136話
最大の障害であるドラグルが倒されたことによって、戦闘は一気に収束に向かった。
元々ほとんどのギンバイ兵が倒され残っていなかった状態で内側の不安が取り除かれ、その上後方からはルリーたちの増援。戦いが終わるのは目に見えていた。
俺は議員たちに軽く挨拶を済ませ、フィーナ、フラン、リリウムの三人と共に客室まで戻ってきていた。今回は普通に階段を使ってだ。
その際二階の迷路を案内されながら進んだが、それでも通り抜けるだけで二十分以上もかかった。天使が間に合わないといった理由がよく分かる。走っても十分は必要だっただろうしな。
客室に戻ってきた俺たちは、そこに新たな少女を加えてお茶を飲んでいる。
「ではまずこちらから紹介しよう。私の二人目の弟子と言うことになるのかな? シスだ」
リリウムの声に合わせて、少女シスが立ち上がる。
見た目は少女だ。健康的な小麦色の肌は日焼けだろう。ショートカットの髪は茶色で、肌の色によくあっている。
服は冒険者の着るようなシャツとズボン。その上から脛や胸、肩、手頸など最低限の場所にプレートの鎧が装備されている。
まあ、サイディッシュでぶった切ったせいで、胸当ての部分は大きく切れてるけどな。服が破れて無くてよかった。
「初めまして。シスと言います。十歳です。ギンバイ帝国とユズリハ王国の国境近くの村で生まれました。生まれの村は帝国に滅ぼされたので、故郷はありません。ユズリハの町で保護されて孤児院に住んでいたところを師匠様に拉致されました」
サラッとスゲー重い過去を暴露された気がする。
俺もフィーナもなんと反応を返せばよいのか分からない状況だ。苦笑で場を濁すことも出来ないってどれだけ苦境だよ!
そんな中リリウムだけが普通にシスと話す。
「拉致とは失礼な。私はちゃんとシスの意見を尊重したぞ」
「私と一緒に付いて来い。そうすれば強くなれるぞ。強くならねばまた奪われるかもしれないがそれでもいいのか?」
「うむ、しっかり尊重しているな」
きっと今シスが言ったセリフが、リリウムがシスを誘う時に言ったセリフなんだろうな。思いっきり選択肢なんて無いだろ……リリウムってこんな天然だったか? 天然だった気がする。
それにしても、まだ十歳の子供に、奪われるどうこうを言って強くさせようとするってかなり迫った事したな。
俺の視線に気づいたのか、リリウムがその時の状況を補足してきた。
「確かにかなりキツい言い回しになったかもしれないが、必要な状況だったのだ。シスの保護されていた孤児院もギンバイの連中に狙われていたからな」
「何でだ?」
「シスが生きていることがどこからかバレていたのだろうな。国境付近とは言え、極秘に村一つを潰したのだ。それがバレれば戦争になるのは必至。当初は分からなかったが、今考えれば、極星の勇者の蘇生準備が整っていない状況で、そうなる可能性をゼロにしたかったのだろう」
どうやら、シスの村を襲撃したことも、勇者の蘇生に何か一枚噛んでいたようだ。
そして、それをどういう経緯か知ったリリウムがシスを助けるために連れ出したってことか?
