6-9 本屋へ。
翌日。
ルークは普段着に着替えると、防寒マントを羽織る。
これから帰宅となるのだが、本屋に寄ることにしたのだ。
それから、転移魔法で帰宅となる予定だ。
「さて、いこうかな。」
まずは、レイヴンの執務室を訪ねる。
レイヴンは何か仕事中だったようだ。
手を止めて、ルークに声をかける。
「ルーク、また何かあれば君を呼ぼう。
或いは、相談事があれば、また訪ねてくるといい。」
「はい、その時はお願いします。」
別れの挨拶はあっさりとしたものだった。
執事のポールにも別れの挨拶をして、屋敷を出る。
ミレーナとは会わなかった。
また、いずれ会うことになるだろう。
ルークは、軽い足取りで、本屋を目指すのであった。
本屋にたどり着いた。
ちなみにお金は用意済である。
昨日、眠る前に、用意しておいたのだ。
ドアを開け、中に入ると、誰もいないようだった。
「あのぉ~、すいません。」
シーンとしている。
とりあえず、中に入ってみる。
本が大量に並んでいる。
ここから探し出すのは難しい。
ユーディスに聞いて探してもらった方が早いだろう。
その時だった。
二階から足音が聞こえたのだ。
「ユーディスさん、いらっしゃいますか?」
「あぁ、今行く。
ちょっと待ってくれ。」
ユーディスはゆっくりと、二階から降りて来た。
「おぉ、ルークか。
どうしたのかね?」
「はい、魔術書を買いに来ました。
あるかどうか確認したくて。」
「なるほど。
では聞こう、どんな本をお探しかね?」
「はい、まずは神聖魔法の書です。
できれば、司祭以上が使う高等魔法の本が欲しいです。」
「なるほど。
しかし、君は魔法使いなのだろう?
何故、神聖魔法の書が欲しいのだ?」
ルークは、頬をかきながら答える。
「その、ちょっと興味が沸いて、
神聖魔法の本を購入して勉強したことがあるんですが。
その時、回復魔法が使えましたので、
高位の魔法にも興味が沸いたんです。」
「なるほどな。
興味が沸くことはいいことだ。
君は、本当に勉強熱心だな。」
ユーディスはルークを褒めていた。
普通、魔法使いは、神聖魔法に興味を持たない。
理由は単純、攻撃系の魔法が少ないのだ。
それと、神を信じる者が少ないという点だ。
神聖魔法は神を信じる者が使う魔法という認識が根強く残っているのだ。
だが、実際には異なる。
神を信じなくても、魔法である以上、誰にでも使えるのだ。
その事実を知る者は、少ない。
「確か、神聖魔法の書物はあったはずだ。
少々、待ちなさい。」
「はい、お願いします。」
数分後、ユーディスは、古い本を片手に現れた。
「これは、少々古いが、神聖魔法の司祭級に配られる魔術書だ。
内容を確認してみるかい?」
「はい、お借りします。」
ルークは、書を受け取ると、中身を確認する。
知らない魔法がたくさん載っていた。
特に、以前アリアが話していた、“復活”について、記載があったのだ。
「これを購入します。
あと、一冊、いいですか?」
「ん?
なんだい?」
「水系統の上級魔術書をください。」
「ほう、次は水系統か。
しかし、すぐに覚えるつもりなのかね?」
「いえ、王都に寄ったついでなので、購入しておこうかと。」
「なるほどな。
では、少々待ちなさい。」
ユーディスはまたもや奥に消える。
そして、数分後、本を持ってきた。
「これが、水系統の上級魔術書だ。
これでいいかな?」
ルークは軽く中身を確認すると、コクリとうなずく。
「合計で金貨80枚だ。」
ルークは、袋から金貨80枚を手渡す。
「ちょうどだ。」
「ありがとうございます。」
「また来るといい。
次は風系統の上級魔術書を用意しておこう。」
ルークは、ユーディスと別れ、巨大な門をくぐるのだった。




