婚約破棄。 D〇Dの世界に転生したよ。
ヒロインのいじめ?
プレイグの画像を見てはいけません。
王宮。
卒業式のパーティーである。
「プレイグ公爵令嬢、婚約を破棄するっ」
ビル王太子は大きな声で言った。
「そして、レベッカ男爵令嬢と婚約する」
傍らには茶色のショートカットの美少女。
レベッカは、貴族の令嬢でありながら、”スターズ”所属の衛生兵である。
「どうしてですか」
口元を扇子で隠したプレイグ公爵令嬢が聞いた。
片手には大きな香炉。
「レベッカを追いかけ回して、その大きな香炉で殴りつけたな」
「ええ」
「せっかくなおしていた発電機を足で蹴って壊したな」
「しましたわ」
「さらに、口から抹茶やコーラをふき出して、頭から彼女にかけたな」
「そうね、”汚濁の吐瀉”と、”黒死の吐瀉”ですわ」
「さらにさらに、ロッカーに逃げ込んだ彼女を引きずり出して、肉フックにかけたな」
肩に大穴が。
サバイバーは軽く人間を越える。
「ええ、ロッカーで捕まえた時点で担ぎ判定が出ますもの」
「ひどいわっ、”ボイルオーバー”で必死に逃げようとしたのにっ」
レベッカだ。
「さらにキャンプされてケバブされたのっ」
「救助できてよかった」
「ついには、香炉についた鎖で首を絞めて、顔に抹茶を勢いよく吹きかけたなっ」
「あと少しで通電だったのよっ」
「”メメントモリ”よ」
「だってキラーですもの。 王陛下からの許可も出ていますわ」
「くっ、もう一戦だっ」
「もう一戦よっ」
二人が勢いよく、どこからともなく現れた参戦ボタンを押す。
「仕方ありませんわねえ、わかりましたわ」
プレイグは、やれやれという感じで参戦ボタンを押した。
ジジジ
周りが廃病院になっていく。
「今度負けたら本気で婚約破棄だからなっ」
「今度こそ脱出ようっ」
「はいはい」
三人はなんだかんだと仲が良い。
どうやら、ホラーゲーム、DB〇の世界に転生してしまったようだ。
抹茶やコーラでドレスを汚されるヒロイン。