「一時孤児院を守るだけなら私だけでも大丈夫だっただろうがな。襲撃が一度限りとは限らない。だからシス自身を強く鍛え、襲撃に備えさせる必要があったのだ」
「師匠様酷いんですよ。少し強くしたら私を放って旅立とうとしちゃったんですから!」
シスがプリプリと頬を膨らませて怒りを露わにする。
「最初は少し鍛えてすぐに放すつもりだったのだがな。ことのほか帝国への復讐心が強く、戦いも好きだったせいで、私に付いて来てしまったのだ」
「じゃあ、リリウムさんが自分から連れて歩いている訳では無いんですか?」
「ああ、シスが勝手に付いて来ている」
「師匠様が勝手にしろと言ってくれたのですよ」
そう言いながらシスは嬉しそうにリリウムの腕に抱き着いた。
これはあれだ。ライクとかラブの世界だろ。以前にもリリウムは女性からラブコール送られてたし、女性にモテるのかもな。
「了解。だいたい事情は分かった。次はこっちだな」
「フランちゃん、ここ乗ってください」
フィーナがフランを自分の膝の上に乗せた。
「さあフランちゃん、自己紹介してみましょう」
「フランです。ろくさいです」
「良くできました」
フィーナがフランの頭を撫で、フランは嬉しそうに目を閉じる。
そして俺が必要な部分の補足説明だな。
「フランはデイゴからカランに行く途中に盗賊に捕まってるのを見つけたんだ。その後カランの親元に連れて行こうとしたんだけど、その村もシスの村みたいに潰されててな。俺とフィーナが引き取ることにしたんだ。今は立派な家族の一員だ」
「大切な娘ですね」
「そんなことがあったのか。ギンバイの連中め、かなり手広くやってたらしいな」
全員の自己紹介を済ませ、その後は職員にもらった夕食を食べ、寝るまで話し続けた。主に別れてから何をしていたかだが、リリウムも意外と色々やっていたらしい。
まず実家に帰るまでにシスを拾い、帝国兵をぶちのめす。実家に帰れば、Aランクに昇格したお祝いだと大々的にパーティーが開かれ、なぜか王家の人間も来て俺のことを色々と聞かれたのだとか。どうも、闘技大会で色々あったために王家も情報を欲していたようだ。シグルドが闘技大会に出ていただけに、断片的ではあるがかなり情報が入っていたらしい。そこで、王家の方と多少なりとも縁を結べ、兄もホクホク顔だったのだとか。まあ、実家の権利を強引に奪い返すような兄だからな。王家とのつながりは嬉しくてしょうがないんだろう。
その後はシスの訓練をしながら、俺達の足取りを何となくギルドから手に入れカランに来たそうだ。
その間にも、普通に盗賊は現れるし、二等星級の魔物とも普通に戦うことになったのだとか。案外リリウムも主人公属性的な不幸体質なのかもしれないな。まあ、一等星級や邪神級が出て来ないだけマシだけど。
ちなみにシスの実力だが、門の前で戦っていた時にも分かるように、かなり強い。星の加護こそ五等星でほとんど使えないが、こと剣術に関しては、リリウムより上なのだとか。
リリウムも魔法を併用しなければ、シスの訓練は出来ないレベルになっているらしい。そりゃ、ギンバイ兵を圧倒できるはずだわ。
「トーカさん! 私にトーカさんの戦闘を教えてください! そうすれば私は強くなれる気がするのです!」
「それは気のせいだ。俺と戦っても強くはなれねぇだろ」
シスがリリウムより剣術に於いて秀でていると言うのなら、俺に出る幕は無い。
そもそも俺の戦い方なんて、威力のふざけた魔法をぶっ放すか、威力のふざけた力技でぶち抜くかのどっちかなのだ。技なんてあってないような物だし、そもそも十歳の少女であるシスが使える技など最初から持ち合わせていない。
その事を伝えれば、シスはあからさまに肩を落とす。
「やはりそうでしたか……師匠様からもお前には無理だと言われてはいたのですよ。トーカさんは根本的に頭も体もおかしいからマネできるようなら始めから村を滅ぼされていないって言われてたのですよ。確かに今日の戦闘を見て、実際に戦ってみて感じてはいたのですが、正面から言われると地味に来るのですよ」
