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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第35章 ミーディアス王国侵攻編・侵攻。
367/526

35-6 南方2つ目の都市制圧。

翌日、朝。

レヴィは、早速、ルークに“思念連結(コネクト)”で連絡を行う。


「ルーク様ですか?」


「はい、レヴィさん、おはようございます。」


「おはようございます。

 状況についてお聞きしてよろしいでしょうか。」


「まず、二つ目の都市を制圧しました。

 今日は三つ目の都市に向けて進軍を開始します。」


「了解しました。

 こちらは、二つ目の都市に進軍中です。

 本日中には到着する予定です。」


「わかりました、ありがとうございます。

 それとレヴィさん、三つ目の都市の変化に気付いていますか?」


「三つ目の都市ですか?」


レヴィは調べていなかった。


「敵の軍勢3000が、都市外に展開しています。

 王都の軍勢3万がそちらに向かう可能性がありますので、注意してください。」


「わかりました。

 こちらでも確認してみます。

 王都ミルディアにも動きがあったのですか?」


「昨日の時点では、3万の軍勢が出来上がっていました。

 今のところ、東か南かどちらに動くのかは不明です。」


「なるほど、了解しました。

 こちらでも、偵察を行います。」


「以上、報告となりますが、他に何かありますか?」


「いえ、特にございません。

 ありがとうございます。」


「ではまた明日。」


「はい、失礼します。」


思念連結(コネクト)”は切られた。

レヴィは、宝珠を使って、三つ目の都市と王都周辺を確認するのだった。



クリシュナは朝の軍議を行う。

今日も進軍の予定だったが、軍議は必ず行うのだ。


「レヴィ、ルークの北方侵攻軍の状況を教えてくれ。」


「はい、北方侵攻軍は、二つ目の都市を制圧したとのことです。

 今日は三つ目の都市を目指して進軍するとのことです。」


「なるほどな。

 予定通りか。」


「それから、ルーク様が気になることを報告してまいりました。

 南方の三つ目の都市にて、3000の軍が都市外に展開しています。

 私も確認した限り、事実でした。

 それと、もう一つ。

 王都に展開していた2万の軍が3万の軍と増員されています。

 この軍がどちらに向かうか、現状判断できません。」


「ふむ、となると、南に来る可能性が髙いですな。」


クロムワルツ侯爵はそう告げる。


「何故、そう思われる?」


「簡単なことです。

 2万の軍勢は、西側の軍勢となります。

 よって地理的には、南側が最も西側に近い。

 東側に派遣するよりも、南側に派遣したほうが良いと考えるでしょうな。

 それに、我らがだいぶ近づいていることにも気づいているのでしょう。

 まずは、南を抑え、東側は王都の軍を派遣すると、私は考えます。」


「なるほどな。

 確かに、それならば、3000の軍の展開には納得がいく。

 合流するつもりなのだろうな。」


「ここはまず、二つ目の都市の制圧に集中しましょう。

 敵は合流しても、こちらに攻め寄せるとは限らないでしょう。

 ほぼ互角の軍事力ですからな。

 待ち構える可能性が髙いでしょう。」


クロムワルツ侯爵の言葉に、クリシュナはうなずく。


「そうだな。

 まずは、二つ目の都市の制圧に集中しよう。

 レヴィ、偵察を任せる。」


「はい、承知しました。」


こうして、方針は決まった。

三つ目の都市の動向については、レヴィに任せることになったのだった。



夜には、二つ目の都市の近くまで到着したのだが、一旦停止した。

そこで、休息をとることになった。

レヴィは、三つ目の都市を偵察していたものの、変化はなかった。

王都の軍勢も動く気配が無い。

明日も、偵察する予定だった。



翌日。

クリシュナは、都市の城外門周辺を包囲し、破城槌にて門を破壊することにした。

都市内の軍勢は、一つ目の都市と同様、城外門に500人の兵士が詰めていた。

