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異世界は赤い星と共に  作者: 凜乃 初
デイゴ王国氷海龍編
56/151

55話

 俺とフィーナは買い物を済ませ宿に来ていた。


「1日2部屋お願いします。1つはシングル。もう1つはツインで」

「あいよ、ご飯はどうする?」

「夕食と朝食を」

「シングルが5000チップでツインは9000だよ。食事込みね。時間は夕食が6時以降9時までで、朝は6時以降10時までだよ」

「分かりました」


 鍵を受け取り、俺たちはとりあえずツインの部屋に向かう。

 今日買った荷物を運び入れてしまうためだ。そこで夜にフィーナが保存の魔法を掛けて明日馬車に持っていき、そのまま出発するってことらしい。


「どっこらせ」

「なんですかそれ……」


 俺が荷物を床に置くときに漏れた言葉にフィーナが半目になって尋ねてくる。

 思わずジジくさい言葉が出たな。


「とにかく次は通行手形貰いに行きましょう。あれは代理人が貰うことは出来ませんから」

「そうなのか、了解」


 部屋に鍵をかけて宿を出る。向かう先は町に入ってきたときとは逆方向。つまりデイゴ側の門だ。その横に通行手形を発行している事務所いわゆる入国管理局ってのがあるらしい。

 フィーナに付いてそこに向かった。


 入国管理局は割と大きな建物だ。レンガ造りになっており、俺の感覚からいわせれば時代を感じるって奴だろうな。まあ、この世界からしてみりゃ意外と新しいもんかもしれないけど。

 扉を明け中に入ると活気が肌に叩きつけられる。

 男たちの話声はどれも迫力満点で、これが商人同士の交渉なのかと思わせた。

 そんな中を2人で進み、受付に並ぶ。

 通行手形の発行受付はさほど混んでいないためすぐに順番が回ってきた。


「こんにちは、こちらは手形の発行受付になります。お間違えはありませんか?」

「はい。私と後ろの男性です」

「承りました。では書類を製作しますので、こちらの用紙の空欄を全て埋めるようお願いします。また身分が証明できるもの、商業、工業、冒険者などのギルドカード。もしくは国の発行する身分証のご提示をお願いします」


 その指示に従って俺とフィーナは冒険者ギルドのカードを渡す。

 ついでに少し気になることを聞いてみた。ちなみにフィーナは俺の分の用紙も一緒に書いてくれている。


「国の証明書とギルドカードって証明書としての価値って一緒?」


 俺は王都の出発前にミルファから王族印の身分証明書を貰っている。それがどれぐらい使えるのものなのか知っておきたいのだ。


「いえ、完全に別物です。ギルドカードはよほどのことが無い限り簡単に作れてしまいますし、上手くやれば偽名での発行も可能です。しかし国の証明書は、国の諜報部による審査付きですので、比べ物にならないほど身分の保証率が高くなります。たとえばギルドカードを提示しても土地を買うことは出来ませんが、国の保証書ならそれが他国であっても可能になります」


 そんなに違うもんなのか。


「あんがと」

「いえ」

「あの、書けました。2人分です」


 俺達が話している間にフィーナが書き終わっていたようだ。俺は自分の用紙の内容を一通り確認して間違っていないことを確かめ受付に渡す。


「はい、では審査に掛けさせていただきますので10分ほどお待ちください。完了次第お呼びさせていただきます」

「分かりました」

「よろしく」


 お辞儀する受付嬢を背中に、俺たちはカウンターを離れた。


「審査って要は何を調べるんだ?」

「基本的には何も調べませんよ。ただ用紙に記入した内容を確認して問題が無いか調べるだけです。うっかり指名手配犯を他国に逃がしては大変なことになりますから」

「ふーん。ならすぐにでもできそうだな」

「そうですね。お茶でも飲みながら待ちましょうか」

「それも良いけどリリウムとそろそろ合流しないとな」

「そう言えばそうですね。リリウムさんは振込に行ってるんですよね?」

「そうだけど、もう終わってるだろ。別れたの大分前だし」


 午前中に分かれて今はすでに3時。振込なら長くても30分あればなんとでもなるはずだけど、いまだにリリウムの気配はない。たぶん探しながらすれ違ってるんだと思うけどどうしたもんかね? 一応宿の場所はあらかじめ決めてあったからはぐれるってことは無いと思うけど、リリウム1人だとなんか事件に巻き込まれた場合動けないからな。


