4-14 帰宅。
翌日、ルークは王都を離れることになった。
普段着に着替えると、旅支度を済ませる。
「帰る前に、父上に会ってほしい。」
レイヴンにそう言われ、ミルドベルゼ子爵の寝室を訪れることになった。
広いベッドの上で、子爵は仰向けで眠っていた。
レイヴンが来るや、子爵はメイドに助けられて体を起こす。
「君が、ルークか。
息子から二度も命を救ってもらったと聞いているよ。
誠にありがとう。
私からも感謝させてほしい。」
「いえ、それほどたいしたことはしてないですよ。」
ルークは慌てて否定する。
「ルーク、そんなことはない。
人の命を救うというのは、とても大きなことだよ。
だから感謝されるんだよ。」
「そう・・・ですね。」
子爵に諭され、ルークはうなずく。
「王都に来ることがあれば、またこの屋敷を訪れるといい。
君は命の恩人である以上、大事な客人だ。
何かあれば、私や息子を頼ってほしい。」
「お心使い、感謝致します、子爵様。」
その言葉に、子爵は「うむ」とうなずくのだった。
ルークは、巨大な門をくぐり、王都を離れた。
これからクーラクの街に戻ることになる。
5日間の旅程をこなすのであった。
5日後、ルークは無事クーラクの街に着いた。
まだ昼過ぎだったため、教会に寄ることにした。
神父に手紙のことを報告した後、夕食を摂り、宿屋に一泊した。
翌日。
ルークは本屋に寄ることにした。
当初の目的を忘れて帰るところを思い出したのだ。
何か、掘り出し物の書籍がないか探すつもりだった。
ちなみに、金貨は昨日の内に宿屋で、100枚に増やしておいた。
本屋にたどり着くと、まずは店主に声をかけることにした。
あまりいい回答は期待できないが、聞くだけならタダである。
「あの、神聖魔法に関する書籍ってありますか?」
「うーん、わからんな・・・。
いろんな書籍があるからな。
自分で探してもらうしか方法がないよ。」
やはり、期待できない回答だった。
そこからルークは、書籍漁りを開始することになった。
一冊、面白い本を見つけた。
大した厚みのない本だが、戦争にて役に立つ魔術書というタイトルの本だった。
内容をさらっと確認した限り、普段使いにも役に立つ魔法があったのだ。
覚える価値はある。
ということで、一冊目ゲットだ。
神聖魔法の本は見つからなかった。
司祭以上が持つ書籍は、ここには出回っていないのかもしれない。
王都ならあるのかもしれない。
今度尋ねてみようと思った。
それから、意外な書籍を見つけた。
これも薄い書籍なのだが、光属性に関する魔術書だ。
あまり解明されていない魔法で有名だった。
とりあえず、神聖魔法に連なる光属性なら、使えるかもしれない。
内容としても問題なさそうだ。
二冊目をゲットした。
もう一冊・・・と思って探していたのだが、なかなか良品がみつからない。
夕方になってきていたため、ここまでかと思い、諦めることにした。
金額は、金貨15枚だった。
一冊目の書籍が安かったようだ。
とりあえず、袋の中に放り込むと、夕食を摂るために食堂へと向かうのだった。
翌日、クーラクの街を発ち、夕方にはペゾスの村に到着した。
さすがに約3週間近く留守にしたので、村長が心配しているかもしれないと思いつつ、村長宅を訪ねる。
「ルーク、また長い旅をしていたようだな。
何かあったのか?
あ、それから、飯食ってけ。」
ルドマンに言われるがままに、夕食をご馳走になる。
そして、旅の内容を話すことにした。
話を聞き終わったルドマンは、口をあんぐりと開けたままだった。
どうやら、あまりの出来事に、信じられないようだ。
それとも理解できずに、ショートしたのかもしれない。
「・・・ルーク、おまえはいろいろ巻き込まれているんだな。」
ようやく出て来た言葉は、ルークにとっては痛い言葉であった。
夜半に、ようやく自宅に戻れた。
そして、この約3週間に起きた出来事を日誌に纏めていく。
あまり信じられないことばかりが続くものだから、ホントに起きたのか疑うほどだ。
だが、事実に代わりはない。
ルークは一息つくと、眠りにつくのだった。