そして、城に1500名の兵士が詰めていた。

前回と全く一緒だったので、前回同様、まずは門の破壊から開始されたのだ。

破城槌は勢いよく、門の破壊行動を行う。

その内、一つの門が破壊され、兵士がなだれ込んでいく。

敵の兵士は殲滅されていく。

他の門も破壊されて、兵士が攻め入るのみであった。

こうして、前回同様、三か所の城外門は占拠され、残るは城のみとなった。

この結果に、クリシュナは満足した。

しかも、被害も軽微であり、怪我人は回復術師により回復されるのだった。

明日は、城攻めである。



翌日。

軍議の場である。


「いよいよだな。

 レヴィ、敵軍の動きはどうだ?」


「はい、動きがありました。

 王都に展開していた3万の軍勢は、南へ向けて進軍しています。

 間違いなく、三つ目の都市に到達するものとみられます。」


王都の軍はまっすぐに南下していたのだ。

クロムワルツ侯爵の予想通りの動きだった。


「となると、王都の兵力は残り3万。

 これは、東側に展開されるでしょうな。」


「敵も焦っているということか。

 ならば、次の戦いが王手をかけることになるのだな。」


「左様。

 次の戦いは必ず勝たねばなりませんぞ。」


クロムワルツ侯爵は気合が入っていた。


「そうだな。

 その時は、ルークの必勝の策を使う時か。」


クリシュナも覚悟を決めた。


「だがその前に、まずはここの城を落とす。

 そこからだ。」


クリシュナは、油断していなかった。

まずは目の前の敵を潰すことに全力を注ぐのだ。


「前回同様、魔法によるいぶり出しを行いましょう。

 それで出てこなければ、破城槌の出番となります。

 ここは確実に行きましょう。」


「そうだな。

 頼んだぞ。」


「お任せください。」


こうして、城攻めが開始されるのだった。



城攻めは前回同様、まずは魔法による攻撃から開始された。

だが、一向に打って出てくる気配はなかった。

魔法を投げ込みつつ、破城槌による門の破壊が実行される。

門は、あっさりと破壊された。

そして、魔法を止めて、兵士がなだれ込む。

敵の大半は、魔法による被害により、ほとんどがやられていたのだった。

これにより、打って出るだけの力がなかったようだった。

次に、城内へと攻め込む。

城主及びその家族はあっさりと捕まった。

そして、地下の牢獄に投獄されるのだった。

またもや、予定より一日早く制圧して見せたのだった。



その日の夜。

首実験を済ませると、クリシュナはクロムワルツ侯爵と対談していた。


「ようやく二つ目の都市を落とせた。

 後は、残り一つとなったが、次が本番だな。」


間違いなく、3万の軍勢と戦うことになるのだ。


「左様ですな。

 ここは一つ、ルーク様の策に頼りましょうぞ。」


「そうだな。

 だが、どの程度の効果があるのか、私にはわからない。

 ただ、恐ろしいことをルークは言っていたのだ。」


「と言いますと?」


「兵を一兵も失わずに、戦い抜いたそうだ。

 そして、敵を殲滅させたとも言っていた。

 兵を一人も失わないなどということが本当に起こるのだろうか?

 ルークは嘘をつかない人間だとはわかっているのだが、信じられないのだ。」


クロムワルツ侯爵は顎に手を当てながら考えた後、口に出す。


「確かに、本来であればありえないことでしょうな。

 だが、ルーク様は嘘をつく方ではない。

 それに、ごく最近の話、一万の軍勢に対しても

 一人も死ななかったという報告もあります。

 ここは一つ、騙されたと思って信じてみてはいかがでしょうかな?」


「騙されたと思ってか。

 そうだな、その方が気が楽になる。」


クリシュナは息を吐く。

少しばかり、気が楽になったのだ。


「しかし、実際に目にしたら、どうなるだろうかな?

 私は、呆れて物も言えないようになっているかもしれないな。」


クリシュナは苦笑する。


「そうですな。

 その時は、ルーク様に抗議しても良いかと思いますぞ。」


「そうだな、そうしよう。」


二人は笑うのだった。

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