「ならこの後はリリウムさん探しですね。私もトーカが教えてくれた魔力探査の魔法を練習してみたいですし」

「そうだな。1等星が使う魔力探査の威力調べときたいし、探査はフィーナに任せるわ。俺は屋根の上から適当に探すから」


 フィーナの力で広範囲を探して、近場の細かい辺りは俺が探す。魔力探査は街中だと精密な位置の特定は難しいってかほぼ不可能に近いからな。


「わかりました。任せといてください。」


 数分後、無事俺達の通行手形は発行された。1つ1万チップとかなりお高いが、魔力回路が仕込まれた手形だから当然と言えば当然か。入国税も含まれてるみたいだし。

 まあ、リリウムが作ってもらう通行手形よりははるかに安いけどな。


「それじゃ行きましょうか」

「おう、まずどの辺から探すか?」

「この辺りから探しましょう。リリウムさんも、私たちが通行手形を買うことは分かってるんですから、この近くに来ているかも知れません」

「了解」


 フィーナを連れて入国管理局を出た。

 店の外に出ると、フィーナはさっそく魔法を唱えようとする。しかし俺は慌ててそれを止めた。


「ちょっ!? フィーナ、ストップ!」

「ふぇ?」


 驚いて詠唱を止めるフィーナ。しかしなぜ止められたのか分からないと言った表情で俺を見る。俺はフィーナを急いで店の角まで引っ張ってくると、そこで止めた理由を説明した。


「フィーナ。あの魔法は迂闊に人前でやっちゃまずいって。あれは俺のオリジナルみたいなもんだ。知ってるのはまだ俺とリリウムとフィーナの3人しかいないんだから、使う時は慎重にな」

「そうなんですか!? 確かに初めて聞く魔法でしたけど、トーカのオリジナルだったんですか!?」

「まあな!」


 まあ、俺もドラゴンや魔物が持ってる魔法をヒントに考えた魔法だけど、誰も使ってないなら俺のオリジナルだろ。

 と、言うことでフィーナに魔法を使ってもらう場所は路地裏に入って人気が少なくなってからにする。

 入国管理局の横にある横道から路地裏に入り、何度か適当に角を曲がって細めの路地で足を止める。

 周りにはほとんど人気は無く、ここなら魔法を使っても大丈夫だろう。それに魔力探査は人の持ってる魔力に反応するため、人が多いと地図がぐちゃぐちゃに魔力の光で埋まってしまうことがあるのだ。だから慣らすために少ない人数の場所からやる必要がある。

 練習して精度を上げれば、大量に人がいる中でも、しっかりと個人を特定できる程度にははっきり地図に映るだろうけど、それは俺にもまだできてないから、フィーナにも難しいだろ。


「よし、じゃあやってみてくれ」

「はい! 星に願いを。灯れ魔力の明かり、サーチ!」


 フィーナの体が淡く発光し、魔法が発動する。今フィーナの頭にはこの周辺の地図とそこに灯る魔力が映ってんだろうな。

 俺はフィーナを見ながら先ほどの詠唱を考える。

 フィーナの詠唱を聞くことは何度もあるが、やっぱり珍しいタイプだと思う。それは詠唱が一度区切られるからだ。

 フィーナ以外の連中はみんな詠唱を一気に読み上げていた。

 そうしなければ速度が遅くなるからだ。生死を争う現場で魔法発動の速度は重要だ。詠唱中に敵に攻撃されて倒されたでは洒落にならない。

 だから冒険者のほとんどは、詠唱を一気に読み上げ魔法を発動させる。

 と、言うよりそれが自然とばかりにみんなそうしている。

 しかしフィーナの詠唱は違う。「星に願いを。」で一端詠唱を区切っているのだ。

 フィーナとリリウムが言うには、この詠唱方法は魔法の威力を高めることができるらしい。おそらく願う時間が長い分魔法の威力が上がるのだろうと言うことだが、実際の所はよく分かっていない。