「悪いな。リリウムは後でお仕置きな」
体がおかしいは理解できるが、頭もおかしいは無いだろ。俺だって色々考えて動いてたりするんだ、そんな失敬な事を言われる筋合いはない。
「わ、私はそこまで酷い事は言っていないぞ!」
「酔ってた時に言ってたのですよ。言葉のまま言うなら、あんなふざけたやつは他に見たことが無い。きっと山奥で獣を従えながら生きてきたのだろう。とか、そもそもあいつは死ぬのか? 実は全身鉄で出来ているんじゃないだろうか。とか他にも――」
「それ以上は言うな! トーカ、酔った拍子に口が滑っただけだ。本心から言った物ではないぞ!」
「そうかそうか」
酔うと人って本音しか言わなくなるんだよな。
酔っぱらったサラリーマンの会話なんか聞いてると、スゲー感情篭って上司の悪口とか言ってるもんな。
傍から聞いててもヒヤヒヤするぐらい感情篭ってるんだから、そりゃ心底恨んでるんだろうな。
「後でお仕置きな」
「トーカァァアアア!」
リリウムの悲鳴を聞きながら、夜は更けて行った。
翌朝。俺とリリウムとシス、ルリーやミラノなど、今回の事件の顛末をある程度把握しているメンバーは王宮にある会議室に集められていた。議会の会議室は修理のため閉鎖されている。
俺達のほかにも議長や王族まで来ている。王族が簡単に冒険者の前に姿を出してもいいのかね? 昨日冒険者に議会を襲われたばかりなんだけど。
そんな俺の考えは、俺の頭の中でぐるぐると回っているだけで、会議は進行していく。
「議会内の状況と騎士の被害は把握した。今後は、騎士の身元確認と身辺調査を徹底し、問題が無いと判断された騎士から順次警備に戻ってもらう。その際に再編も行う必要があるな」
「はい、今回優秀なもの達にかなりの被害が出ています。同じような能力を持つ者を選別するのも多少時間がかかるかと」
「それは仕方がない事だ。人手不足だが、頑張ってもらうしかない」
「了解しました」
議長とミラノの話が終わり、話は復活した極星の勇者の話になる。
「ルリーたちからの報告では、蘇生はされてしまったが、自我はあるとのことだが」
「自我があるって言っても、体を自由に使える訳じゃないみたいだ。一時的に体を奪い返すことも出来るけど、ずっと奪い返すのはまだ時間がかかるって言ってたぜ」
「その間、極星の勇者はギンバイの戦力となる事か」
「そうなるな。まあ、勇者自身は俺が抑えることになってるから、他のギンバイ兵が攻めてきたときに対応してもらうのが一番だろ」
「一人で大丈夫なのか? 少しでも有利にするために他のA+に援護を頼むことは」
議長の意見は普通に考えれば当然だろう。
極星の勇者が一人なのは分かっているのだから、普通に考えれば数で押すのがベストだろう。しかしそれは相手が精々Aランクレベルの相手だった場合までだ。
「A+に常識は通じない。特に相手はそれを超える極星だからな。俺以外は正直足手まといになる」
「ルリー君」
俺の言葉の真偽を議長はルリーに尋ねた。それにルリーは頷きながら答える。
「おそらく足手まといになってしまうでしょうね。島の外に避難して、お二人の戦闘の様子を伺っていましたが、正直私ではどうこうできるレベルの物ではありませんでした。私があの戦場に立てば、どちらにも気づかれないまま魔法の余波で殺されかねません」
まあ、お互いバカげた威力でやってたからな。島一つ吹っ飛ばしたし、迷路の壁を何枚も打ち抜きながら魔法の飛ばし合い。
その飛んでくる魔法だって全部が必殺の威力を込めてんだから。
「分かった。では極星の勇者に関してはトーカ君に一任する。負担をかけるが頼む」
「かまわねぇ。勇者の蘇生を止めきれなかったのには、俺の責任もあるしな。それにあいつと約束しちまった」
俺にとって約束は絶対だからな。
「それでだいたいどれだけの期間を耐えればいいんだろうか? 期間が分からないようでは、我々も軍の投入具合が分からないのだが」
