表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第8章 剣の修行につき合わされました。
96/526

8-8 ウォーザード伯爵の欲望。

その日の夜、ルークはウォーザード伯爵の城に招かれることになった。

強制的にである。

そして、フェイドは、伯爵に事の次第を全て話した。

伯爵はそれを聞いた上で、大笑いしたという。

ここまでは、ルークが聞いた話にすぎない。

そして、今、応接室に招かれたのだ。

無論、フェイドもいる。

伯爵は、一人の少女と一緒に応接室に現れた。

少女は人形のようにかわいらしい表情だった。


「久しいな、ルーク。

 魔導士合格、おめでとう。」


「ありがとうございます、伯爵様。」


「ますます強くなっているようで、結構なことだ。

 あぁ、紹介しよう、娘のリリアーナだ。」


そこで、リリアーナはぺこりとお辞儀をする。


「リリアーナと申します。

 よろしくお願い致します。」


率直な感想だが、伯爵には似ていなかった。

だが、その感想は、心の中にしまっておくことにした。


「リリアーナよ、彼はルークだ。

 よくよく覚えておくといい。

 将来、お前の婿になるかもしれない男だ。」


この発言に、ルークは焦るより他なかった。

何故、この展開になるのかわからなかった。

レイヴンの時もそうだったのだ。

リリアーナはというと、ルークに興味があるようだ。

じっと見ていた。


「さて、ルークよ。

 おまえは欲張りのようだな。

 まさか残り三系統の上級魔法までも修めようとは。

 まったくもって、おもしろい。」


そう言って、伯爵は笑い出す。


「その、同じようなことを、クロムワルツ侯爵様にも言われたことがあります。

 その、欲張りかどうかはともかくですが。」


「ほう、侯爵殿が。

 どうやら、侯爵殿も興味を示しているようだな。」


伯爵は、侯爵のことを知っているようだ。

にやにや笑みを浮かべている。


「して、水系統の上級魔法をマスターしたのであろう。

 いつ、試験を受けるのだ?」


「はい、早ければ、春ごろには受けようと思ってます。」


「そうか。

 それにしても、近衛師団からも勧誘があったとは。

 やはり、私の睨んだ通りであったな。」


伯爵はやはりおもしろそうだ。

それに対して、フェイドは面白くなさそうだった。


「くそっ、俺だけ置いてけぼり感を食らっている感じだぜ。」


「フェイド様は、魔導士になる目標があるではないですか?

 それに、伯爵様を継ぐという重要な役目もありますし。」


「それはわかっている。

 だが、おまえが遠くに行くようで、なんか納得行かないっていうか。」


フェイドにも不機嫌な理由がわかっていないようだ。


「フェイドよ、焦ることはない。

 ルークは遠くに行くことはない。

 それどころか、より我々に近い存在となる可能性がある。」


「どういう意味だ、父上?」


「良く考えてみろ。

 例えば近衛師団に入った場合、貴族と同等の扱いとなる。

 となれば、我らと同じ立場となる。

 王都にいるかいないかの違いだ。

 立場上、全く同じなのだ。」


伯爵は一息つくと、言葉を続ける。


「そして、四系統をマスターし、“大魔道士”となった場合は、

 彼は問答無用で皇帝陛下に仕えることになる。

 “大魔道士”は国の宝だ。

 王都で、貴族同然の生活をすることになる。

 どう転がっても、我らに近づくだけであって、遠くに行くことにはならん。」


「たしかに・・・」


フェイドは納得したようだ。


「まぁ、多少立場の違いが発生するかもしれんが、

 ルークという人間を見ていればよくわかるだろう。

 彼は、どんなに偉くなっても心変わりせんよ。

 それどころか、彼が貴族同然になった時のほうが、おもしろいと私は思うよ。」


伯爵は楽しそうに語る。

ちなみにルークは話半分で、心ここにあらず状態だった。

なんだか、凄い話になってきたので、逃避気味だったのだ。


「で、フェイドよ。

 どう転がっても「いいとこどり」のルークを放っておくわけにもいくまい。

 ということで、私は決めたのだ。

 リリアーナをルークの嫁に出すとな。」


ルークは固まった。


「なるほどな。

 そりゃいい手だ。

 親族に皇帝に近い人物がいれば、伯爵家は安泰ってわけか?」


「それもあるが、政治的に影響力も持てる。

 それに、うまくいけば、爵位が上がる可能性もある。」


「父上の欲望だらけじゃないか?」


「ふっ、欲望なくば貴族などやってはおれんよ。」


伯爵とフェイドの会話に、ルークはついていけなくなっていた。

ちなみに、リリアーナは伯爵とフェイドの話の内容は理解していなかった。

だから、ずっと、ルークの一挙手一等足を見ていたのだ。

そして、にこにこ笑っているのだった。

どうやら、ルークの顔がころころ変わるのがおもしろかったようだ。



こうして、夜も更けていくのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