 しかし重要なのは実際に威力が上がっていることだ。

 威力が上がると言うことは、相対的に魔法が強くなる。もし同じタイミングで同じ魔法が発動したのなら確実にフィーナの魔法の方が威力が強くなると言うことだ。

 それは対人間戦において重要な事だろう。

 動物や魔物に対して魔法を放つ場合は、相手の攻撃よりも先に魔法を放つことが優先される。

 しかし対人間に限りそれは違ってくる。相手も魔法を唱えるため、時間があるのだ。

 その時間は詠唱とその魔法が自分に届くまでのわずかな時間だが、そのわずかな時間がフィーナの詠唱を完成させる時間ならば、フィーナは後から魔法を発動しても確実に勝てる魔法を放つことができる。

 つまりフィーナの魔法は対人間に特化してると言っても良い。

 俺も今度詠唱を区切る方法でやってみようかとも考えたが、そもそも威力が強すぎて詠唱を使い分けてる俺にそれは必要ないなと判断して、使うのは止めておいた。

 てか、そんなことしたら周りが焼野原になりかねないからな!

 しばらくするとフィーナの発光が止まった。


「どうだ?」

「見つけました」

「マジ!?」


 フィーナの答えに俺は驚きの声を上げる。見つけたってリリウムのことだよな。使い慣れない魔法でピンポイントで個人を見つけれるとか精度良すぎない!? 昔から魔法使ってるから、慣れるのも早いのか? まだ練習始めて一週間も経ってないんだぞ?


「はい。意外と近くまで来てますね、行きましょう!」

「お……おう」


 驚く俺を置いて、フィーナは歩き出してしまう。俺はフィーナの背中を追って歩き出した。



「リリウムさん!」

「フィーナか、やっと見つかった」


 リリウムはやや疲れた表情をしながら俺達に寄ってきた。本当に入国管理局の近くまで来ていたらしい。


「どうしたんだ? なんか疲れてるけど」

「どうも私の顔が出回ってるらしくてな。多少睨みを利かされた。人探し自体は兄のおかげで撤回されているらしいが、何か問題を起こした奴なんじゃないかと疑われているらしいな」

「大丈夫だったのか?」

「基本的には問題ない。ただ質問などが少し面倒だっただけだ」

「なら今日はもう宿に戻るか」

「そうしましょう」

「そうだな」


 合流したリリウムを連れて、俺たちは宿に戻った。




「デイゴってさ、2人的にはどういう国?」


 宿で夕食を取りながら、俺は2人に質問をする。

 デイゴの国の情報はいくつか持っているが、どれも魚が美味いとか、海が多いとかそういう情報ばかりではっきりしたものが見えてこない。

 そこで2人の目からはどのように映るのか聞いてみることにした。


「私的には慣れ親しんだ国ですね。商人時代は1番商品を仕入れている場所ですから、何度も行きましたし、何日も過ごしてますから」


 フィーナは商人時代に、保存の魔法を利用して魚の鮮度を保ったまま他国に輸出するということをしていた。だからデイゴはその出発地点になることが多く、行くことが多かったのことだ。

 そのフィーナから見るデイゴは――


「いい国ですよね。人の雰囲気はユズリハに似ている気がします。交流が盛んだからですかね。商売している人はみんな元気で気前がよくって、よくおまけとかもしてくれました。あと港町が比較的多いので、漁師さんも多いですね。家族で昔からずっと漁師をやってるなんて人も結構います」