「あいつは二か月って言ってた。けど、常にカランを攻めてくるって訳でもないだろうな。他の国に攻める可能性もある」
むしろその可能性の方が高いだろう。
カランは島国で資源も乏しい。攻めるにはあまり適さない状況なのだ。
それに比べて、ギンバイに隣接しているデイゴやユズリハならば、陸続きで軍の遠征も行いやすいだろうし、勝利した時に得る資源も大きい。
「そうだったな。では他の国にはすぐにこのことを報告しなくては」
そう言って議長は国王に情報をまとめた手紙を各国に出すようにお願いする。相手が王宮になる場合、カランでも王宮が政治をすることになるようだ。まあ、対等な立場でやり取りするにはそれが一番だろうな。
決定権は常に議会が持ち、交渉は王が行う。合理的っちゃ合理的だ。
その後は俺が絡む余地はほぼなく、ミラノが議長と共に軍の準備やお金の心配などをしながら話が進んでいく。
最終的にすべての話が終わったのは、夕方頃だった。
俺は会議室を出て、王宮の庭に出る。そこには季節の花々が色鮮やかに咲いていた。
「ンン――固まった」
ずっと椅子に座っていて凝り固まった背骨や肩を解しながら、ゆっくりと庭を歩いていると、後ろから声がかかった。
「トーカ、ここにいたんですか」
「フィーナか。フランは?」
「シスちゃんと遊んでいます」
どうやらフランとシスは仲良くなったようだ。似たような境遇だし、通ずるものもあるのだろう。
二人の面倒はリリウムが見てくれているらしい。
「会議はどうでした?」
「大まかな話は決まった。俺は極星の勇者が出てきたときにちょろっと相手するだけだ」
俺はフィーナを心配させないようにと気楽さを装って話す。
しかし、フィーナには分かってしまうようだった。
トンと背中に重みと温かみを感じる。
「私は不安です」
「大丈夫だ。約束は守るからな。無事で帰ってくるってのは、俺とフィーナの永遠の約束だ」
「もちろんです。私はトーカの傍でしか、生きていくつもりはありません」
「ありがとう」
体に回された手を優しく握る。
その時、頭に何かがつながる感じがした。そして聞こえてくる声。
『トーカ、聞こえる?』
その声は間違いなく極星の勇者、オルトの物だった。
「ああ」
『最初に攻める場所が分かったよ』
「早いな」
勇者が復活してまだ一日しか経っていない。それにも拘わらず攻める場所が分かったと言うことは、元から予定されていたのだろう。
「どこだ?」
『ユズリハ王国だってさ。あそこの資源が目的みたいだね』
「ユズリハか」
俺は小さく舌打ちを打つ。よりによって一番遠い国を狙うと言っているのだ。
俺が明日から急いで動いても、ユズリハに着くまでには最短でも五日はかかる。その間に極星の勇者に攻められては意味がいない。
「お前は今どこにいるんだ?」
『例の魔法使いとユズリハに向けて移動中。今はギンバイとデイゴの国境沿いを伝ってユズリハに向かってるところ」
そこから次の標的がユズリハであることが判明したらしい。
魔法使いは、基本的にオルトを人形同然に扱っているため、ほとんど話を聞くことが出来ず、情報を聞き出すのに苦労しているのだとか。
『このまま進めば早いと五日後にはユズリハ攻めが開始されると思う。厳しいかもしれないけど、桃花頑張ってくれ』
「マジで厳しいな」
俺の到着が間に合ったとしても、ユズリハ軍の準備が出来ていなければ、ギンバイ帝国と戦うことは出来ない。五日で到着してもそれと同時に戦争が始まったのでは遅いのだ。どれだけ急いでも結構な日数が準備に必要だろうし、本当なら数か月単位の時間をかけて準備するのが戦争ってもんだろうしな。
そう考えると、かなり急がなければならない。それこそ常時雷化して移動するレベルでなくては。
『せめて現代みたいな乗り物があれば……』
オルトも悩みながらそんなことを呟く。俺はその呟きである方法を閃いた。
