36-2 王都侵攻。
敵軍がほぼ壊滅した状態で、攻撃を一旦止め、軍議を行うことになった。
こちらの軍は、再び隊列を整えつつあった。
「皆さん、ご苦労様です。
では、まずは、城外門周囲を包囲してください。
それから内部の敵の数はどうでしょうか?」
ルークはメリッサに問う。
「はい、逃げ込んだのが400名ほどになります。
ここから正面の城外門に固まっています。」
正面の門はしっかりと閉じられていた。
「じゃ、僕らはここから侵入し、敵を殲滅しましょう。
城外門を破壊、侵入に成功した後、各城外門の制圧に動いてください。
兵士200ずつ、計600の兵力で十分でしょう。」
「承知しましたぞ。
ただちに、準備致します。」
グレッグ団長がうなずく。
「それと、クロウ殿とゼルディア殿を呼んでください。
城外門破壊後、僕とメリッサ殿を含めた4人で、王城を目指します。
マクドフェルド伯爵、1000の軍勢を率いて、王城を囲ってください。」
「承知しました。」
「では、まず、城外門の周辺包囲に取り掛かってください。」
軍議は終わり、早速動き出すのだった。
王都ミルディアには、他の都市と異なり、四か所の城外門が存在する。
それぞれ、東西南北に一か所ずつ存在するのだ。
正面の門は南門であるため、それ以外の門には2000の兵士を回し、包囲を行ったのだ。
これにより、敵兵は完全に包囲された状態となる。
もはや、逃げ道はない状態となるのであった。
城外門を包囲した後、ルークは一人で正面の城外門に近づく。
その時、城外門が開いたのだ!
ルーク一人と侮ったのだろう。
約500の兵士が一斉に襲い掛かってきたのだ!
だが、ルークは慌てることなく、魔法を唱え、解放する!
「“極大炎熱波動”!!!」
巨大な炎の球が正面にいた兵士たちを巻き込み、大爆発を巻き起こす!!
正面にいた兵士たちは爆発に飲み込まれ、焼死する!
爆発を避けられた兵士たちは、これにはたまらず下がった瞬間だった!
ルークが“瞬間移動”で出現し、敵の首を斬り裂いていく!
赤い血の雨が周囲一帯に降り注ぐ中、ルークは次々と敵を屠っていく!
やがて、動く者は、ルーク一人となった。
城外門一帯は、真っ赤に染まっていた。
敵を殲滅した後、ルークは手招きして、軍を呼び寄せる。
まず最初に600人の兵士たちが、城外門に侵入し、内部から各城外門へと攻め入るのだ!
そして、ルーク、クロウ、ゼルディア、メリッサの四人と、マクドフェルド伯爵が率いる1000の兵士が、王城に向かうのだった。