自動車に乗っていると自転車が邪魔
私は大型トラックに乗務しております。
大型トラックで道路を走っていますと、乗用車さんから邪魔がられているように思われる挙動を受けることがよくあります。
ふつうに走っているだけで強引な追越しをかけられたり、車線変更しようとウィンカーを出したら妨害されたり──
大型トラックの後ろは確かに視界を塞がれます。
それを理解しているので私は可能な限りブレーキランプやハザードランプを使って後続車にインフォメーションをしているのですが、そういう気遣いをまったくしないトラックのほうが多いように思います。
また、信号が赤になりそうな交差点で私が早めにブレーキランプを数回点灯させたりハザードランプを焚いたりしても、構わず私の後ろをぴったりついて来て交差点からお尻をはみ出して停止してしまわれる乗用車さんもよくいらっしゃいますが……。
ネットなどを見ていると、大型トラックを嫌う乗用車ドライバーさんは多いんだなと感じます。
どうしても発進は遅いですし、交差点などでは停まるようなスピードまで減速しますからね。
また、高速道路などで特に、速度差を無視して後ろから来る乗用車さんの前にいきなり車線変更するような大型トラックを日々見かけますので、何もしてなくても大型トラックに乗っているだけで同類みたいに思われているんだろうなと感じることがよくあります。
ただ、これもネットを見ての印象ですが、大型ドライバーさんのほうも、乗用車さんのことを嫌ってらっしゃる方は多そうです。
トラックの挙動をわかっていないからというのがその主な理由のようです。
トラックの内輪差に入り込む乗用車、登り坂でトラックの前に入り込むなりブレーキを踏ませる乗用車、追越し車線を延々と走って道路を混雑させる乗用車、とにかく速度が上がったり下がったりペースの安定しない乗用車……大型に乗っていると確かにこれらの乗用車さんには辟易してしまいます。
また、『大型トラックは追越しするな!』みたいな乗用車ドライバーさんも多いらしく、それに対する反感も強いようです。
『大型はリミッターついてて最高速度が90までしか出せないんだよ』
『大型はきつい曲がり角は対向車線まではみ出さないと曲がりきれないんだよ』
『大型は一度速度が落ちると元の速度まで上げるのにごっつい時間かかるんだよ』
『大型はきつい登り坂でアクセル緩められねぇんだよ』
『大型は荷物崩せないから広く車間距離とってんだよ。そこに入って来んな!』
言うことはもっともなのですが……
乗用車ドライバーさんがそんなことご存知だとは思えません。
乗用車さんから見れば大型はのろい、視界が塞がれる、邪魔!
大型から見れば乗用車は大型の特性をわかってない、無理にでも前に入ってくる、邪魔!
お互いに邪魔とか言っててもしょーがない。
ここはプロである大型ドライバーのほうが乗用車さんを導くように防衛運転をするしかないんだと私は思っています。
嫌って何かが変わるわけではない。
お互い邪魔なら譲り合うしかない。
乗用車さんから譲られた経験はあまりありませんが、私はなるべく乗用車さんに譲るよう心がけています。
自転車や白ナンバーの原動機付自転車は大型トラックなど比較にならないほどに、さらに遅いです。
それでいて機動性はあるのでチョロチョロと隙間を縫って走っていたりします。
大型ドライバー、乗用車ドライバー共通の邪魔な存在だともいえます。
ですが、道路は大型や乗用車だけのものではありません。
ここもやはり譲り合うしかないのです。
自転車が車を邪魔がってわざと嫌がらせのような走り方をしたり、道路は自転車のものだというように身勝手な走り方をするなら轢かれても仕方ないかな? とか思ってはしまいますが、気遣いが出来て、譲るべきところで譲れる自転車さんは自動車からも譲り合ってもらえるべき存在だと思います。
渋滞中の道路では自転車のほうがよっぽど速いですので、私はなるべく自転車が通りやすいように左側を空けていることが多いです。
よく『譲り合い』とは『遅い車が速い車に譲ることだ』と勘違いされてらっしゃる方をネットで目にしますが──
『譲り合い』とはその名の通り、『遅い車が速い車に譲り、速い車が遅い車に譲り、お互いに譲り合うこと』だというのを忘れないようにしましょう。
自動車に乗っていると自転車が邪魔に感じられるものですが、自転車に乗っていると自動車が邪魔に思えるものなのです。
みんなの道路を譲り合うことで気持ちよく走りませんか?