1-6 魔法を覚えてみる。
翌日。
昨日までの実験で、「創造系魔法」は連続で使えるようになっていた。
ならば、次は、他の魔法が使えるようになるか、検証することにしたのだ。
憧れの魔法使いになれる可能性が出てきたのだ。
これで魔法が使えるようになれば、魔法使いを名乗れるのだ。
早速、初心者向けの教本を手に、外に出る。
「っと、その前に、かかしもどきを作らないと。」
彼は、教本を置いて、斧を取りに行く。
斧も今まで両手でやっと持っていたのだが、今や片手で軽々と持ち上げていた。
近くの少し細めの木を伐り、紐を使って、十字状にする。
十字架をイメージしてもらうとわかりやすい。
それを地面に突き立てて完成だ。
これを的に見立てたのだ。
教本を再び手にし、使いたい魔法のページを開く。
ルークが試そうとしている魔法は“火炎球”だ。
魔法の中でも基本中の基本の魔法だ。
教本の呪文を唱え、的に向かって右手のひらを向ける。
そして、呪文を解放する。
「“火炎球”!!!」
シーン・・・
叫び声だけが響いた。
「あ、あれ?
おかしいな、呪文は間違えてないのに!?」
再度ルークは試してみる。
だが、何も起きない。
更に試してみる。
やはり何も起きなかった。
呪文が使えなくなったのかと心配になり、手のひらをぐっと握りしめる。
途端、金貨の感触が発生する。
手のひらには金貨が1枚あった。
「いや、魔法は使えるんだ。
だけど、なんで教本の魔法が使えないんだ?」
ルークは困り果ててしまった。
いや、まだだ。
ルークは教本に載っている他の魔法のページを開く。
ちなみに、この教本には、4つの魔法が載っている。
4つとも魔法使いにとって、基本の魔法だった。
だから、4つとも難易度は低い。
それが使えない以上、魔法適正が無いというのは、嘘ではないのかもしれない。
ルークはその後、残り3つの魔法についても試してみた。
だが、3つとも不発に終わるのだった。




