組設立(2)
「おめぇらなにしてんだー?」
アスガロトに事の経緯を全て話し、組の事務所をどうするか考えていた矢先だった。するとアスガロトは墓山についてこいと指サインを送る。後ろを着いていくと数十分歩いた先に小さな一軒家の前に着く。
「おい、ここ使っていいぞ」
「立派じゃねえか。というか金持ってねぇぞ俺らは」
「ここは古い一軒家でな、なかなか買い手がつかないみたいで売れ残りだ。解体寸前だから安くてもいいから買って欲しいらしいぜ。なぁハッスン」
「あぁそうだ」
おもむろにアスガロトは一軒家のドアを開ける。そこに居たのは小学校一年生くらいの身長しかない髭を生やしたおっさんだった。
「ハッスンという。金がないならローンでもいいぜ」
「へぇ、ローン制度があるんか」
「と言っても、毎月銀貨三枚の支払いだけだがな」
「何回払いなんだ?」
するとニヤリと笑った。
「10回払いだ」
「格安ってことなのは分かった。借りるよ」
「よし来た。誓約書用意すっから待ってろ」
トントン拍子で家をゲットした。
「ありがとうな。アスガロト」
「お前らが何をするか楽しみでな。当分の金の工面とかは俺に聞いてくれや」
「いや、目星はついてんだよ」
墓山は部下たちとニヤリと笑って答えた。驚きの表情を浮かべながらもアスガロトはニヤッと同じく笑った。
「楽しみだよ!」
「じゃあな。アスガロト。色々と世話になった」
「いいって」
「お礼はまた今度」
「ったく良いっての。まぁ貰えるもんは貰うがな!」
家の中に入り、家具などを確認しながら生活のしやすさを確認していると一時間が経った頃、ハッスンが帰ってくる。
「おう、誓約書だ」
「ここに名前か?」
「あぁ、そうだ」
誓約書にサインをすると、書が光り輝く。
「よし、成立だ。支払いが滞ると誓約書に逆らったってことで大変なことになるからな。気をつけとくれよ」
「おうよ」
ハッスンとも別れ飯をどうするかと考えていると、若衆の竜ケ崎は墓山に頼み込んだ。
「買い物は任せてください。親父」
「お? なんか考え浮かんでんのか」
「まずは俺らの服を売ります。先程衣装ケースを見つけましてそこに何着か服がありまして」
「おう。それはよく見つけた」
「親父たちの服を売った時金貨三枚でしたよね。それならと思い」
竜ケ崎の案に全員否定意見は出ず、乗っかる形となった。服を全て渡し衣装ケースにあった質素な服を着始める。
「親父、この服半袖なんで親父の腕の紋紋も見えちまいますね」
「いいだろ。そこまで気にしないだろうよ」
「そうでしょうけどね」
墓山の腕から背中にかけて描かれている獅子と蛇。若頭の山端は龍を背負っていた。
「さてと、帰ってくるまでに俺らのシノギを考えなきゃな。この世界は金貸しが居ねえ。その金の工面をしなきゃな」
そう墓山が話し始めるが二時間経っても会議は進まずどう生きていくか路頭に迷った。そんな中で竜ケ崎が大量の食品と金の入っているであろう麻袋を手にして帰宅した。
「竜ケ崎」
「親父、良いシノギを見つけましたぜ!」
「おっ?」
「どうやらこの街には風俗がある見てえで、風俗のケツモチや用心棒になれば少しは収入が」
「そうだな。それもありだ。明日行ってみるか」
「へい!」
今晩は竜ケ崎の買ってきた飯に全員で食らいつきながら過ごした。




