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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第39章 皇太子の結婚式に参加してきました。
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39-4 王都へ。

三日後、ルーク達の馬車は、王都に到着した。

そのまま、ホテルに移動する。

騎士たちとは一旦ここで、お別れである。

騎士たちは、普通の宿で休むことになる。

ルークたちと同じホテルは使えないのだ。

ホテルは、貴族のみ使用可能なのだ。

ルークとアリシア、レイヴンはそれぞれ別室となり、別れた。

一応、同じ階にはいるので、会うことはいつでも可能だ。

ルークは部屋に入ると、二人のメイドが付くことになる。

ちなみに二人とも、連れてきたメイドだ。

しばし、のんびりと過ごすことになった。

といっても、やることは一切無い。

仕事は無いし、ここでお茶を飲んで過ごすのも、味気がない。

ということで、ちょっと出かけることにした。

ルークは剣を()いた状態で、外に出かけることにするのだった。



王都は、以前と変わりない。

相変わらず人が多く、にぎわっていた。

ルークはとある場所に向かって歩いていた。

それは、本屋だった。

そう、魔術書を購入していた、あの本屋だ。

ユーディスは元気にしているだろうか?

そんなわけで、ちょっと寄ってみることにした。

本屋は前と変わらず、同じ場所にあった。

かなり久しぶりに、ドアを開き中に入る。

本の古い匂いが立ち込めていた。


「・・・ほう、お客さんかな?」


奥の方から、ユーディスがやってきた。

そして、ルークを見るや、驚く。


「おぉ、久しいな、ルーク様。

 今日は何をご所望かな?」


「いえ、今日は、ちょっと立ち寄っただけです。

 本を買いにきたわけではないですよ。」


「そうか。

 では、おあがりなさい。」


ユーディスは二階に向かって歩き出す。

ルークも従うことにした。



二人は、椅子に腰かけると、会話を開始する。


「噂で聞いていたが、貴族になったそうだね?」


「はい、フェイブレイン家を継ぐことになりました。

 今は、隣国ミーディアス王国の王都だったミルディアの領主です。」


「大したものだ。

 魔法騎士様が、そこまで大きな存在になるとはね。」


ユーディスは嬉しそうだ。


「いえ、まさか公爵家を継ぐとは思っていなかったので、

 当時はびっくりしましたけどね。

 僕は、領主というよりは、魔法騎士で一生過ごすと思っていたものですから。」


「まぁ、誰しもそう思うだろうな。

 だが、変化は常に巡り巡ってやってくる。

 それがたまたま早いタイミングで訪れたのだろうな。」


「そうですね。

 僕の場合は、早すぎませんかね?」


「はっはっは。

 確かに君はまだ若いからね。

 早すぎるかもしれないね。」


ユーディスはそう告げると、一口紅茶を飲む。


「そういえば、ユーディスさんは、内政に詳しいですか?」


「ん?

 何故そんなことを聞くのかね?」


「いえ、レイヴン・・・じゃなかった、ミルドベルゼ伯爵が内政が忙しいと

 言ってまして、内政に詳しい方を補佐につけたほうがいいのかなと

 考えたので。」


「なるほど、彼も出世したのか。

 領主となった以上、以前以上に忙しいのだろうな。

 しかし、私は、魔術以外はさっぱりだ。

 内政のことはわからないのだ。

 すまないね。」


「いえ、変なことを聞いてすみません。

 魔導士の中にも、内政に詳しい方がいたものですから、

 他の魔導士の方はどうなのかなと思いまして。」


「なるほどな。

 魔導士協会ならば、そういった人材はいるかもしれないな。

 例えば、貴族の子息であれば、内政に多少は詳しいだろうな。」


「そうですか。

 そういえば、メルディナ殿は、一般人だったな・・・

 どうやって詳しくなったんだろう?」


ルークは今になって、そんなことを疑問に思うのだった。

そこで、ユーディスが自分の考えを述べるのだ。


「人によっては、専属の魔導士だけでは食べていけないのかもしれないな。

 そこで、内政を勉強するようになったのかもしれない。

 魔導士とは、知識あるものだから、内政に興味が向く者もいるのだろう。」


「そうですね。

 確かに、僕の専属魔導士は、魔導士というよりは、

 政務官みたいな仕事をしていますからね。」


「はっはっは、それは愉快だね。

 だが、君の場合、専属魔導士は不要ではないかね?

 魔法騎士を上回る魔導士はおるまいて。」


確かに、その通りだった。

ルークは四系統を極めた大魔道士である。

本来であれば、専属魔導士は不要なのだ。

だが、メルディナを採用したのは、内政に詳しいというポイントがあったからだ。

もし、魔導のみであったならば、採用していなかったかもしれないのだ。

ともかく、内政に詳しい専属魔導士の件は、保留だな。

ルークはそう考えるのだった。

それから、ユーディスと雑談を行い、夕方に差し掛かったところで退出することにした。

ユーディスとは有意義な会話ができた。

二人は、最後に握手を交わすと別れるのであった。



夕食は自室で摂ることになった。

このホテルには食堂がないわけではない。

だが、他にも多くの貴族が来ていたのだ。

理由は、ルーク達と一緒だ。

遠方の貴族が集まっていたのだ。

ルークはある意味、有名な存在だ。

目立つこと間違いなしである。

ということで、安易に食堂を利用できないのだ。

そこで、メイドに依頼し、食事を持ってきてもらったのだ。

そんなわけで、一人寂しく夕食を摂ることになったのだが、その時、ドアがノックされる。

メイドがドアを開くと、アリシアが入り込んだのだ。


「ルーク様、夕食、一緒に食べようよ~。」


アリシアの後ろには、メイドのマーシャが食事を持った状態で控えていたのだ。


「ええ、いいですよ。」


アリシアもどうやら食堂で食事を摂るのをやめたようだ。


「アリシアならば、食堂で食べても問題ないのでは?」


「そう思ったんだけど、私、一応皇女なんだよね。

 ちょっと忘れてたから、遠慮することにしたの。」


「そうでしたか。

 じゃ、明日以降も、一緒に食べますか?」


「うん、一緒に食べよ。」


ということで、決定したのだった。



二人は食事をしながら、会話する。


「ところで、結婚式はいつなの?」


「えっと・・・」


ルークは招待状を見直す。


「あと、四日後ですね。

 その前に、クリシュナ殿下に会うため予約したのですが、

 まだ返事はないですね。」


「なんで、事前に会うの?」


アリシアはすぐに質問をした。


「実は、殿下と奥様に渡したいものがありまして。

 結婚式前に渡しておこうかと思いまして。」


「私も行っていい?」


アリシアも会いたがっているようだ。

ルークはうなずく。


「分かりました。

 では、連絡があったら、アリシアも同伴してもらいますね。」


「うん、お願いね。」


そんなわけで、結婚式前に、アリシアも同伴することに決まった。



しかし、連絡はなかなか来ず、結婚式前日に、連絡が来るのだった。

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