1-8 剣が使えるようになりたい。
まさかまさかの呪文が使えるようになった。
これが嬉しくないはずがない。
ルークはその日一日中、喜んだ。
ここまでできれば、魔法使いになる夢も叶えられるかもしれない。
ただ、魔術学院に通うには、ここは遠すぎる。
それに、実は学院に入るには年齢がオーバーしていることもあった。
魔術学院は王都にある。
ただ、魔術学院に入れる年齢が、10歳未満の魔術適正のある人間のみに限定されていたのだ。
ルークは現在、15歳。
つまり、魔術学院には入れないのだ。
それがわかった時点で、ルークは諦めた。
あと魔法使いになる方法として、魔導士や魔法使いに弟子入りすることだ。
しかし、この村には魔法使いはいない。
魔法が使えるのは、ルークのみなのだ。
隣の街に行けばいるかもしれないが、残念ながらツテも無ければ、情報もない。
他の方法としては、魔術書を買い漁って、魔法を覚える方法である。
今のところ、この方法が最良であった。
魔術書は高価だが、お金なら生成できる。
そこは問題なかった。
金貨を大量に用意してから、街にでも購入しに行こう。
ルークはそう考えることにしたのだった。
翌日。
次に何を検証しようか、考えてみる。
そういえば、重い物を持てるようになったのだ。
剣士を目指してみようかと考えていた。
実は、剣士にもなってみたかったのだ。
子供の頃の夢である。
子供の頃の夢って、数多く思い浮かぶものだ。
ルークの場合、魔法使い、剣士と強いものに憧れていたのだ。
では、早速試してみることにする。
まずは、剣を用意することにした。
机の上に手を置き、手を開いた状態で、上に向ける。
そして、イメージする。
過去、街に行った際、衛兵が持っていた鞘付きのロングソードを。
瞬間、ずしりと重い感触が手のひらに伝わる。
そこには、鞘付きのロングソードが出現していた。
よし、うまくいった。
ルークは立ち上がると早速引き抜いてみる。
銀色の鈍い輝きをした刀身が姿を見せる。
本物の剣だ。
ルークは再び剣を鞘の中に戻す。
次に、本棚より初心者向けの剣術指南書を取り出す。
そして、指南書を読み始めるのだった。
昼前に指南書を読み終える。
次に、指南書通りに剣が振れるかどうか確認だ。
剣を片手に外に出る。
そして、剣を引き抜き、正眼に構える。
それからしばらく剣を振り回してみる。
その振り方は、素人のようないい加減なものではなかった。
指南書に沿った動きをしていたのだ。
ルークの学習能力が向上したことによる、正しく理解された剣術だった。
ルークは何度も確認しながら剣を振るった。
やがて、指南書に書かれていた全ての内容を実践し、剣を収める。
「これが、剣術か。」
ルークはぽつりと感想を言う。
彼にとって、これまた新鮮なことだった。
もし、これで戦いが起きた場合、敵を討ち取れそうという考えに至っていた。
当然、調子付いていることもあったが。
ただ、指南書に書かれた内容は基本的な型のみだ。
もっと学ぶ必要があるのだが、今のルークは、そのことに気付いていなかった。




