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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第50章 年始の挨拶に行きました。
514/526

50-5 ウォーザード伯爵への挨拶。①

翌日。

ルークは、執務室にて一本の魔剣を手にする。

バーンフレイムだ。

これをフェイドに渡すのである。

そして、一階へと移動するのであった。



馬車はいつも通り、城外門を出て止まると、ルークが降りる。

今日の目的地は、ウォーザード伯爵の城がある、都市ラークネスだ。

馬車の中には、リリアーナが乗っていた。

ルークは転移魔法を唱えると、都市ラークネスへと飛んだ。



都市ラークネスの城に到着すると、ルークは受付の執事に話しかける。


「フェイブレイン公爵と、リリアーナ嬢です。

 ウォーザード伯爵に取り次ぎをお願いできますでしょうか?」


「は、はい。

 公爵様に、リリアーナ様ですね。

 少々お待ちください。」


執事は、急ぎ城の中へと消えていく。

ここでも驚かれるな。

うーん、公爵って怖いのかな?

ルークがそんなことを考えていると、リリアーナが声をかける。


「ルーク様、その剣は?」


ルークの左手には、剣が握られていた。

バーンフレイムである。


「あぁ、これですか?

 フェイドに渡すためにもってきました。

 例の魔剣以降、彼も反省したようですし。

 彼に合う魔剣を用意したのです。

 今度は、大切に扱うと思いますよ。」


「そうですか。

 お兄様も、ちゃんと理解して使ってもらえるといいですね。」


「はい、そうですね。」


その時、執事が戻ってきた。


「お待たせしました。

 応接室までご案内致します。」


ルークとリリアーナは、応接室へと移動するのだった。



応接室には誰もいなかった。

そういえば、いつも皇帝陛下とかクロムワルツ公爵とか既に待っていることが多かったので、ある意味新鮮だった。

普通は、こちらが正しいはずなのだ。

とはいえ、ルークも先に来て待つ側なので、人のことは言えない。

ルークとリリアーナは、ソファに座って待つと、ドアが開く。

ウォーザード伯爵とフェイドがやってきたのだ。

ルークとリリアーナは立ち上がり、頭を下げる。

ウォーザード伯爵とフェイドも、頭を下げた後、ソファに座る。


「ルーク、リリアーナ、よく来た。

 リリアーナ、息災か?」


「はい、お父様。

 私は元気にすごしておりますよ。」


「そうかそうか。

 ルーク、今後ともリリアーナのこと、頼むぞ。」


「はい、お任せください。」


ウォーザード伯爵は嬉しそうな表情を浮かべる。


「さて、今日来たということは新年の挨拶であろう?

 ゆるりと、話をしよう。

 特に、ルークには聞きたいことがあるのだ。」


「はい、何でしょうか?」


「うむ。

 最近噂になっている、お風呂の件だ。

 考えたのは、ルークだと聞く。

 どういったものなのだ?」


「考えたのは僕ではないんですけどね。

 南の大陸にあったものを教えてもらって、設置しただけなんですよ。」


「そうなのか?

 お風呂は、南の大陸の文化なのか?」


「はい、そのようです。

 その文化を取り入れただけなんですよ。

 一応、許可は取りました。」


「ほぉ、そうか。

 では、どういったものなのだ?

 寒さにも効くと聞いたが?」


その時、リリアーナが説明を始める。


「お父様、お風呂というのは、体を清める場所のことなんですよ。

 普通は水で体を清めると思うのですが、

 お風呂はお湯を使って体を清めるんです。

 お湯というのは、水を温めたものなんですよ。」


「なるほど。

 では、どうやって、お湯を創り出しているのだ?

 その場で水を沸かしているのか?」


これには、リリアーナが困る。

彼女も、そこまで仕組みがわかっていないのだ。

ルークはすぐに助け船を出すのだ。


「リリアーナ、ここは僕が説明しますよ。

 お湯を沸かすのに、浴槽というものが必要です。

 その浴槽に、“呪紋”を施すことにより、水をお湯に変換するんです。

 いわば、魔法を使ってお湯を創り出していると考えてください。」


「なるほどな。

 浴槽なるものでお湯を創り出し、そのお湯で体を清めるのか。

 その浴槽なるものは、どのようなものなのだ?」


今度は、リリアーナが答える。


「お父様、浴槽は木でできたものです。

 四角の形をしたものを想像してください。

 その中に、人が2~3人入れるようなものになっています。

 その浴槽にお湯を溜めて、その中に入るんですよ。

 すると、体がとても温まるんですよ。」


「ふむ、となると、浴槽で体を温め、お湯で体を清めるということか。

 水とはだいぶ違うのか?」


「全然違いますよ、お父様。

 お湯はとても体を温めてくれます。

 とっても、ぽかぽかするんですよ。

 それに、病気や怪我とかの治療にも効果があるそうです。

 特にお兄様なんか、良く怪我をされますから、その治療にも使えるかと。」


突然、フェイドの話が出てきたので、フェイドは焦る。


「いや、俺はそんなに怪我していないって!」


念のため、フェイドは怪我していないことを告げておく。


「なるほどな。

 お湯というのは、素晴らしいものなのだな。

 ぽかぽかするものなのか。

 この地は寒いからな。

 お風呂とやらがあれば、寒い冬も乗り切れそうだな。

 ルークよ、この城にも設置できるのか?」


「もちろん、できますよ。」


ルークがそう言うと、リリアーナが割り込んだ。


「お父様、絶対に設置すべきです!

 特にお父様は公務でお忙しいですから、

 その体を癒すために、お風呂は必要です!

 すぐにでも設置してください!」


リリアーナが勢いよく言ったのだ。

これには、伯爵も驚く。


「リリアーナ、落ち着け。

 わかったわかった。

 ・・・いやいや、娘には敵わん。

 ルークよ、設置の件だが、政務官を派遣する。

 費用や工事について教えて欲しい。」


「わかりました。

 お任せください。」


ルークはうなずくのだった。

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