51-7 魔物退治!
ルーク達は城を出ると、早速動き出す。
副隊長がルークに説明する。
「まずは、ここより世界樹周囲の森を巡ります。
転移魔法を使いますので、よろしいでしょうか?」
「はい、お願いします!」
瞬間、魔法陣が出現し、転移する。
出現したのは、森の中だった。
ルークは“情報整理”を発動させる。
すると、わかった。
この森は、かなり広い。
しかも、“極大規模展開術式”を使っても、すべてカバーしきれないことに。
となると、分割して使うほかなかった。
最大三回に分割して使うことになる。
次に、魔法を唱える場所を特定する。
すぐに特定完了する。
これで、OKだ。
あとは、移動して、魔法を唱えるのみだ。
「ムスターフ殿、森の全容は把握しました。
ただ、森が広大すぎるので、魔法を三回に分けて唱える必要があります。
魔法を唱えるポイントは把握済みです。
移動しますので、ついて来てください。」
「!?
承知した!
この短時間で全てを把握したのか!?」
ムスターフは驚きの表情を浮かべる。
「はい、把握しました。
急ぎましょう。
森の中にある里や村に影響が出ないうちに。」
「うむ、そうだな。」
ルークを先頭に、騎士たちは移動を開始した。
ルーク達が移動中、魔物たちが襲い掛かってきた。
だが、ルークの剣が、魔物をことごとくを葬る!
この圧倒的な早さに、騎士たちは舌を巻いた。
「何て早さなんだ!?
これが人間の魔法騎士なのか!?」
騎士は驚いていたが、ルークはどんどん進むのみである。
魔物の襲撃は収まらない。
だが、ルークの動きのほうがあまりにも早すぎた。
魔物が見つかった途端、ルークが斬り捨てていたのだから。
ムスターフら騎士の出番はなかった。
そして、一つ目のポイントに到着した。
ルークは魔法を唱え、解放する!
「“極大規模展開術式・崩滅陣”!!!」
瞬間、広範囲が、光に包まれる!
そして、魔物やあらゆる魔力が浄化されていくのだ!!
「こ、これが、浄化魔法なのか!?」
ムスターフは驚愕していた。
光が舞い、浄化が行われていく。
そして、光が収まると、静寂な森へと戻ったのだ。
慌てて一人の騎士が“情報収集”を開始する。
「隊長!
この周囲の魔物の気配が完全に無くなりました。
これが、浄化魔法の効果なのでしょうか!?」
報告した騎士は驚愕していた。
「そうか、これが浄化魔法の効果なのか。
これならば、いける!」
ムスターフは確かな手ごたえを感じていた。
その時、ルークが声をかけてきた。
「次のポイントですが、かなり遠いです。
ですから、走ります。
皆さんはゆっくりでいいので、追いかけてきてください。」
言い終わるや、ルークは走り出す。
しかも、かなり早い!
「我らも追うぞ!」
ムスターフはそう叫ぶと、走り出すのだった。
ルークは走りながらも、魔物をガンガン斬っていった。
その結果、あとを追うムスターフらは魔物に遭遇しなかった。
ただ、ムスターフらも戦う余裕はなかった。
ルークがあまりに早すぎるのだ。
追いかけるのがやっとだったのだ。
それからしばらくして、ようやく次のポイントに到着する。
魔物はかなり大量にいたのだ。
ルークは剣を手に、一気に屠っていく!
その早さに魔物はついていけず、ことごとく滅ぼされるのみである。
やがて、静寂が訪れたところで、ムスターフらが追い付いたのだ。
ルークは魔法の準備を開始する!
ルークは魔法を唱え、解放する!
「“極大規模展開術式・崩滅陣”!!!」
瞬間、広範囲が、光に包まれる。
先ほど同様、光が魔力を浄化していく。
こうして、魔物は消え去ったのだった。
「あと一か所です。
・・・って、皆さん、大丈夫ですか?」
ルークが振り返ってみると、皆、疲れ切っていた。
ムスターフも例外ではない。
追いかけるのに必死だったのだ。
疲れないわけがない。
「皆さんはここで休んでいてください。
次も遠いので、僕一人で行ってきますね。」
ルークはそう言うと、一人走り出すのだった。
そして、あっという間に姿が見えなくなるのだった。
「人間とは、かくも、体力があるの生き物なのでしょうか?」
副隊長がそんなことをぼやく。
「いや、これは彼の能力なのだろう。
だが、凄まじいな。
魔物が完全にいなくなった。
これならば、もう解決するのではないか?」
ムスターフはそんなことを言いだすのだった。
ルークは最後のポイント向かって走っていた。
そして、走りながら魔物を斬り裂いていた。
しかも、大量の魔物を斬っていたのだ。
やがて、ポイント位置に到着した。
魔物がうようよしていたが、ルークの元に到着するには、時間がかかる。
ルークはその間に、魔法を唱え、解放する!
「“極大規模展開術式・崩滅陣”!!!」
瞬間、広範囲が、光に包まれる。
魔物たちは光に飲み込まれて、消滅していく。
そして、光が収まると、静寂が訪れた。
こうして、世界樹周辺の森は、全て浄化されたのであった。
無論、“情報整理”で確認済みである。
「ふう、終わりました。
さて、皆のところに戻ろうかな。」
ルークはそう言うと、また走って戻るのだった。
ムスターフらが休んでいると、ルークが戻ってきた。
しかも、あまりにも早い戻りだったので、騎士たちは皆驚いたのだ。
「まさか、もうすでに!?」
ムスターフの言葉に、ルークがうなずく。
「はい、終わりました。
この森全土は浄化されました。
これにて、浄化は完了です。
確認してみてください。」
複数の騎士が“情報収集”を発動し、確認していた。
「た、隊長!?
確かに、ルーク殿のおっしゃる通りです。
魔物は一切いません!
村や里は無事のようです!」
「なんと!?
では、これで解決したということですか!?」
ムスターフらは驚いていた。
このルークという騎士はこともなげにやってしまったのだ。
あっさりと、この国を救って見せたのだ。
その凄さに、驚くよりほかなかった。
「・・・ルーク殿、感謝します!」
「いえ、僕はたいしたことはしていませんよ。
それよりも、皇王陛下にお知らせしましょう。
きっと安心されると思いますよ。」
「そうですな。
では、戻りましょう!
転移魔法を頼む。」
「は、はい!」
ルーク達は転移魔法にて、城に戻るのだった。
こうして、世界樹周辺の魔物退治は完了するのだった。
活動報告の方に事前に記載済みなのですが、本章にて一旦休載とさせて頂きます。
申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。