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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第35章 ミーディアス王国侵攻編・侵攻。
368/526

35-7 3万の軍勢を撃破!①

それから三日間、移動の日々が続いた。

その間に、ルークら北方侵攻軍は、三つ目の都市を制圧していた。

クリシュナの南方侵攻軍は、夕方に三つ目の都市の前に到着する。

目の前には、約3万3000の軍勢が控えていたのだ。

夜になるため、戦うことはない。

決戦は明日だった。



翌日。

クリシュナは軍議を開く。


「さて、目の前の軍勢だが、これを駆逐する必要がある。

 我らは負けられないのだ。

 ということで、秘策を使うことにした。」


クリシュナは、宝珠を掲げる。


「これは、英雄と誉れ高い、魔法騎士ルークが創った魔法が封じられている。

 これを使うことにより、我らは一騎当千の力を得ると言われている。

 いいか、これを戦いの前に使う。

 全員、敵に突撃し、その成果を示すのだ!」


「「「おおっ!!!」」」


掛け声が沸き起こる。


「レヴィ、敵の動きに変化はないか?」


「はい、目の前の敵に動きはありません。

 新たに王都ミルディアに集結した3万の軍勢は、東に流れ始めました。

 これは明らかに、北方侵攻軍に対する抑えとなるでしょう。」


「うむ。

 では我らは、ここで3万の敵兵力を叩き潰し、王手をかけるのだ!

 ルークが3万の軍勢を打ち破った時点で、敵はもはや裸同然となる。

 我らは勝つぞ!」


「「「おおっ!!!」」」


更に掛け声が沸き起こる。


「では、行くぞ、諸君!

 我らはここで勝ち、敵都市を制圧するのだ!」


クリシュナは、宝珠を片手に、テントより出ていくのであった。



クリシュナは、軍の最後尾にて、宝珠を掲げる。

そして、魔法を解放する!


「“軍団魔法(コープス)”!!!」


途端、全軍に淡い光が包み込まれる。

兵士たちは自分が光っていることに、驚いているようだった。

次に、クリシュナは、剣を引き抜き、掲げる。


「全軍、出撃!!」


途端、前衛の騎士たちが敵に向かって進んでいく。

クリシュナは後衛のため、動くことはないが、全軍が動くさまを眺めていた。

いよいよ、戦争が始まるのだ。

唾を飲みこみ、じっと見つめるのみだった。

そして、戦争が始まるのだった。



近衛師団は前衛にいた。

今回はなんとしても手柄を立て、近衛師団の強さを見せつける必要があったのだ。

ひとえに、それはクリシュナ殿下のためでもあった。

ベルガ―は剣を引き抜き、敵を斬り裂く。

だが、感触がいつもと違うことに気が付いたのだ。

力を入れずとも、あっさりと斬り裂けたのだ。

これは、まさか!?

ベルガ―は次々と敵を屠る。


「いや、間違いない!

 これが魔法の効果なのか!!?」


ベルガ―は戦慄していた。

ベルガーはほんの少し斬り裂く程度の力しか込めていないのに、あっさりと人が斬れるのだ。

恐ろしいまでの魔法の威力であったのだ。


「これが、ルークの魔法なのか!!?

 ここまで威力が出せるとは・・・!!?」


ベルガ―は驚愕しながらも、手を緩めることはなかった。

敵が、まるで紙のごとく斬り裂けるのだ。

しかも、感触も残さずに。

骨すらも軽く断ち切っていたのだ。

これは、間違いなく、一方的な殲滅戦になる。

ベルガ―は、ルークの魔法を恐ろしく感じたのだった。



戦場の変化は、クロムワルツ侯爵にもすぐにわかったのだ。

あまりの強さで、こちらの軍が前に進んでいくのだ。

完全に押しているのだ。

しかも、幾つかおかしな点も見付けたのだ。

まず、人があっさりと胴切りで、上下に分かたれたのだ。

普通の剣士には不可能だった。

特に鋼の剣では無理な話であった。

それが、目の前で繰り広げられたのだ。

そしてもう一つ。

敵の攻撃を受けた者が無傷だったのだ。

明らかに斬り裂かれたにも関わらずだ。

血も出ておらず、怪我をした様子もないのだ。

これには、敵も気づいたようだ。

味方が一切、攻撃を受けないのだ。


「まさか、これが、ルーク様の魔法の効果なのか・・・」


クロムワルツ侯爵は戦慄した。

それと同時に、狂喜したのだ。

無論、表情には出さないのだが。

これは、負けを知らないわけだ。

これは、恐ろしい魔法だった。

そして、これは、絶対無敵の魔法であった。


「これが、ルーク様の実力・・・

 ふっふっふ、素晴らしいではありませんか!」


クロムワルツ侯爵は思わず口に出していた。

まさか、ここまでとは思わなかったのだ。

だが、彼の前で展開されている虐殺に、歓喜せざるを得なかったのだ。

クロムワルツ侯爵はルークの恐ろしさと同時に、その実力の高さに、喜ぶのみだった。

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