「そういやぁギルドマスターが魚が美味いって言ってたな」

「何せその日に取れた新鮮なものが上がりますからね。お刺身はどれも新鮮でおいしいです。普通の宿でも日常的にお刺身が食べられてますよ」


 刺身か。こっちに来てから1度も食べてなかったから生じゃあんま食べないもんだと思ってたけど、ただ鮮度の問題だったのかね。

 なら気になるのは1つだよな。


「刺身って味はどうしてるんだ?」


 確かに新鮮な魚はちょっと塩を付けて食べるだけでも十分美味い。しかしやっぱり日本人としては醤油が欲しいところ。


「基本的には塩コショウにラスティーユを混ぜたものを掛けて食べますね。デイゴだとラスティーユが植物では一番多く作られてますから。本当に魚を中心にした生活と言っていいでしょう。玉ねぎと一緒に食べると美味しいんですよ」


 フィーナは味を思い出しているのかどこかうっとりしている。それにしてもラスティーユ? しかし塩コショウに合わせるもので玉ねぎと一緒に食べると美味いものって考えるとラスティーユってのはオリーブオイルみたいなもんか?


「ラスティーユって?」

「トーカの世界にはラスティーユはありませんでしたか?」

「その条件で使いそうなのはオリーブオイルってやつだな」


 要はカルパッチョだ。


「そうでしたか。ラスティーユはラスティーユと言う植物の実から絞った油の事ですよ」


 なるほど。やっぱりオリーブオイルと同じもんか。


「なら同じものっぽいな」


 しかしカルパッチョがメインか。少し醤油を期待したけどやっぱ難しかったかな。極星の勇者が醤油を広めてくれてればよかったけど、普通に生活してても醤油の作り方なんて学ばないだろうし、無理だったのか。


「リリウムはどんな風に感じてんだ?」


 夕飯の骨付き肉にかぶりついているリリウムにも聞く。

 リリウムは口元を拭いてから俺に答えてきた。


「私はあまり行かない国だからな。フィーナほど詳しくは知らないが、国民性と言えばあそこはやはり気前がいいが1番だろうな。やはり漁師が身近にいると勢いがよくなるのだろう。(せり)なんかにも一般人が参加していると聞いたことがある」


 その言葉にフィーナが賛同した。


「そうですね、デイゴの競はデイゴの国民なら誰でも参加することができますから、割と一般の人も夜の食材を手に入れるために競に出て来たりしてますよ」

「だからだろうな。デイゴの国民は皆声がよく通るんだ。遠くからでも呼ばれると一発でわかる。そのためデイゴで冒険者になったものはチームでの連携に重宝されているぞ」


 合図とかか。確かに森の中で声が聞こえればそれは重宝するだろう。多少魔物や動物を集める可能性もあるけど、敵の気を引くことや、緊急の連絡の時は便利だ。何せいつも狼煙を上げれる状況とは限らないからな。

 敵にキャンプを奇襲されたりして狼煙を上げられないなんて状態は沢山あるだろうし。


「後はユズリハより魔物が少ない気がするな。森が少ないせいか魔物の生息域も海に集中しているのだろう。海の中で戦うことなど無いからな、ギルドでの主な仕事が薬草採取や漁師の手伝いなどになっている。まあ魔物の退治も出るには出ているが、どれも3等星以下の小物ばかりだ。私やトーカには物足りないだろうな」

「そっか」


 というよりあんまり受けない方が良い依頼だよな。

 等星の低い魔物は、初心者の練習の為になるべくとっておきたいし。俺らが全力で狩りに行ったら一瞬で討伐系の依頼が無くなりそうだしな。

 そう考えるとデイゴでの金稼ぎに悩むな。

 漁師の手伝いとか薬草の採取とかじゃ今までみたいに1回の依頼でしばらく暮らせるだけの料金が出るとは思えない。

 まあ、ユズリハから礼金貰ってるからこの国じゃ働かなくてもいいぐらいには金があるけど、人生働かなきゃだめだしな。

 動いてないと体がムズムズしそうだし。

 なんか考えるか。

 そこでリリウムがしかしと言葉をつづけた。


「1か月後に首都トリトルで闘技大会がある。それに出れば面白いかもしれないな」

「闘技大会? そんなのがあんのか!?」


 闘技大会。なんて夢の広がる言葉なんだろうね。己の力を磨き競うための場。

 強い連中が集まってんだろうな!


