8-4 VS ファンブル
訓練場では、騎士及び訓練生が集まっていた。
そう、これから始まる真剣による模擬試合を見るために。
ルークVSファンブルの一騎討ちが開始されようとしていた。
ルークは、防寒マントを脱ぎ、荷物を置くと、剣を抜き取る。
最近、巻き込まれることが多いが、まさか騎士と模擬試合になるとは。
「ルーク、勝てよ、必ずだ!」
フェイドから激が飛ぶ。
これは、互角ではダメなのだろうか、とルークは困るのだった。
一方、ファンブルは特に気負いもなく、剣を抜き取る。
そして、正眼に構える。
ちなみに、魔法の使用はNGだ。
剣のみでの勝負となる。
審判役は、レオンだ。
「では、はじめ!!」
瞬間、ファンブルから殺気が流れる。
強い!
ルークは肌でそう感じ取っていた。
途端、ファンブルが駆け出す!
剣を大きく振りかぶるや、一気に振り下ろす!
ルークは、素早く回避すると、横薙ぎの一閃を放つ!
だが、見事に防がれる。
続けて、体を回転させ、下から追撃を行う!
ファンブルは後方に移動し、見事に回避する!
ここまでの流れは、ほんのわずかな時間であった。
あまりの速さに、皆あっけにとられていた。
だが、レオンとフェイドは違った。
2人にはきっちり見えていたのだ。
レオンはルークの動きに感心していた。
戦争で活躍したことは知っている。
だが、その腕前は不明だった。
騎士や戦士をなで斬りにしてみせたという噂もあったが、実際に確認したわけではない。
だが、今目の前で見て、わかったのだ。
この少年は強いと。
「やるな、ルークとやら。」
思わず、レオンの口からそう言葉がこぼれていた。
ルークとファンブルの腕前は互角であった。
互いに隙を見せる事なく、剣戟を続けていたのだ。
そのあまりの凄さゆえに、皆、言葉を失っていた。
一流の剣士同士の戦いは、その動き故、見切ることはできない。
明らかに、彼らからすると次元の違う戦いであったのだ。
そして、まるで見本を見ているかのように、美しい戦いでもあったのだ。
ファンブルもルークも、2人とも基本の型に従って戦っていた。
互いに無駄の少ない動きをした戦いだ。
それだけでも十分に凄いことなのだった。
いつまでも続くと思われた戦いだったが、意外な形で決着がつく。
一時間経過した時点で、レオンが手を挙げる。
「ここまでだ!!」
ルークとファンブルの動きが止まる。
「両者、互角と判断する。
見事だ、ルーク。
ファンブルと互角に戦える者は数少ない。
そのファンブルと互角を演じたのだ、見事というほかあるまい。」
レオンは素直に、ルークを褒めていた。
「あ、ありがとうございます。」
ルークは頭を下げる。
「強いな、少年、いやルークだったか。
見事な腕前だ。」
ファンブルはルークに握手を求める。
ルークも手を差し出し、握手する。
途端、騎士や訓練生から拍手が巻き起こったのだ。
その感動すべきムードをぶち壊したのは、フェイドだった。
「ルーク、互角じゃダメだ。
勝てよ、そこは!」
「おいおい、フェイド様、それはないんじゃないか?」
ファンブルが突っ込みを入れる。
ルークは、困った表情を浮かべるしかなかった。




