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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第5章 騎士になりたい伯爵の息子を連れ戻すことになりました。
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5-7 息子さんと戦ってみた! Part1

城を出た後、二人はため息を吐いた。


「なんという依頼だ。

 しかし、厄介だな、これは。」


カシスの言葉にルークもうなずく。


「しかし、貴族の方なのに、何故騎士になりたがったのでしょう?」


「そうだな・・・

 伯爵様もかなり強い剣豪と聞いているが、正確には騎士ではない。

 領主は騎士になれないことを知って、家を出た可能性もあるな。」


「なるほど・・・」


実は、領主は騎士にはなれない。

正確には、“名誉騎士”になることはできるのだ。

あくまでも、「名誉」であって、「本物」ではないのだ。

それに、領主は統治する側の人間だ。

騎士は逆に統治される側の人間なので、立場が逆なのだ。

よって、騎士になることができないのだ。


「ともかく、今日中に、ラークアの街に入ろう。

 明日、早速騎士団に乗り込む。」


「わかりました。」


二人は速足で、都市ラークネスを出た。

そして、約1日の距離にある、ラークアの街に移動するのだった。



ラークアに到着したのは、夜だった。

二人は大衆食堂で食事を済ませ、宿に一泊するのだった。



翌日、朝。

カシスとルークは、ラークア騎士団の隊舎に向かっていた。

街の外れにあり、広大な訓練場が広がっていた。

クーラクの訓練場より広いようだ。

隊舎に入ると、騎士団長に面会を求める。

騎士団長と面会すると、カシスは手紙を渡す。

騎士団長は、手紙を読み、うなずいた。


「そうか、フェイド様の件で来たのだな。

 了解した、決闘を許そう。

 それから、彼を連れ出してほしい。」


「何か面倒事でも?」


「いや、そんなことはない。

 ただ、毎日元気すぎて困ってるくらいなんだ。

 活気があるのはいいことなんだが。」


「そう・・・ですか。」


カシスも返答に困る。


「とりあえず、フェイド様と決闘しますので、

 他の方には迷惑をかけるつもりはありません。

 ですので、ご配慮のほど、よろしくお願い致します。」


「あぁ、各隊長に命令しておくよ。

 その辺は任せてほしい。」


こうして、騎士団長より了承を頂くのだった。



フェイドは、外で元気よく稽古していた。

稽古させられている騎士は、既に疲れ切っていたのか、座り込んでいた。


「どうした、その程度か?

 そんなじゃ、さっさと首切られるぞ?」


フェイドはにやりと笑みを浮かべ忠告する。


「フェイドさんが、強すぎるんですよ。

 俺たちじゃ(かな)いませんって。」


「そうか?

 100回ぐらい勝負すれば、1回ぐらい勝てると思うぞ?」


無茶苦茶な理論だった。

そこに、カシスとルークが現れたのだ。


「フェイド様、お初にお目にかかります。

 私は、クーラク騎士団のカシスと申します。

 こいつは、ルークと言います。

 今回はお願いがあり、参りました。」


「ん~、おまえたちはなんだ?

 何のお願いだ?」


フェイドはカシスとルークを睨み付ける。


「どうか、伯爵様の元にお帰りください。

 伯爵様が心配しておりました。」


「いや、それはないな。

 父上は俺を心配するようなことはない。

 逆に馬鹿息子と罵っているんだろ?」


どうやら知っているようである。


「そんなことはありません。

 どうかお戻り頂けないでしょうか?」


「断る。

 俺は騎士になると決めたんだ。

 領主になるつもりなんざ、ない。」


「どうしてもですか?」


「あぁ、どうしてもだ。」


ここで、カシスがため息を吐く。

交渉は失敗のようだ。

カシスは剣を引き抜くと、構える。


「では、実力行使させて頂きます。

 無礼を承知の上で、勝負願いたい!」


カシスは威圧を強める。

それを感じ取ったのか、フェイドもまた剣を引き抜く。


「いいぜ、勝負しよう。

 俺に勝てれば、父上の元に戻ろう。

 約束だ。」


そして、2人の戦いが始まった。



ルークは、すぐさま後ろに下がり、様子見に徹する。

他の騎士たちも同様だ。

2人から距離をとり、様子見に徹する。

ルークは2人の動きに集中することにした。

まずは、フェイドの腕前を知っておく必要がある。


「一つ言っておく。

 俺は超一流の剣士だ。

 勝てると思うなよ?」


「自ら「超一流」と名乗る剣士はいませんよ、フェイド様。

 だが、こちらも本気で行かせて頂きます!」


瞬間、剣戟が始まる。

互いの動きは速い!

そして、互角の剣技を見せていたのだ。

2人とも強い。

ただ、フェイドの「超一流」は嘘のようだ。

超一流であれば、すぐに片がつくからだ。

すでに5分経過しているが、均衡している状態だった。

ルークは黙って2人の動きに集中していた。

そして、戦いは、夕方まで続くのだった。



夕方。

2人は肩で息をしていた。

未だ勝負がつかない状態だったのだ。

まわりの騎士たちは、全く動かなかった。

あまりの凄さに驚いていたのだ。

あのフェイドと互角に戦っているのだ、信じられないのだ。

だが、目の前で展開されている戦いは嘘ではないのだ。


「よし、そこまでだ。

 双方、剣を収めよ。」


騎士団長が割って入り、ここで打ち止めとなった。


「はぁはぁ、やるな、貴様。

 名はなんだっけ?」


「カシスです。」


「カシス・・・カシス・・・カシス!?

 クーラク騎士団の一番の使い手か!?」


どうやら今頃気が付いたようだ。


「明日は、あのルークが相手を務めます。

 今日は、ゆっくりお休みください、フェイド様。」


「ルーク?

 知らんな。

 あんな小僧が俺に勝てるとでも?」


「試してみればわかりますよ。

 あいつは、見た目と違って強いですからね。」


カシスはそれだけ言うと、ルークの元に来る。


「すまんな、まさかここまで強いとは想定外だ。」


「そうですね、僕も驚きました。

 あれほど強い剣士はなかなかいませんし。」


「明日、頼むぞ。」


「はい、頑張ってみます。」


その後、騎士団長の配慮で、食事と宿泊を許されるのだった。

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