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狙い撃ち

作者: ヒロタ

ケータイがブーブーとポケットの中で震えた。


- しまった!!サイレントにするの忘れた -


が、直ぐに止まったのでメールらしい。


先生をチラッと見るが話に夢中で運よく聞こえなかったらしい

ポケットからケータイを取り出し机の下でこっそり確認する。いつもは授業が終

わってから見るのだが今日は何故か開いていた。


見つかるはずはない何てったってここは3階の窓際の一番後ろの席。

もう一度先生の位置を確認してからメールを開く


「…違うし。」


『何が違うんだ?』


慌てて顔を上げれば教壇の上にいる先生がこちらを向いていた。


どう答えるべきか考えているうちにチャイムが鳴った。


『まぁいい。じゃぁ今日はここまで。』



ガラガラと椅子が動く音と共に昼休みが始まった。



『さっきは危なかったね』

隣の席の亜季が机を動かしながら言ってきた。


「あれは、焦った。」

『でも珍しいね。美帆が授業中にケータイ開くなんて。しかも、おっきな独り言

いって。』

と、さっきのあたしの失敗を笑い出した。


『で、何が違うの?』

弁当を広げながら聞いてきた。

別に隠す必要も無いのでメールを開き見せた



---------

From ip.…@…

To 10812…@…

Sub 4組の楠野です。

------

このアド、6組の加山であってる?

学園祭の事で聞きたいことあるんだけど、至急連絡下さい。


--------



読み終わった亜季はまた笑い出した。

『確かに、違うね。健のアド教えてあげたら?今日風邪で休みだし。』


加山健は亜季の幼なじみ。必然的にあたしも知っている。


「まぁそうだけど…何であたしのアド知ってるの?」


返信しつつ疑問に思う。



---------

To ip.…@…

Sub Re:4組の楠野です。

------

7組の木下です。間違ってますよ。


加山君のアドです。

y…@…

---------



携帯が直ぐに光った。



---------

From ip.…@…

To 10812…@…

Sub Re:Re:4組の楠野です。

------


まじで!?ごめん

加山のアド助かる。


良かったら俺のアド登録しといて。

俺も登録していい?


--------


『何だって?』


「あぁ、ありがとうだって。」

いいよとだけ返しケータイをポケットの中にしまった。


それから何通かメールがやってきた。

内容は、あの先生が煩いだの、宿題の答えを教えてだの、他愛のない話だった。


なぜあたしのアドを知っていたか聞けば、誰かのアド変更の一斉メールの中にあたしと加山のアドがあって悩んだ結果、間違ってあたしに送ったらしい。


あれから一ヶ月。

学園祭の準備などに追われ、いつの間にかメールもしなくなっていた。


学園祭も終わり何もなくなった放課後、職員室に呼び出された亜季を教室で待っていた。


窓の外を眺めていると、体育用具庫の前に男の子と女の子がいた。

あまり人気のないそこは、告白場所としてよく使われるらしい。


あたしはないけど、亜季とかはよく呼び出されている。


人の告白を覗く趣味もないので、顔を背けようとしたができなかった。


楠野が居たのだ。

どうやら呼び出されたらしい。


二人は何か話ていた。

ここは3階だから話は聞こえない。

すると、楠野が頭を下げた。

しばらくして、女の子は帰って行った。


意外…。

楠野を何度か廊下で見かけたが、顔はそこそこカッコイイ。

いつも周りに人がいて、おまけに間違った相手のアドまで登録するのだからかなり社交的だと思う。

女の子は可愛いし、OKするんだろうとなんとなく見ていたが、どうやら断ったらしい。


意外だな…

なんて思っていると、楠野がこっちを見た。

慌てて顔を引くが、机に置いていた携帯が光った。


---------

From 楠野君

To 10812…@…

Sub

------

何してるの?


--------


ばれたらしい。


---------

To 楠野君

Sub Re:

------

亜季を待ってる。


---------


たまたまとはいえ

覗いていたとは流石に言えない。


すぐに返事が返ってきた。


---------

From 楠野君

To 10812…@…

Sub Re:Re:

------

見た?


--------


一言だけって…

怒っているのか!?


---------

To 楠野君

Sub Re:Re:Re:

------

ごめん…


---------


とりあえず謝ってみた。


---------

From 楠野君

To 10812…@…

Sub Re:Re:Re:Re:

------

付き合うと思った?


--------


は!?

思ったけどさすがに

うんとは言えないでしょ…


返信を困っていると

教室の扉が開いた。


亜季ではなく

少し息が上がった楠野が立っていた。


直接話すのは、初めてかも…

なんて思っているうちに楠野は、目の前までやってきていた。


『で、思った?』

メールの続きらしい。


「思った。」

誤魔化す必要もなかったので正直に答えた。


『なんで?』


なんでと言われても…

てか、若干怒ってません!?


「社交的だし…」

そこそこカッコイイとは流石に言えない。


『俺のどこが?』


「間違った相手にサラッとアド登録してとか言えるとこ?」


楠野はため息をついた。

やっぱり誰でものぞき意味されると怒るよね…

などと考えていると楠野がとんでもない事を言った。


『木下だったから登録してって言ったんだけど。』


まっすぐこっちを見る楠野のせいで何も答えられない。


あたしだったから?

でもたまたま間違って送ったんじゃなかたっけ?

俯きグルグル考えている最中さらに楠野が追い打ちをかけてきた。


『メール…木下のアドだって分かってて加山宛のメール送った。』


それってどういうこと!?


俯いたままのあたしに呆れたのか、楠野はまたため息をついた。

まだあたしは怒れせているらしい。


『だから、加山のアドはもともと知ってた。木下のアドも加山から教えてもらって知ってた。ただ、送るきっかけがなくて送れなかった。』


じゃあわざとあんなメール送ったの?

何のため?

やっとのこと顔をあげるが、まっすぐこちらを見てくる楠野に何も言えず、また俯いた。


『好きな子からアドも聞けず、友達から聞いても送れないような奴を社交的と言える?』


バカなあたしでも分かる。

好きな子って多分あたし…

顔をあげると楠野と目が合った。


- 誰だか分かるよね? -


そう言われてるような気がした。


あたしは無意識に頷いていた。

とたんに楠木はしゃがみ込み、よかったと呟くのが聞こえた。


どうやら、怒っているんじゃなくて照れているだけだったらしい。


人気者で社交的だと思っていた楠野は、真面目で不器用な奴だった。


はじめまして、ヒロです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

初投稿作品!!ですが…

この作品は以前、別の投稿サイトでUPしたものを再UPしたものです。

一斉メールから間違って違う人に送ってしまう

と言う部分は私の実体験です。

こんな,人の探し方もあるのかと感心してました。

まぁ、私の場合はただの飲み会のお誘いでしたが(笑)


本当に最後まで読んで頂きありがとうございました。

では、また。


2011.02.03.ヒロ


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