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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第35章 ミーディアス王国侵攻編・侵攻。
362/526

35-1 1万の軍勢との戦い。

ルークが出陣して3日目。

最初の都市が見えてきた。

その都市を守るように、1万の軍勢が展開していた。

北方侵攻軍2万の軍勢は、1万の軍勢を確認後、進軍を停止していた。

すぐさま、軍議が開かれる。


「1万の軍勢が展開しておりますが、このまま攻めるでよろしいのですな?」


マクドフェルド伯爵が確認を取る。


「はい、問題ありません。

 攻め込む前に、“軍団魔法(コープス)”を使います。

 その後、全軍に攻撃開始を指示します。

 敵軍が、あの都市に逃げ込んだ場合、都市の城外門付近を包囲します。

 まずは、そこまで進めましょう。」


ルークの言葉に、全員がうなずく。


「メリッサ殿、周囲に敵軍の援軍の姿はありませんか?」


「確認します。」


メリッサは、“情報整理(オーガナイズ)”にて、4都市付近を確認する。

だが、敵の援軍の姿は確認できなかった。


「援軍の姿はありません。」


「わかりました。

 ありがとうございます。」


ルークはうなずく。

敵は、前面に展開している1万の軍勢のみだった。

援軍はない。

ならば叩くのみである。


「では、始めましょう。

 戦闘準備を行ってください。」


「「「はっ!!!」」」



ルークは騎士団長らが配置についたことを確認すると、全軍を前に魔法を唱える。


「“軍団魔法(コープス)”!!!」


途端、2万の軍勢が淡い光に包まれる。

この“軍団魔法(コープス)”は、ラインクルド王国戦で使ったものと同じ魔法が含まれている。

『魔法の複合化』ができるルークにとっては、まさに脅威ともいうべき魔法だった。

そして、ルークは、剣を引き抜く。

全軍の戦闘態勢は取れている。

後は、号令を待つのみだった。


「全軍、攻撃開始!!!」


ルークの号令一下、全軍が敵軍を目指して動き始めるのだった。



敵の1万の軍勢は臆することなく、2万の軍勢に向かって進撃してきた。

そして、双方が戦闘を開始したのだ!

戦闘は激化するかと思われたが、一方的な展開になっていく。

ルークの魔法の効果が強すぎたのだ!

その結果、一方的な殲滅戦へと展開していくのであった。



クロウは最初から飛ばしていた。

ガンガンに進み、敵の首を斬り裂いていく。

圧倒的に強化されたその攻撃力は、敵を寄せ付けないほどに強かった。

それに、一切の攻撃を受け付けない防御力は、敵にとって阻むことすらできない。

クロウは、剣を振るい、敵を屠っていく。

その内、敵の隊長格の姿を確認した。

敵の首を獲り、褒美を頂くチャンスであった。

敵の騎士隊長や騎士団長は、賞金首と言ってもいいほど、褒美がもらえるのだ。

クロウは、ルークのために、敵の隊長格の首を獲るつもりだったのだ。

隊長がいなくなれば、隊の統率は乱れる。

それも狙いであった。


「貴様、勝負しろ!!」


クロウは敵の隊長らしき剣士に戦いを挑む。

敵の隊長は剣を振るい、クロウを殺しにかかる!

だが、クロウの動きが速かった!

クロウは、敵の首を斬り裂くと、その首を手に取り、叫ぶ!


「隊長の首、獲ったり!!!」


その言葉に、動揺する敵騎士がいた。

どうやら、隊長で間違いなさそうだ。

クロウは首を腰に括り付けると、次の標的を探して、戦う!

彼には、引き下がるという意思は全くなかった。



ゼルディアは、隊を指揮しつつ、前に進む。

既に、腰には敵の隊長の首が2つも括り付けられていた。

短時間で、2人の隊長の首を獲ったのだ!

ゼルディアは冷静だった。

自分の隊を前に進めつつ、確実に敵の隊長や騎士団長を倒して、切り崩していく。

そうすることにより、前線を維持していたのだ。

しかも、自分の隊は、一切乱れていなかった。

それどころか、隊自体が強く、敵を切り崩していたのだ!

敵軍は、乱れ始めていた。

敵の大将格の首を狙うチャンスであった。

ゼルディアは、更に自分の隊を前に突出させ、敵を切り崩していく。

敵は、それに対抗できずに、崩れていく。

そこで、ゼルディアは、大将格である騎士団長を発見する。


「貴様が大将のようだな。

 潔く、勝負せよ!」


ゼルディアの言葉に、騎士団長は焦りつつも、剣を引き抜く。

ゼルディアは、剣に魔力を流し込み、風を発生させる。

勝負は刹那だった!

ゼルディアが剣を横薙ぎした瞬間、敵の騎士団長の剣ごと斬り裂き、その首を獲ってみせたのだ!

ゼルディアは、その首を拾い、掲げる!


「敵大将の首、獲ったり!!!!」


その言葉に、敵軍は動揺し始める。

既に崩れかかった軍には、かなりの痛手であった。

ゼルディアは慢心せず、更なる敵の首を狙う。

ゼルディアの隊は、狩人の如く、敵をどんどんと屠っていくのだった。



メリッサは、戦況を“情報整理(オーガナイズ)”で確認していた。

完全に一方的な殲滅戦となっていたのだ。

これで、一方的な殲滅戦を見るのは、2回目だった。

やはり、慣れるものではない。

隣に座るルークが恐ろしく感じることもある。

この方は、敵に容赦が全くないのだ。

自分たちの軍が無事なら、それでいいのだ。

敵には、一切の容赦も猶予も与えないのだ。

だからこそ、圧倒的に強いのだ。


「戦況は、見えましたね。」


ルークがそう言うと、メリッサはうなずく。

敵軍の大半は殺され、生き残っている者たちも、そのほとんどが逃げ出そうにも逃げられない状態だった。

それに、敵の大将格である騎士団長は、ゼルディアによって討たれた。

敵軍は、総崩れへと移行していた。


「追撃なさいますか?」


「いえ、しません。

 都市内部に逃げ込んでくれれば、御の字です。」


ルークの言葉に、これも策であると読み取る。

全ての敵を都市内部で殺しつくすつもりなのだ。

やはり、恐ろしい方だった。

敵軍は、壊滅した。

そして、都市内部に逃げ込む兵士であふれる。

ルークは、全てを見越したように、全軍に停止命令を出す。


「マクドフェルド伯爵、全軍を停止した後、城外門周辺を包囲します。

 よろしいですね?」


「はっ、お任せを!」


マクドフェルド伯爵は敬礼するのだ。


「城外門を封鎖した後、僕が出向きます。

 メリッサ殿、僕に続きなさい。」


「はっ!」


メリッサは敬礼する。

ルークの指示は続くのだ。


「グレッグ団長、2名の隊長と各200の軍勢を用意してください。

 内部に乗り込みます。

 それと、メリッサ殿を隊長とした100名の騎士を選出してください。

 それ以外は、城外門周辺で待機です。」


「承知しましたぞ。」


マクドフェルド伯爵とグレッグ団長はすぐに動き出す。

こちらの軍は、兵士が一切無傷で、戻ってきている。

それぞれの指示に従い、動き始める。

ルークは、立ち上がると、笑みを浮かべる。


「やっと、僕の出番ですね。」


ルークは動き出すのだった。

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