表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第37章 引っ越しすることになりました。
385/526

37-6 引越し。②

ルークは執務室に戻ると、片付けを始める。

大きめの袋に、魔術書なんかを突っ込んでいく。

かなり数があるので、あとで、荷馬車まで運んでもらおう。

運びやすいように、袋ごとに分けておく。

これで良し。

あとは、服だが、大した数は無い。

袋に詰めてお終いといったところだろう。

最終日にメイドに命じてやってもらうことにしよう。

ということで、ルークの引っ越し準備はすぐに終わるのだった。



夜も深くなり、眠ろうかと寝室へ移動しようしたところ、二人のメイドに捕まった。

マーシャとルーティアだった。


「ルーク様、姉様がルーク様についていくって事実なのですか?」


「私もその辺のこと、お聞きしたいです。」


二人に同時に言われ、ルークは驚く。


「とりあえず、どこか入って話しません?」


ということで、応接室に急遽入った。

二人はルークの対面に座ると、ルークを睨んできた。


「先ほどの件は、事実ですよ。

 メルディナ殿が希望しました。

 それが何か?」


「私たちも、一緒についていきたいです!」


「私たちも姉様についていきたいです!」


「えっと、そういうことであれば、問題ないですよ。

 ちゃんとルドルフに、伝えてくださいね。

 それと、引っ越し準備も忘れずにね。」


「「はい、ありがとうございます!!」」


同時に、挨拶する二人。

ルークは驚くものの、二人は本当に姉が好きなのだと思うのだった。



それから三日経った。

城内は、片付けで忙しく動いているわけでもなかった。

どうやらみんな、荷物が少ないようだ。

ソファやテーブルにベッドといった大きなものは、一切持ち出す予定はない。

持っていくのは、身の回りの服や本、それから貴重品くらいだった。

それ以外は、基本置いていく。

ルークは宝物庫の中身を全て売り払った。

魔法具以外は役に立たないと判断したからだ。

それから、メイリアに紹介された、魔法具置き場の部屋は、全て片付けて持ち出すことにした。

こちらは、既に執事やメイドによって、片付けが遂行されていた。

外には、荷馬車が二台用意され、二台ともに荷物が乗せられていた。

後は、運び出すのみである。

花嫁たちも準備完了だし、引き継ぎを残すのみとなった。

今日あたりに、マクドフェルド侯爵が来る予定なのだが、なかなか来なかった。

忙しいのだろうか。

ルークは、魔法具を一つ作っていた。

例の“大規模展開術(アーク・)式・瞬間移動(テレポート)”を封じた、宝珠だった。

一回しか使えないが、マクドフェルド侯爵にとっては、ありがたい品となるはずだ。

そんな時だった。

ドアがノックされ、ルドルフが対応する。


「ルーク様、マクドフェルド侯爵がいらっしゃいました。

 いかが致しましょうか?」


ようやく来たようだ。


「応接室に通してください。

 僕も行きます。」


ルークは立ち上がると、応接室へと向かうのだった。



ルークが応接室で待つことしばし、ドアがノックされ開く。

マクドフェルド侯爵は、頭を下げ、中に入ってきた。


「よくぞいらっしゃいました。

 さぁ、どうぞ。」


「失礼致します。」


マクドフェルド侯爵は、ルークの対面に座る。


「では、引き継ぎの件ですが、まずは、政務官を呼びますね。」


ということで、ルークは、ガイマンを呼び出した。

ガイマンはルークの隣に座った。


「彼の名はガイマンです。

 このルクサスメリルの政務官の長を務めています。」


「ガイマンと申します。

 よろしくお願いします。」


「ラーカス=マクドフェルドです。

 こちらこそ、よろしくお願いします。」


二人は互いに頭を下げる。


「実は、ガイマン殿に進めさせている事業があります。

 一つ目は、街道の整備です。」


「街道と言いますと、あの敷石を敷いている件ですな。

 今は、都市メリアードに向けて敷いているものですな。」


「そうです。

 これを今度は、王都に向けても敷設する予定だったんです。

 なお、必要なお金は僕のほうで用意しました。

 後は、計画を実行するのみなのですが。」


ガイマンが言葉を引き継ぐ。


「計画には、十年近くかかる見込みが出てまいりました。

 そこで、ルーク様の二つ目の計画であった、宿場町の設営を行っております。

 その宿場町に沿って、街道を整備する予定です。

 宿場町は、順調に進んでおります。

 あと、2年ほどで全て完成する見込みです。」


マクドフェルド侯爵は、ほうと関心する。


「となると、宿場町があれば、街道も必要ということになりますな?」


「はい、そうです。

 街道があれば、人の流れがより多くなるはずです。

 そうなれば、都市ルクサスメリルに訪れる人の数も増えることになるはずです。

 そこで、三つ目の計画である、特産品の作成です。

 こちらも、現在進行中です。」


「なるほど。

 名産品があれば、人が寄ってくる。

 確かに、今まで考えもしなかったことを、ルーク様は考えられたのですな。

 さすがでございます。」


「これらの事業を引き継いで頂きたいというのが、僕の希望です。

 今のところ大きな問題もなく進んでいます。

 いかがでしょうか?」


マクドフェルド侯爵は即決だった。


「無論、私にお任せください。

 必ずや遂行して、成功させましょう。

 何かあれば、ルーク様に相談致します。」


「分かりました。

 では、ガイマン殿、引き続きこの計画を進めてください。」


「承知しましたぞ。」



それから、細々とした引継ぎを行い、終わりとなった。


「マクドフェルド侯爵、これを渡しておきます。

 引っ越しの際、お使いください。」


ルークは、宝珠を渡す。


「これは・・・?」


マクドフェルド侯爵は宝珠を受け取り、質問する。


「“大規模展開術(アーク・)式・瞬間移動(テレポート)”を封じた宝珠です。

 荷物を運ぶのも手間でしょう。

 これを使って、一括で運んでください。」


「なんと!?

 これはありがとうございます。

 是非とも使わせて頂きますとも。」


マクドフェルド侯爵は、懐に宝珠をしまう。


「では、四日後に再度参ります。

 失礼致しました。」


マクドフェルド侯爵は立ち上がると、応接室を退出していった。

引継ぎ作業は、終わった。

残りは、引っ越しのみだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