3-9 戦争開始!
戦争当日となった。
全軍、会戦場所へと移動していく。
ちなみに、ルークの指揮権はきちんと村人全員に通達されていた。
ルークは、隊長に任命されていた。
とはいうものの、ルークは戦争のことをよくわかっていない。
どうしたものか、考えるしかなかった。
戦争に関する本も読んだことはない。
今度、勉強のために読む必要があるかもしれない。
そんなことを考えながら、ルークは歩いているのだった。
ちなみに、ルークの隊は、はるか後方だった。
よって、よほど大負けしない限り、戦闘になる可能性がなかった。
前線を務めるのは、大半が騎士だった。
一般人では役に立たないのはわかり切っているようだった。
それでも参戦している以上、生き残る必要があるのだ。
ルークは、まずは様子見に徹することにしたのだった。
会戦の地に到着すると、相手の姿が見えていた。
どうやら向こうが先に到着していたようだ。
互いに睨み合う状態となる。
やがて、剣を掲げた騎士が、剣を振り下ろす!
それと同時に、戦争が開始されるのだった。
戦争は開始されたのだが、後方待機状態のルークは何もできなかった。
ただ、前線の戦争を眺めていた。
どうやら拮抗しているようだ。
だが、このままでは決着がつきそうにない。
一応、15人という部隊を任せられているが、勝手に動いていいものやらと、ルークは考える。
そんな時、味方の後方の一部の部隊が勝手に移動し始めた。
敵の左翼へ攻撃を仕掛けに行ったのだ。
だが、攻撃は失敗だったようだ。
早々に散らされ、戻ってきていた。
どうやら被害はないようだが、奇襲は失敗したようだ。
こちらは敵右翼に攻撃可能だが・・・とそこで思いつく。
左側に森があったのだ。
ならば、これを利用して、敵右翼に奇襲を仕掛けられるかもしれない。
しかし、たった15人だ、大したことができない可能性が高い。
あっさりと失敗し、散り散りに逃げることになるかもしれない。
だが、やってみる価値はあった。
「みんな、聞いて欲しいことがある。」
ルークは、15人の村人を集め、円陣を組む。
そして、作戦の概要を話し始める。
「・・・それでうまくいくのかよ?」
エドガがポツリとつぶやく。
「失敗した場合は、ここに逃げ帰ること。
それで生き残れると考えてもらえればいい。
どうだい?」
その言葉に、皆がうなずく。
「じゃ、作戦開始だ!!」
ルークら16名は森に入り込んで、敵右翼方面に移動を開始する。
移動中は見つからないように、背を低くして行動する。
皆動きは速かった。
狩りをしている連中だ、これくらい慣れていた。
次に、敵右翼の真横に移動する。
そこで、全員武器を構える。
そう、突撃するのだ!
ただし、大声で叫びながら、突撃を敢行するのだ。
「行くぞ!!」
「「「ウオオオオオォォォッ!!!」」」
村人15人が、一斉に森の中から大声をあげながら出現したのだ。
敵右翼の人間は驚いていた。
だが、これで済ませるルークではない。
魔法を唱え、解き放つ!!
「“風爆裂波動”!!!」
敵右翼に風の大爆発が巻き起こったのだ!!
吹っ飛ぶ兵士たち。
そこに槍を構えて突っ込んでいく村人たち!!
その槍が見事に敵に突き刺さる!
そこから、乱戦状態となったのだ。
突然の爆発に、ダーナスは目を見開く。
すぐさま、騎士隊に命令を下す!
「右翼の味方を援護しろ!
うまくいけば、右翼を崩せるぞ!!」
ダーナスの指令は的確だった。
敵右翼は崩れかけていたのだ。
「ありゃ、ルークだな。
やるな。」
ダーナスはにやりと笑みを浮かべるのだった。
ルークは魔法を解放した後、剣を引き抜き、一気に敵を斬り捨てていく。
どうやら彼らも同じく村人たちなのだろう。
動きが遅いのだ。
ルークは、どんどん斬り捨てていき、敵の将軍らしき男を見つけていた。
彼は、右翼が崩れないように、指揮をしていたのだ。
ルークは指揮をする将軍に狙いを定め、突っ込む。
将軍は馬に乗っていたので、その足に切りつけたのだ。
「あ、足が!?」
将軍は足を斬られたことにより、落馬した。
それを守ろうと、周囲の騎士が動き出したが、ルークの敵ではなかった。
ルークが一閃する毎に、敵は倒れていく。
そして、将軍の元にたどり着くと、その首に剣を突き立てる!!
首を斬り裂くや、左手に持ち上げ、叫ぶ。
「敵将軍、討ち取ったり!!!」
途端、敵の右翼が乱れ始める。
指揮する人間が殺されたのだ。
それに、ダーナスの部隊が、敵右翼に圧力をかけていたのだ。
敵の潰走が始まるのは、もうまもなくのことであった。




