4-6 野盗の襲撃!?
昼過ぎ。
一休みした後、歩き出していたら、人らしきものが騒いでいるのが見えたのだ。
少し遠いため、状況はよくわからないが、人が一人倒れているのが見えた。
そして、女性らしき人が襲われているようだ。
周辺の男たちは、ロングソードやナイフを手にしている。
何か、事件のようだ!
ルークは自然と走り始めていた。
そして、思わず叫んでいた。
「おおーい、何してるんだ!!」
その声に、男たちがルークに気が付く。
「おい、やばいぞ。」
「おまえ、あいつの足止めをしろ!
俺たちは、こいつらを殺すんだ!」
そして、一人の男が、ルークに向かって、走り出す。
その手にはナイフが握られていたのだ。
明らかな敵対行為である。
ルークは、剣を抜き、すれ違いざまに斬り捨てる!!
「ぐあぁぁっ!!」
「!?」
男の叫び声に、女性を襲おうとしていた男たちが振り返る。
ルークはその間、走り続けていた。
そして、男たちに近づくや、剣を閃かせる!
あっさりともう一人、斬り捨てる!
残り一人だ!
「ク、クソッ!!!」
男はロングソードをルークに向かって振りかぶるが、遅い!
ルークは胴薙ぎで男を斬り捨てたのだ。
男たちは事切れていた。
ルークは、剣をしまうと女性に近づく。
「大丈夫ですか?
お怪我は?」
「は、はい、私は大丈夫です。
ポールが怪我をしています!」
ポールとはどうやら倒れている男性のようだ。
うめいているが、生きているようだ。
ルークはすぐさま、ポールの怪我の状態を確認する。
ロングソードに斬られたのであろう、斬られた傷が右肩から胸にかけてあったのだ。
傷は少し深いようだ。
急いで治療する必要があった。
ルークは怪我の箇所に右手のひらを当て、魔法を唱える。
「“回復”!!!」
「えっ!?」
女性がびっくりした声を上げていたが、とりあえず無視だ。
ルークは回復力を強化するため、魔力を込めていた。
すると、かなり早い勢いで、傷が塞がっていったのだ。
「よし、これで傷は塞がったはずです。
あとは、少し休んで体力を回復すれば、動けるようになりますよ。」
ルークは大きくため息を吐く。
これほど真剣に魔法を使ったのは初めてかもしれない。
傷が塞がった安心感からか、ため息が出たのだ。
「ありがとう。
とりあえず、ここを離れたいんだけど、いいかしら?」
「そうですね。
じゃ、その林の中に身を隠しましょうか?」
「えぇ、そうしましょう。」
ルークは、ポールを担ぐと、林の中へと入っていく。
そしてその場には、3人の遺体のみが残されるのだった。
ポールが気が付いたのは、その日の夜だった。
その間ルークは、火をおこし、たき火を用意していた。
林の中は日が当たらないが、風を防いでくれるため、寒さは緩和されていた。
「こ、ここは?
お嬢様は?」
「ポール、気が付いたのね。
よかったぁ。」
ポールと呼ばれた男性はゆっくり起き上がると、あたりを見回す。
そして、女性を確認すると、次にルークを見る。
「あなたが助けてくださったのですか?」
「あ、はい。
偶然通りかかったので。」
「誠にありがとうございます。
命の恩人に、何もお返しできませんで申し訳ありません。」
「あ、いいんですよ。
とりあえず、怪我の具合はどうでしょうか?」
そう言われて、ポールは斬られたことを思い出す。
右肩から胸への傷は完全に塞がっていた。
さすがに服は治せないので、斬られたままであったが。
「傷が塞がってます。
これもあなたが?」
「痛みとかないですか?
あれば、治癒魔法をかけますよ。」
「いえ、痛みはありません。
誠にありがとうございます。」
ポールは頭を下げる。
「それならいいんです。」
「あの、質問いいかしら?」
その時、ルークは女性から問われる。
「はい、なんでしょう?」
「あなた、司祭なの?
・・・いや、剣を持ってるから、それはないか。
じゃ、なんで、中等の回復魔法が使えるの?」
「えっと・・・」
ルークは返答に困ったが、正直に答えることにした。
「神聖魔法の教本で回復魔法を学んだんですよ。」
「ホントに?」
「はい、ホントです。」
女性は疑っているようだ。
ルークは更に困った。
女性はふむといった表情を浮かべ、ようやく言葉を紡ぐ。
「回復のスピードが異常だったのよ。
普通の“回復”でも、あんなに早く傷はふさがらないもの。
だから、あなた、魔導士なんじゃないかって疑ったのよ。」
「魔導士」と聞いて、ルークはびっくりした。
魔法使いより上位の存在である。
ルークが目指す先にある上位の存在である。
「一応、僕は魔法使いなんですが・・・」
「へっ?
魔法使いなの?
なのに、あんな凄い剣技はなんなの!?」
なんか否定されている感があり、ルークはいたたまれなくなった。
その時、助け舟が現れる。
「お嬢様、悪い癖が出ていますよ。
命の恩人に質問攻めはよくありませんよ。
その辺にしないと。
この方も困っているではありませんか。」
「あっ、ごめんね。
いつもの癖なの。
ごめんね。」
女性は、平謝りした。
「いえ、大丈夫です。
剣技は必要かと思って習得したんです。
それだけです。」
それ以上は話す必要はないと思い、ルークは黙っておくとした。
クーラクの騎士に稽古をつけていたなんて知れれば、大変なことになりかねない。
「それにしても、とっても強いのね。
助かったわ、ありがと。」
「・・・そういえば、自己紹介してませんでしたね。
僕の名前はルークです。」
「私はミレーナよ。
こっちは、執事のポールよ。」
ようやく、自己紹介ができたのであった。




