1-7 魔法を覚えてみる。 Part2
その日の夜。
ルークは机の上で頭を抱えていた。
何故、呪文が使えないのか、全くわからなかったのだ。
呪文は間違っていなかった。
何度も読んだ本なのだ、暗記しているくらいなのだ。
間違えるはずなどなかった。
それでも使えなかったのだ。
ルークは頭を冷やすつもりで、一旦、全ての情報を頭の隅に追いやった。
そして、冷静に考え直す。
まず、呪文を唱えれば魔法が発動することが本当に正しいのか?
基本中の基本に立ち戻ってみる。
僕は何か、根本的なことを忘れていないか?
教本を読み直してみる。
魔法を使う上で必要なことが抜け落ちていないかを。
だが、教本にはそこまで詳しく書かれているわけがない。
そこで一旦行き詰ってしまう。
じゃ、何か見落としが無いか?
更に考える。
考えてみる・・・
学習能力が低いのではないか?
そこに行き着く。
僕は魔法というものを、きちんと理解していないのではないか?
ならば、学習能力が上がれば、理解できるようになるのではないか?
物は試しだ。
すぐさま、ベッドに横になり、いつものように、手のひらを胸に当てる。
もう気絶しないはずなのだが、つい癖でやってしまう。
そして、イメージする。
学習能力が強化されるように、と。
ルークのイメージは、バリバリ勉強し、理解している自分の姿だ。
あくまで想像なのだが。
翌朝。
昨日、そのまま眠ってしまったらしい。
胸に手は置いていなかったが、ベッドに仰向けで眠っていたのだ。
ルークはいつものルーティンをこなす。
朝起きたら、まずは水汲みだ。
その後、顔を洗って、朝食を済ませる。
そして、昨日、何を検証していたか思い出す。
「学習能力の強化」がなされているか、確認する必要があった。
まずは、教本の読み直しだ。
学習能力が上がったということは、教本をよりよく理解できるはずだ。
早速読み直すことにした。
読み直し終わったのが、昼前だった。
次に外に出る。
そして、昨日建てたかかしもどきの前に立つ。
念のため、教本は持ってきている。
そして、昨日実行できなかったことを再び試してみる。
教本の呪文を唱え、的に向かって右手のひらを向ける。
そして、呪文を解放する。
「“火炎球”!!!」
途端、手のひらより火の玉が出現し、かかしもどきに当たる!!
「えっ!?」
突然の出来事に、びっくりした。
そして、右手のひらとかかしもどきを見比べ、自分が魔法を使えたことを再認識したのだ。
「やったぁ~!!
呪文が使えるようになったんだ!?」
どうやら、「学習能力の強化」が正しかったようだ。
要は、教本の内容を正しく理解していなかったのが原因だったのだ。
「学習能力の強化」されたことにより、教本の内容をきちんと理解できるようになったのだ。
その後、あまりにも嬉しいのか、他3つの魔法も試してみることにした。
3つともきちんと使えるようになっていたのだ。
この結果、この教本にある魔法を習得するに至ったのだった。