「冒険者や国の騎士なんかも多く参加している。他の国から招待された騎士なども出て来ると言う話だ。私は今まで行く機会が無かったが、このペースで進むのなら十分闘技大会までは余裕があるぞ。今年は出れそうだな」


 どうやらリリウムも楽しみらしい。

 しかしそれはフィーナの腕試しにもちょうどいいかもしれんな。強者との戦いは訓練なんかよりよっぽど経験を積むことができるしな。闘技大会なら死ぬことは無いだろうし、安全に強者で勉強できるならそれに越したことは無い。


「フィーナも出てみるか」

「それはいいかもしれないな。チーム戦もあるようだし個人、チーム両方出てみるのも面白い」

「ふぇ!? 私も出るんですか!?」

「いい機会だしな」


 俺もリリウムもノリノリだ。もうこうなったら逃げ道はないぜ?


「うぅぅ……分かりました。私も出ますよ」

「ならデイゴでの最初の目標は1か月後にある闘技大会だな」

「優勝目指して頑張ろうぜ!」

「トーカなら1人でいいと思うんですけどね……」


 フィーナがため息を付きながらスープを啜った。




 翌朝、リリウムは1人娼館へ向かい、俺達は出発の準備をしていた。


「トーカ。そっちの紐を取ってください」

「これ?」


 俺のそばにあった紐をフィーナに差し出す。フィーナはそれを受け取り馬に取り付けていく。

 轡ってこんな風に取りつけんのな。

 王都から出るときはほとんどフィーナが付け終わってて、後は金具を留めるだけだったけど、1から紐を通してくのは結構大変なんだな。

 そんな感想を持ちながら、フィーナの指示に従って紐を順番に渡す。

 しばらくすれば、よく見る轡の形が出来上がっていた。


「これで完成です」


 カチャンと留め金がハマる音がしてフィーナがふぅと息を吐く。


「お疲れさん」


 俺は馬車の中に入ってきたフィーナに水とタオルを渡す。

 フィーナはそれを受け取って俺の近くに座った。


「後はリリウムさんが戻ってきたら出発ですね」

「本当に朝早くから行くんだな」

「あまり目立ちたくはないですし、これ以上遅くなると商隊の出発と重なって混雑しますからね。それもまあ魔物とかのことを考えればその方が良いんでしょうけど、こっちはリリウムさんが密入国なのでなるべく他人との関わりは避けるべきですし」

「それもそうだな」


 俺たちは朝食を取った後、朝日が昇る少し前には宿を出発しここに来ていた。今は日が昇って、人も活動を始めている。

 最初はおぼろげだった馬小屋周りにも、今では出発の準備をする馬車であふれかえっている。

 そのどれもが大きな馬車で、馬も2頭や4頭と数が多い。

 大きな馬車で一度に大量の荷物を運ぶためだろう。

 その傍らに1頭でも引ける比較的小さめの馬車があることから、商人はそっちに乗るんだろうけど。

 と、町の方からリリウムが駆けてくるのが馬車の隙間から見えた。


「リリウムも来たみたいだぜ」

「では出発ですね」

「おう!」

「すまない。待たせたかな?」

「うんや、今準備が終わったところだ。いつでも出れるぜ」

「リリウムさんも中に入ってください」

「分かった」


 リリウムが馬車に乗り込むのを確認してフィーナが馬車を発進させた。


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