「オルト、こっちは何とかなるかもしれない。そっちはそっちで到着を遅くできるように頑張ってくれ」
『そうなの? 分かった。頑張ってみる。じゃあそろそろ切るね』
「おう」
その言葉を最後に、オルトとのテレパシーが切れた。
「トーカ、今のは?」
俺が突然独り言をつぶやき始めたように見えたフィーナは、驚いていた。
「オルト、極星の勇者から情報が入った」
俺の言葉にフィーナが緊張する。
「最初にユズリハを狙うらしい。早くて五日後から進行が開始される可能性がある。俺は明日からすぐに移動を開始しなくちゃいけなくなった」
「ユズリハが狙われる……」
ユズリハの王都にはフィーナの爺さんが住んでいる。あの町を火の海に変える訳にはいかない。
他にも、ユズリハで言ったことのある町には、色々と知り合いがいるのだ。
どの町でも、戦闘に巻き込むことはしたくない。
「トーカ、ならこれを持って行ってください」
フィーナはそう言いながら、腰に下げていた属性剣を俺に渡してくる。
「輪廻剣は壊れちゃったのでしょう? なら代わりに持って行ってください」
「でもそれだと」
フィーナの武器が無くなってしまう。
しかしフィーナは首を横に振った。
「五日後と言うことは普通に馬車を飛ばしても間に合いません。トーカは別の方法で行くのでしょ?」
「ああ、当てはある。まあ確実じゃないけどな」
「なら私はフランちゃんやリリウムさんたちと馬車でユズリハに向かうことになると思います。それなら護衛はリリウムさんやシスちゃんがいるから問題ありません。トーカは極星の勇者と戦わないといけないのでしょ? それなら万全に少しでも近づけるべきです」
確かに近接用の武器が無いのは正直心もとない。
オルトと戦った時、中長距離の戦いは魔法の応用でオルトに負けてしまっていた。俺が勝つには近距離で身体能力にものを言わせて圧倒するしかないはずだ。
ならフィーナの武器はもらっておくべきなのだろう。
俺はフィーナから差し出される属性剣を握りしめる。
「分かった。これは借りてくぜ」
「はい」
フィーナの笑顔を受けながら、俺はユズリハへ行くための手段に連絡を取った。
翌朝、移動手段を確保した俺は、フィーナやフランと別れを惜しんでいた。
「ぱぱいっちゃうの?」
「ごめんなフラン。けど俺にしかできない仕事なんだ」
寂しそうな表情をするフランを抱きしめながら、何とか納得してもらうべく説得を試みる。
「けどその分ユズリハに着いたらめいっぱい遊んでやるからな。フィーナの爺さんが住んでる町はいいところだぞ」
「やくそく」
「おう、約束だ」
何とか理解はしてくれたようで、フランをフィーナに渡す。
「気を付けてくださいね。王都で会いましょう」
「おう。リリウムとシスは護衛よろしくな」
フィーナは武器が無くなってしまう。魔法だけでもそこら辺の盗賊や魔物には負けないだろうが、この面子だからな。何が出て来るか分からんし。
「ああ、任せてくれ。責任を持って実家まで送り届けよう」
「了解なのですよ。フランは大切な友達なのです。絶対に守るのですよ!」
心強い護衛が付いてくれたものだ。
そう思いながら、俺は空を見上げる。そこには分厚い雲がかかっているが、その雲の流れはおかしなことになっている。
それを見て、城の兵士や侍女たちも何やら不安そうな表情をしているが、原因を知っている俺としては、悪い事をした気になっちまうな。
「じゃあ行ってくる」
俺は城の庭園から思いっきりジャンプし、城の壁に足を掛ける。さらにそこから蹴りだし城をどんどんと登っていく。
そして最後に屋根を思いっきり蹴って、できるだけ体を空高くへと飛ばした。
それと同時に、雲の中から一直線に氷の足場が出来上がる。
出来た氷の足場に乗って雲の中へと俺は走って行った。
世の中には赤き竜のタクシーと言うのがあってだな……
カラン極星編はこれにて終了。次回からはギンバイ帝国極星編。でも舞台はギンバイじゃないんですよね。




