7-10 報告と帰宅。
ルークは、ミルドベルゼ子爵の屋敷に到着すると、玄関ドアをノックする。
すると、顔見知りのメイドが現れた。
「ルーク様、旦那様に用件ですか?」
「はい、いらっしゃいますか?」
「申し訳ありません。
旦那様は、現在お出かけになられております。
奥様のサーシャ様ならおられますよ。」
ルークはどうしようか迷ったが、言伝のみであれば、サーシャに任せても問題ないだろうと判断する。
「では、サーシャ様にお会いできますか?」
「わかりました。
では、お屋敷の中でお待ちください。」
ルークは中に入って待つことにした。
やがて応接室に通され、サーシャと対面することになった。
ルークは一礼すると部屋に入る。
「ルーク、いらっしゃい。
どのような用件ですか?」
「はい、実は火系統の魔導士試験に合格したので、ご報告に参りました。
もしよろしければ、レイヴン様にお伝え願えますでしょうか?」
その時、サーシャの顔がぱっと明るくなる。
「まあ、合格したのね。
おめでとうございます、ルーク。
これで、晴れて魔導士となったのですね。」
「はい、ありがとうございます。
でも、四系統の上級魔法の一つをマスターしただけです。
残り三系統の上級魔法も勉強する予定です。」
これには、サーシャは驚くも、笑みを浮かべる。
「そうですか。
では、頑張って精進してくださいね。
主人には、私の方からお伝えしておきますね。」
「はい、お願い致します。」
ルークは一礼すると、席を立つのであった。
その後、ルークはさっさと帰ることにした。
巨大な門を抜けると、“瞬間移動”で村に戻る。
そして、いつもの如く村長に報告するのであった。
村長は、「ああ、そうなんだ」くらいの感覚で褒めてくれたのだった。
ルドマンには、魔導士の価値はわかっていなかったのだ。
帰宅後、魔導衣と証書は大切にしまっておくことにした。
普段着るものではないのだ。
それから、日誌に記載することにした。
魔導士試験に合格し、念願の魔導士になれたこと。
それが一番うれしいことだった。
しかし、将来が少々不安になってきた。
このまま、誘われるがままに近衛士団に入ることになるのか。
それとも、別の何かを目指すことになるのか?
先々の不安に、ルークは頭を痛めるのだった。




