38-7 結婚式の招待状。
翌日。
ルークは今日もすることがなく、お茶を飲んでいた。
その時だった。
魔法の気配を感じ、机を見ていると、手紙が出現したのだ。
すぐに受け取り、確認する。
送り主は、クリシュナだった。
早速中身を確認する。
「結婚式のご案内か。」
日取りが決まったようだ。
3週間後だが、日数的にそろそろ向かわないといけないことになる。
早めに王都に入るべきだなと判断した。
王都に入った後、ホテルに宿泊する必要がありそうだ。
一応、この時代にもホテルは存在する。
しかも、高級ホテルのみである。
執事やメイドが付いた、大きくて綺麗なホテルである。
基本、貴族しか使えない。
王都にはホテルがあるので、そこを借りるとしよう。
早速、レイヴンに“思念連結”を繋ぐ。
「ルークか?」
「はい、そうです。
結婚式の招待状が届いたのですが、レイヴンのところにも届きましたか?」
「あぁ、先ほど届いた。
早めに向かわんとならんな。
ホテルも取らねばならんだろうな。」
「そうですね。
お金も持っていくとしましょうか。
いつ頃、行かれますか?」
「うーん、そうだな、明後日かな。
では、まず、ミルディアに寄ることにしよう。
それから一緒に行動しようか。」
「そうしましょう。
では、こちらも支度しますね。」
「あぁ、わかった。
では、また今度。」
ここで、“思念連結”は切れた。
ルークは、すぐにマークに指示を出す。
「マーク、4日後にここを出発しますので、馬車と護衛の準備を。
それと、結婚式がありますので、スーツの準備とメイド数名もお願いします。」
「承知しました。」
マークは、外にいる執事たちに指示していく。
ルークは、一旦アリシアの部屋に向かうことにするのだった。
ルークがアリシアの部屋に訪れると、アリシアはお茶を飲んで一服中だった。
「どうしたの、ルーク様?」
「結婚式の招待状が届きました。
4日後に出発しますので、準備をお願いします。」
「はい!?
そんなにすぐなの!!?」
アリシアは驚く。
「そうですね、ここは王都より離れていますからね。
早めに行って、王都で待機する予定ですよ。」
「そうなのね。
じゃ、結婚式用のドレスと靴なんかを用意しないと・・・」
アリシアは、部屋付きのメイドにお願いすることにした。
メイドは、すぐに動き出す。
「ドレスや靴とかは、馬車に詰め込みますので、荷物はほぼ不要かな。
あとは、部屋付きのメイドを連れて行きますか?」
「うーん、そこは誰でも大丈夫かな。
マーシャがいいかも。」
「わかりました、マーシャに依頼しましょうか。」
「うん、お願い!」
これで、アリシアも準備を進めるだろう。
念のため、他の女性陣にも確認したが、誰も行くとは言わなかった。
ということで、行くのはルークとアリシアのみとなるのだった。