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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第51章 ハイ・エルフ編・魔物退治!
520/526

51-1 送れない結婚式の招待状。

翌日。

ルークは仕事もなく、のんびりである。

このところ、この城に他都市の政務官の出入りが激しいらしい。

皆、お風呂のことを知りたがっているそうだ。

グリディアが一手に担っているので、ルークに仕事は回ってこない。

いや、グリディアからしたら、この程度、ルークの仕事ではないと判断していた。

ということで、ルークは暇なのである。

そんな時だった。

ドアがノックされ、マークが対応する。


「ルーク様、メルディナ殿がいらっしゃいました。」


「わかりました。

 通してください。」


ルークは椅子から立ち上がると、ソファに移動する。

メルディナが頭を下げて、中に入ってきた。

そして、ソファに座る。


「どうかしましたか?」


「はい、実は結婚式の招待状を送付していたのですが、

 一通のみ送れないことが判明しました。」


メルディナは、その招待状をルークに渡す。

送り先は、エリス宛だったのだ。


「担当の魔導士が報告してきたのですが、何度送ろうとしても、送れなかったと。

 私も試してみたのですが、魔法が発動しなかったのです。

 原因がつかめませんので、ルーク様にご報告に来た次第です。」


「なるほど、わかりました。

 南の大陸の結界に阻まれている可能性がありますね。」


「結界ですか?」


メルディナが驚く。


「はい、実は、南の大陸が海上から見えた際、

 “情報整理(オーガナイズ)”と“情報収集(サーチ)”を使ったのですが、見事に弾かれました。

 恐らく、結界が原因であると判断したのです。

 とりあえず、招待状の件、僕が対応します。」


「そのようなことがあったのですね。

 わかりました。

 では、こちらを、お願い致します。」


メルディナは頭を下げると、部屋を出て行く。

ルークは手紙を片手に、椅子に戻る。

そして、“思念連結(コネクト)”を繋ぐ。


「えっと、これは、ルーク殿かな?」


のんびりとした声が響く。


「はい、ルークです。

 エリス様、ちょっとよろしいでしょうか?」


「はい、どうぞ。」


「実は、結婚式の招待状をエリス様に送ろうとしたのですが、

 魔法が発動しないそうです。

 おそらくですが、南の大陸の結界に阻まれている可能性があるのですが、

 送る手段はないのでしょうか?」


「ほぉ、そんなことが起きてるの!?

 うーん、この結界、そんなことまで妨害してたのか・・・

 調節はできないから、しょうがないな。

 ちょっと待ってね。

 “呪紋”創るから。」


「はい、わかりました。」


今、“呪紋”を創ると言った!?

そう簡単にできるものなのだろうか?


「はい、できました。

 今、送るから。」


すると、ルークの脳内に、“呪紋”の情報が流れ込んできた。


「これを手紙の封書に書いてもらえれば、送れるようになるはず。

 今、試してみて。」


「分かりました。

 少々、お待ちください。」


ルークは、急ぎ羽ペンとインクを用意する。

そして、“呪紋”を手書きする。

無論、魔力を込めて書き進める。

そして、“呪紋”が完成した。

インクを乾かすと、魔法を唱える。


「“手紙(レター)”!!!」


瞬間、手紙は姿を消した。


「どうでしょうか?

 そちらに届きましたか?」


「ちょっと待ってね・・・」


待つこと数分。


「あっ、届いた。

 おけおけ、中身もちゃんと入っている。

 ごめんね、この結界、外せないからさ。」


何らかの理由があるのだろう。

そこは加味しないといけない。


「ともかく、無事届いて良かったです。

 では、中身をご確認くださいね。」


「OK!

 必ず行くから、任せなさいって。」


エリスの中では、既に行くことは決定事項のようだ。

ルークは苦笑を浮かべつつ、“思念連結(コネクト)”を解除するのだった。

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