39-3 都市ルクサスメリルへ。
王都まで、あと三日の距離となった。
途中、都市ルクサスメリルへと寄ることになった。
その途上で、レイヴンは気が付いたのだ。
「ん?
揺れが小さくなったが、これは?」
レイヴンは外を見て、驚く。
「ほう、道に敷石が敷かれているな。
これは、まさかルークの仕業か?」
レイヴンはそう言うと、ルークを見やる。
「そうですよ。
あれはまだ途中ですが、街道を敷設しているんです。」
「街道だと!!?
君はとんでもないことを考えるものだな・・・」
レイヴンは驚くばかりだ。
「もしやと思うが、ミルディアでも同じことを考えているのではあるまいな?」
「実は、現在進行形で、計画が進んでいます。」
レイヴンは呆れた表情を浮かべる。
「やれやれ、これは、国家事業並みの大規模な事業だ。
それを一個人の貴族がやるなんて、前代未聞だぞ!
君は、すごいことを平然とやらかすものだな。」
「そうでしょうか?
僕としては、各都市の活性化を狙って、事業を興したにすぎないのですが。」
「その考えが、とんでもないことなんだよ。
だが、君ならばできるかもしれないな。
全く、とんでもない公爵様だ。」
レイヴンは苦笑を浮かべる。
確かに、ルークのやっていることは、とんでもないことであった。
国家事業並みの大きな事業だ。
本来は、国家が率先して行うことを、一個人である貴族が行っているのだ。
とんでもないと言われても、しょうがないのだ。
「でも、レイヴンも、この事業に乗っかれると僕は思いますよ。」
「ん?」
レイヴンは疑問符を浮かべる。
「現在、宿場町の設営も行っております。
これにより、税収が見込める予定です。
それと、各都市に名産品を用意して頂ければ、栄えると思いませんか?」
「!!?
君は、そこまで考えていたのか?」
「えぇ、ちゃんと考えていましたよ。
ですから、街道が出来上がったら、説明するつもりでした。」
「なるほどな。
それに、人の流れが発生する。
それだけでなく、物流の流れも良くなるだろう。
下手をすると、商売の血路にもなるということか・・・」
レイヴンは熟考し始める。
話が止まるくらい、真剣に考え始めたのだ。
これは、あとで色々聞けそうだ。
ルークは期待することにしたのだった。
ルークたちの馬車は、都市ルクサスメリルに到着するのだった。
今日はここで一泊する予定であった。
城にも寄りたいが、今は用事がない。
高級宿屋で一泊するのであった。
翌日、王都へ向け出発するのだった。
あと、三日ほどで到着する予定であった。