を開けるために大きくバックステップ・・・姿勢を低くして「ワインド」!!強烈な突進横切りは「ゴースブラックナイト」の大剣に邪魔されるが力をさらに加え弾き返す。
「ガッギィ~ン」と大剣が大きく上がり、その好きにもう一本入れてやろうと硬直状態に入る前の「ワインド」の最終モーションから少し動かし、「スラッシュ」の構えをする。「スラッシュ」が発動し「ゴースブラックナイト」の胴体に一本入れる。重心が浮いていた奴の体はその衝撃を支えることが出来ずに仰向けに倒れる。
「よし、出来た!」
「ワインド」の最終モーションは「スラッシュ」の機動モーションに似ている。だから連続で「剣技」を発動することができる。名付けて「2段剣技」。
「このまま、畳み掛ける!!」
このまま連続攻撃で仕留めようと考えた俺は走り出す!だが、それを止めるように・・・
「和也!!準備OK!一旦退避」
いつの間にか装備した杖を「ゴースブラックナイト」に向ている。どうやら時間稼ぎは成功だったらしい。いよいよ作戦決行だ!




